【感想・ネタバレ】リストカット 自傷行為をのりこえるのレビュー

あらすじ

人はなぜ自らの身体を傷つけようとするのか。近年、社会・学校に蔓延する自傷行為。そのメカニズムと対処法を最新の知見と医療現場の症例をもとに解説。自傷行為に苦しむ人々に回復への道筋を提示する一冊。(講談社現代新書)

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Posted by ブクログ

本人、支援者、治療者にわけて書いてあり、その役割を超えないように…というのはとても参考になった。
気になった部分は繰り返し読んでみようと思う。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

表題は「リストカット」ですが、中身はリストカット含む自傷行為のみならず、過量服薬や自殺未遂との関係にも触れています。

巷では自傷行為や過量服薬に及ぶ人を「メンヘラ」と呼んで避ける人がいたりしますが、メンヘラさん達も好きでメンヘラになったわけではないのでな。
「なぜ」人は自傷行為に及ぶのか、「なぜ」あなたの励ましは逆効果なのか、「なぜ」メンヘラは面倒くさいと蔑まれるのか……さまざまな「なぜ」への解答が本書にはあります。

ただし10年近く前のデータもあるので現在に活かすためにはさらに最新の精神医学の関連書籍を読む必要があります。

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2018年12月07日

Posted by ブクログ

新書だが、悩んでいる渦中の人には決してたやすい記述や分量ではないかもしれない。問題に直面している人は,著者が冒頭に書いているように7~9章のみで十分に役立つ。

境界性パーソナリティ障害への対応と重なる部分が大きいのは、一つの現象を見る視点が違うからだろう。

・死の願望はかならずしみ危険なものと見る必要はない。その行為では自殺未遂の場合よりも自殺の意志が弱い。生きることを確認する試み、生きるための試みという意味が認められる。
・援助のスタンスは節度。
・援助者は「理想化」を意識すべき。
・弁証法的行動療法:患者は状況と戦うのではなく、受け入れる。その状況をもたらした硬直した思考や行動を放棄する。

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2014年08月29日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
近年、高い頻度で生じ、しかも不気味な増加傾向を見せる「自傷行為」。
リストカットをはじめとする自己切傷、過剰服薬といった多様なかたちで現れ、学校や地域社会、家族などで問題となっているこの病理は、なぜ起きるのか。
そして、それにどう対処すればいいのか。
本書は現場に立つ第一線の精神科医が豊富な症例をもとに、自傷行為への理解と対策を平易かつ具体的に解説する。
みずからの身体を意図的に傷つける苦しみに悩む人の回復への道がここに開かれる。

[ 目次 ]
第1章 自傷行為とはなにか?
第2章 ダイアナ妃の苦悩
第3章 さまざまな発生要因―社会文化的要因および生物学的要因
第4章 マリリン・モンローと南条あや―自殺未遂との関係
第5章 三つのモデル症例
第6章 精神疾患との関係
第7章 自傷行為への対応
第8章 自傷行為の治療
第9章 さまざまな対処法・治療法
エピローグ 「わたし」の回復

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年12月13日

Posted by ブクログ

彼女のほっそりとした前腕には、何十本もの傷がある。それは、彼女の中に棲んでいる右利きの少女と左利きの魔女が互いの利き腕を傷つけ合った結果だ。

でもそれは彼女が「生きたい」と願う印でもあるということを、改めてこの本を読んで強く思わされた。少女は自分を貶めようとする魔女と戦おうとして、魔女は自分をいつまでも幼く未熟なままでいさせようという少女を消し去ろうとして、互いに傷をつけ合っているのだろう。

彼女が純粋な他者への適切な依存を学び、十分に節度を持った人間関係を築けるようになった時、少女も魔女も彼女の中のあるべき場所で眠りにつくのだろうと思う。

彼女は自分のその未熟な状況を、自分がそこから脱したいと思っていることを、うまく言葉にして私たちに伝えることができない。そしてそのことに誰よりも怒り、苛立っていることも。だから少女と魔女が代わりに傷をつける。それが私たちの目に見えるように。

本書はそんなふうに、実際に自傷行為者に接している人たちが、相手の状況を少しでも理解することを、わかりやすく助けてくれる。もちろんそれが簡単かつ単純なことではないことも、しっかりと記されている。

