【感想・ネタバレ】ヤマケイ文庫 エスキモーになった日本人のレビュー

あらすじ

「大島さんはエスキモーの伝統を身につけた本当の猟師であり、生きる伝説です」
角幡唯介氏、推薦!

ひょっとすると私はもともとエスキモーなのに、生まれる場所を間違えたのかもしれない、と思ったりもする。しかし、せいぜい六、七十年の人生、どこに暮らそうが、おなじ地球の上、たいして変わりがあるようにも思われない。好きなことをして暮らすにこしたことはない。(本文より)

シオラパルク。北緯七十七度四十七分、西経七十度四十六分。北極点まで千三百キロ。世界最北の村に単独で入り、エスキモーとなった伝説の日本人、大島育雄。植村直己との交流、キビヤの洗礼、犬橇の習得、結婚、借金生活、北極点到達、ナロオホイヤの思想――。エスキモーたちのたくましさに圧倒されながらも、酷寒の地で生きるための知恵と工夫、生きざまに魅了された。極北で「猟という、人類にもっとも古い職業の一つにたずさわる」ことを決めた男の物語。
解説/角幡唯介。

1989年発刊の名著『エスキモーになった日本人』(文藝春秋)を再編集のうえ、新たな写真を追加して復刊・文庫化!


■内容
復刊に寄せて 大島育雄
一 最北の村
二十五歳で最北の村へ/植村直己さんの笑顔に安心/まず排便作法/キビヤの洗礼/真上に輝く北極星/極地の魅力/子供たちが言葉の先生/オヒョー釣りで意外な獲物/発酵と腐敗

二 見習い猟師
ふらりとプラット/ある失敗/犬橇をもつ/初めての獲物/風下を向いて寝るアザラシ/植村さんが怒った/「植村語」/五百点近く民具を収集/ピアリーの孫

三 結婚
運命をわけた日大山岳部/TV取材班に同行して/エスキモーという呼称/エスキモーの歴史/無線連絡で結婚話/最北の村の長老/銛頭と柄/赤ん坊の命名法

四 北極点遠征
大きなヘソ/犬百十六頭が酸欠死/犬の事故で計画変更/悪戦苦闘/エスキモーと隊員の摩擦/植村さんと「競争」/盆栽と北極/ポンポン船「沈み丸」

五 嵐
酔っぱらいの横行/ピーターの急死/五本牙のセイウチ/「ないよ、どこにも」/借金生活/でっかい獲物/植村さんの悲報/失敗と教訓

六 照る日 曇る日
雷鳥に化かされる/イミーナ老人の昔ばなし/怪談・伝承/犬と結婚した娘の話/金星の伝説/方向をさがす方法/極北で生きる知恵/猟のライセンスは三種類/自然を相手に

七 四季の猟 春夏
犬橇/白クマ狩り/ウサギ猟/セイウチ猟/アッパリアス獲り/アザラシ猟/イッカク猟/白イルカ漁/トナカイ狩り

八 四季の猟 秋冬
氷/アザラシの網猟/キツネ罠猟/ウサギの罠猟/セイウチを獲る/セイウチの解体/皮の値段

九 村の生活
……のようなもの/ナイフを片手に車座で/酒の制度/キリスト教の浸透/村に一台の電話/夜ふかしの子供たち/猟の実習もある義務教育/神経痛と虫歯/猟師列伝

十 発電所計画
私は猟師なのだ/文明圏の垂れ流しのツケが/ダッコバル/二重国籍/身体髪膚はキズだらけ/発電所建設組合『最北』/夢にみる光景/いま思うこと

解説 角幡唯介

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 1947年生まれ、現在(2026年)79歳のグリーンランドでは知らない人はいないという伝説の猟師、そして現役の猟師である著者・大島育雄さん。

 1972年、初めての海外がグリーンランドで、そこで待っていたのはあの植村直己さんと、キビヤの洗礼だった。「ツバメとハトの中間くらいの大きさの小鳥が五、六羽。その姿がすごい。道端で見かけるぐしょぬれの小鳥の死骸そのものだ。独特の臭いが漂ってくる。まったくなじみのうすい刺激臭だ・・・・植村さんの食べ方を、見よう見まねでやってみる。左手で頭部をつまんで、右手で羽をむしっていく。意外とすめすめ抜けるものだ。赤っぽい鳥肌がむき出しになる。植村さんはその首筋あたりにガブと食いついたかと思うと、そのまま皮をずるずる剥ぎながら口にふくんでいく。」

 二度、三度とキビヤを口にするうちに大好物になり、そして見習い猟師になる。1974年、エスキモーのアンナと結婚、犬橇を習得し、植村直己よりも先に北極点に到達し、イッカクやセイウチ、アザラシを獲る本物の猟師になり、一男四女を育てていく。日本人がエスキモーになっていく16年間の記録。

 そして今、「私は悟った。ああ大島さんは本当に彼ら(若いエスキモーたち)に尊敬されているのだ。古いエスキモーの伝統を身につけた本当の猟師がいまの俺たちをどう思っているのか、気にかけているのだと」(解説:角幡唯介) という伝説になっている。

 すごい人がいる。今も、いる。
 

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

エスキモーとなって、北極圏の狩猟で生活し家族を養いっていくことがどんなに大変なことだったか、想像されると同時に
どうせ5、60年の人生だからと覚悟を決めやりたいことをやって自由に生きる思い切りとエスキモーの生活をやりぬいたことに感服しました。

2009年出版の「地球最北に生きる日本人、イヌイット大島育雄との旅」として朝日新聞記者に現地取材を受けたその後の大島さんがご家族とともにたくさんの写真付きで紹介されておりイメージが鮮明になり良かった。

こんな生き方の人が居ると知れば、ネットのあふれる情報を浴びて、新しい情報に追われている自分がなんだかなあ、と思ってしまいます。

0
2026年03月08日

Posted by ブクログ

エスキモーの昔話は以前読んだアイヌ民話にすごく似ていた
シベリアからグリーンランドへ渡っていったのがエスキモーならシベリアから北海道に渡ったのがアイヌなんだろうか

角幡さんの尊敬する大島さんってどんな方なんだろうと思い読みました

道に迷って雪原の中途方にくれたら、犬橇の中の出産経験のあるメス犬を放すといいらしい
帰巣本能で家にたどり着ける
犬ってすごいな

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2026年04月04日

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