【感想・ネタバレ】京都折々暮しのレビュー

あらすじ

苛立たしいけど愛おしい
私は生まれ育ったこの町が好きだ――

京都に暮らす直木賞作家が
日常を綴るほっこりエッセイ

小さな出来事が積み重なって月日は過ぎ、我々の日常は歴史になる。
その一隅に今、私は短い尻尾を揺らして暮らしている。
(本文より)


多くの人を虜にし続けてきた千年の都・京都。
京都生まれ、京都育ちの直木賞作家が、この街で見て感じた
さまざまな出来事をウィットに富んだ文章で描く。

旬の食を楽しみ、旅先での出会いに心惹かれ、
先人の遺した芸術を尊び、悠久の歴史に思いを馳せる。
知らないことを知りたい――それらのことすべてが、物語を紡ぐ糧となる。

直木賞受賞記念エッセイも収録、ロングセラー『京都はんなり暮し』に続くエッセイ集。


【目次】
京都に暮らす
日々の糧
まだ見ぬ空を追いかけて
出会いの時
きらめきへの誘い
歴史の旅へ
ただ、書く

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Posted by ブクログ

この本、一番最初のエッセイのタイトル「天神さんが晴れなら」を見て、あれっ?と思った。よく見たら、「この作品は2023年4月に徳間書店より刊行された『天神さんが晴れなら』を改題しました」と但し書きがあった。
その本なら読んだけれど、せっかくなので文庫版も読んでみることにしました。
新しい発見だらけでした。いや、忘れていただけか・・・
再読って素敵だな。

興味深かったところを少し。※印は、私の感想です。
・都会とは平らなものだと思っていたのに、東京に行って驚いた。「都会なのに坂がある」「道がまっすぐではない」
・観光シーズンが来ると、京都市民は天気や行事をチェックし、今日はどこに近づくと苦労するかを確認する(※まるで陰陽道の「方違え(かたたがえ)」)
・ポーランドへの旅。オシフィエンチム駅に降り立つ。どのバスに乗るか迷っていると初老の男性が近付いてきて「ムゼウム?」と聞いた。ムゼウム=ミュージアム・博物館、と理解して頷くと、ちようど来たバスを指して教えてくれた。「オシフィエンチム」をドイツ語読みすると「アウシュビッツ」である。あの男性はどんな思いでこの街に暮らしているのだろうか。
・高校の時、北九州への修学旅行の直前に阪神淡路大震災。山陽新幹線が使えなくなり、急遽、大阪港からフェリーに乗るコースになった。旅行中、長崎市内のホテルでテレビをつけると、東京で地下鉄に毒ガスが撒かれたというニュース。印象に残った旅。
・旅とは決して距離ではない(※名言)
・黒岩重吾、杉本苑子、永井路子各先生の後に続く者がいないままとなっていた古代小説を書こうと決めた。時代小説家の母には、「古代史小説は売れないよ」と言われたけれど。

大学時代に能楽部に所属してから、金剛流の能を学んでいるという澤田さん。その知識と経験は、小説に昇華されたり、芸術作品に対する鑑賞をより深めたり。
天武・持統天皇についても多く語られている。
歴史小説を書くには、膨大な資料を読み込むことが必要なのだろうと思う。歴史小説家は「今」ではない時代への旅に読者を案内するツアーコンダクターだ。
そんな澤田さんが京都に居られることはとても自然でふさわしいことに思える。

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2026年06月30日

Posted by ブクログ

京都旅行に行く前に、京都在住の作家澤田瞳子さんの京都のお勧めを読んで見ようと思った。直木賞作家である彼女の作品をまだ読んでなかったのに。

今まで何度か訪れた京都だったけど、知らなかった!志津屋のカルネ。京都人のソウルフードと書いてある。これからは絶対買って帰ろうと思った。
京都ではないけど、丹波篠山市の丹波黒枝豆のエッセーも。
「一般の枝豆は未成熟でまだ青い大豆を指すが、黒枝豆はそれと同様、熟成していない青い黒豆。これを普通の枝豆のように茹でたものは、初めて見た人がえっと声を上げるほど、独特の黒味を帯びている。しかしこの豆はおよそ枝豆とは思えぬぐらいの甘味に満ち、一度食べると忘れられぬ美味なのだ。」 こんな風に書かれると是非とも食べて見たくなる。

食ばかりではなく、暮らし、作家活動、若冲の事、能楽の事について等多岐にわたっていて、読みやすいエッセーでした。
次は『京都はんなり暮らし』でもう少し京都情報収集してみようっと。そして、また京都へ行きたい。

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2026年06月08日

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