まず、相手を理解すること。そのために何が必要か、もう一段次のステップを考えるきっかけになる。とても良い入門書であります。

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2019年05月10日

Posted by ブクログ

リストカットをはじめ自傷行為・自損行為について書かれた本。著者はリストカットは「他者へのアピールが濃い」という立場ですが、3つの症例とも隠れてリストカットをしており、家族にリストカットが発見されたときには今まで隠れて行ってきた数十もの傷があった等など、著者と症例(データ)に明らかに矛盾があると思う。当初の思い込みがあると、データを目にしてもほかの視点が入れないのだなぁという実例を目の当たりにした。

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2016年05月08日

Posted by ブクログ

 自傷行為について知りたかったのと、南条あやさんについて書いてあるということで読んだ本。
 「リストカット」という題名ではあるが、内容はリストカットだけでなく自傷行為と過量服薬についてであった。自傷行為はそれ自体が問題として現れるというより、過度なストレスや抑うつ感といった問題から逃れるための手段として使われる。そのもととなる問題は一人ひとり異なるため、治療・援助はきわめて難しいと思った。
 リストカットを含む自傷行為は、思春期によく見られる行動である。初めは軽いものであってもどんどんエスカレートし、しまいには取り返しのつかないことになってしまう可能性もある。自傷行為を理解することは、思春期臨床において非常に大切なことだと思った。

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2015年07月01日

Posted by ブクログ

精神科医の立場から過去の有名人(ダイアナ妃、マリリン・モンンロー、南条あやなど)を例に、きっかけや回復過程や帰結を分析して、普遍的な部分を抽出して「自傷者」と「自傷者の回復を手伝う身近な人」、それぞれの立場や責任を明らかにして取り組もうという流れ。

自傷者特有の「あなたが○○してくれないのならまた自傷する」という脅しに対しての「あなた(自傷者)の行動の責任を私(回復を手伝う人)に転嫁する論理はおかしい」という切り返し方はなかなか。

あと、自傷行為は自傷者にとって「善い」(メリット)が生じているし、それ自体が問題を解消する一つの努力ととらえるという解釈は新鮮。

メリットが生じているというのはまあ理解できるし、一般的に間違った方向であれ当人になんのメリットもないのなら意図した行為として発生しないわけだし。

それが治すべきものなのか、主義とまでいかなくても利己主義的な考え方の一種として割り切って、最善ではないけれどというカッコつきの感じで自傷者本人が許容しているのなら周囲も問題とすべきではないのか。
そういう考え方自体が病的なのか。
私の中ではなかなか答えが出ない。

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2012年10月29日

Posted by ブクログ

ダイアナ妃の件とかがとてもよかった。
具体的な例をだしているので入りやすい.

自傷行為に走る要因として環境的な要素がとても大きいと思う。
十分に愛されていない、認められていない。
または自分を生かせていない。
ダイアナ妃は結婚後慣れない環境のなか夫からも十分に愛されずに自傷行為を繰り返していた。
だけど彼女はボランティア、慈善事業等、自分を生かす道を自ら見つけてそれを克服した。

大切なのは自分を生かす道を見つけること。
自分でいられる関係を築くこと。
特に無条件に愛された事がない人間には必要な努力かもしれない。

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2012年06月21日

Posted by ブクログ

人生で悩むのは分かる。でもなぜ、自分の身体を傷つけるのだろう。しかも、「生きているのを確かめたかった」なんて、結局死にたいの?生きたいの?

八方ふさがりになったり、処理能力を超えた負荷がかかると、人間はエネルギーをため込む。それをスポーツやおしゃべりで発散させる人、他人を傷つけて発散させる人、自分を傷つけて発散させる人に分かれるのだと思った。

癌(細胞分裂のエラー)はどんどん増殖して、自分を殺す方向に向かう。精神的なダメージ(判断のエラー)も、困難が積み重なると、自分を殺す方向に向かうのかもしれない。癌で言う免疫機能が、精神的なダメージだと「生きたい」という願いになるのだろうか。

「性格」の要素は人類皆共通していると思う。それぞれが持つ要素の量の違いが「個性」を生み、社会規範の範囲を超えた個性が「病気」として認識されると私は考えている。もし自分がリストカットをするようになるとすれば、それはどの要素が肥大したことによるものだろうか。今後も考え続けたいと持った。

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2011年03月19日

Posted by ブクログ

リスカと軽い気持ちで手首に刃物をあてる人が増えている。この行為はなぜ起きるのか、そして何を示しているのか、いろいろな症例をあげながら説明している。
ただ、全体的に少し偏っている見解が多いと思われる部分もあるが、リストカットの背景を世に示すという面ではぜひ知ってもらいたい本である。

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2009年10月04日

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