あらすじ
長い髪の女に追いかけられ殺される……幼い頃から毎日のように見る悪夢が原因で、有村祐一は極度の女性恐怖症になってしまった。そんな祐一を気遣った会社の先輩に連れられ女装ホステスばかりの高級クラブへ行った祐一は、そこで恐ろしいほどの美形の男、深見呉葉と出会う。牡丹の源氏名を持つ深見はなぜか祐一を気に入り、優しく酒を勧めてくる。したたかに酔った祐一はその夜、深見に激しく抱かれてしまい…。葛西リカコ先生の挿絵収録。
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Posted by ブクログ
【観点別評価】文体☆3、文章表現☆3~4、作品としての質☆3、個人的嗜好☆2
【総合評価】タイトルどおりの執着っぷり。ラストが呆気なかったのが残念。☆3
ストーリーだけ取り出せば超常現象的というかファンタスティックな話であり、割とシンプルな前世の因縁話で全て説明して大団円に持って行ってしまう辺り、素朴すぎるような気もする。女装攻でありなおかつ元を辿ればNLでリバ(?)というのが好みの分かれる最大のポイントかも。
この作品はタイトルが示しているとおり、受のことを地獄の果てまで追いかけちゃう攻に重きがおかれているので、受に人間的魅力もとい萌えを求めるバリタチ脳の受ペロリスト読者としては、薄味な受さんに少々物足りなさを感じた。しかし攻ペロリストでなおかつ女装攻やら美形攻やらがお好きだという方にはたまらないと思う。この辺は本当に読み手の好みだろう。
攻さんの執着っぷりはなかなか堂に入っていて、女の情念を感じさせる描写は凄味があって良い。前述のストーリーの素朴さも霞むくらい迫力満点のヤンデレっぷりである。そのぶんラストがあまりにあっさりしすぎていて、どうしても気になる。
結論としては、攻のスペックと怪談的な幻想性がハマれば美味しくいただけると思います。個人的にはCPがやや地雷で、濡れ場もちょっと苦手な感じで苦戦しましたが、これは本当に嗜好というか相性の問題ですので、「イケる!」という方は是非。