【感想・ネタバレ】おぞましさと戯れる少女たち フェミニズム美学から読む日本現代美術の少女表象のレビュー

あらすじ

アニメやマンガ、アイドルなどの文化で「かわいらしい」少女像が広く受け入れられ、めでる対象として、あるいは性的な対象としてまなざしを向けられてきている。一方で、少女表象には、「怖い」「不気味」という印象を鑑賞者に抱かせる作品も多くある。芸術家はなぜ少女の「おぞましさ」=アブジェクトを描くのか。

フェミニズム・アートや日本の少女表象の歴史などを押さえたうえで、国内外で活躍する現代美術の芸術家が描く少女表象を丁寧に分析して、芸術家が少女に託してきたものを明らかにする。

ときに身体を切断され、キメラとして描かれもする少女表象に潜む「おぞましさ」に焦点を当て、フェミニズム美学の視点からその芸術的価値を照らし出す。現代の少女表象から、男性中心に構成されてきた社会への異議申し立てや価値観を揺さぶるアクチュアリティを析出する。

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Posted by ブクログ

絵画とは男性優位の教養であり、今まで絵画の中で表現されている少女は可愛い、や庇護の対象といったステレオタイプの"少女"である。この前提にたった時に、少女時代を経験した女性自らが描く少女とはいわゆる"少女"ではなく、もっとおぞましさや、不気味さを漂わせているはずだ。と観点からこれまでの美術を振り返ろうというフェミニズム文学の本。

序論の中でステレオタイプ的な男女観として
異性愛 heterosexuality の制度が二つに分けた性別 gender のうちで、「男」性との関係で「女」性はまず第一義的に「産む性」=再生産者として定義される。女性が被抑圧者であるというのは、女性がたんに再生産者であるからではなく、自分自身の行う再生産とその結果である子供という再生産物 reproducts ー生産物という用語に対応させて再生産物という言葉を用いようから疎外されているからである。女性の再生産労働とその労働の成果である再生産物は、男性=家父長 patriarchによって所有されている。それが「家父長制」の意味である。
とあり、このような再生産者としての女性と、その状態になりきれていない幼女の間に少女があるとした。
※農耕社会では、男女が等しく生産者であったが、近代化するにつれ、男は外で仕事をし、女は内で家事を営む。といった男女におけるロールが固定化されてきた。この前提において、家事を営む、育児をする女性のことを再生産者として定義している。

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2026年04月13日

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