あらすじ
魔法使いが存在する現代。しかし科学の発展により役割を失い、その社会的地位は高くない。そんな世界で魔法使いを目指す南雲桜子と、彼女を支える一般人の志波凜。小学校で出会った二人は、親友として多くの時を共に過ごし、次第にそれぞれの道を歩み始める。果たして彼女たちの人生の先にあるものとは。そして最後の魔法とは何か。これはひとりの魔法使いが起こした奇跡の記録。
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Posted by ブクログ
魔法使いが存在する世界。でも魔法使いといっても、5分の呪文の後にたった10秒火をつけたり水を出したりできるだけ。些細な魔法を使えるだけの魔法使いたちは、社会的にはあまり優遇されずむしろイメージはあまりよくない。
そんな中、魔法使いを目指す桜子は、小学校で「魔法ってすごい」と言ってくれた凛と親友になる。そして彼女たちの歩む道の先には何が待っているのか。魔法使いが一生に一度だけ、使ったら二度と魔法を使えなくなってしまうという「最後の魔法」とは何か。
魔法使いは派手なことができるのではなく、ほんの些細な魔法しか使えない。だから魔法使いには夢はなく、ただ地道に日々を過ごすだけと思われがち。そんな中で、桜子が努力していく姿や、最後の魔法をめぐる物語が友情の強さを見せつけられたようで、本当に泣いてしまいそうなほど胸を打たれるラストだった。
現代ファンタジーとして至高の一作と感じられた。
Posted by ブクログ
この作品、元々別レーベル (一般文芸系) の企画として刊行される予定で制作が進められていたそうですが、数回に及ぶ改稿の末、担当編集者に「この内容ではうちからは出せない」と断られてしまったそうです。
えっ?こんなに素敵で面白い作品なのに!?ベストセラー作品「誰が勇者を殺したか」と同じ作者という事実を伏せられていたとしても、最後まで読めば間違いなく感動の涙を流すはずなのに!
そんな訳でセカンドチャンス的にこの作品を刊行した、新潮文庫nexに感謝の気持ちでいっぱいです。
この作者さんは奇想天外とかオリジナリティ溢れるネタを仕込むという感じではないのですが、とにかく構成だったり見せ方がべらぼうに上手くて惹き込まれる。良い意味でやられてしまうんですよね。
この作品は現代舞台ですが、「誰が勇者を殺したか」が好きな方には間違いなく刺さると思います。
映画化してほしい小説リストに新たに加わった作品です。
Posted by ブクログ
誰が勇者を殺したかみたいな物語を
想像していたけど、やや違う作風だった。
叙述トリックにまんまとやられて、内容も
ファンタジーすぎない群像劇で
とても良かった。
久しぶりの⭐️5
Posted by ブクログ
気持ちいいまでの伏線回収。
桜子を救ったひとことが、凛を救うことになる。あのひとことに、どれだけ桜子は救われた思いだったのか。そうでなければ、自分の人生のすべてを凛のために使おうなんて考えられないと思う。そしてきっと桜子は祖母とおなじように、凛には秘密にするのだろう。もう魔法はやめたんだ、とすぱっと伝えでもするのだろうか。現代日本×魔法×友情でこんなにも切なくただただ美しい物語が読めるとは思いもしなかった。
Posted by ブクログ
「魔法」がある現代を舞台に、「魔法使い」を目指す南雲桜子と、彼女の親友・志波凜、そして桜子を取り巻く人物たちの視点で描かれる群像劇であり、純粋な親友どうしの友愛の物語。標題の『最後の魔法』の本質が明らかになり、桜子が”それ”に何を託そうとしたのかが明らかになった瞬間、物語の捉え方が一転する。そんな展開に鳥肌が立ちました。魂が揺さぶられる傑作。
Posted by ブクログ
魔法が存在する世界の話だけど、中心にあるのは桜子と凛の成長や、二人の間に流れる時間。子どもから大人へ変わっていく中で、友情や距離感が少しずつ変化していく様子が、思った以上に真正面から描かれた青春小説だった。
特に印象的なのが桜子という人物。本人の視点だけでなく、周囲の人々から語られる言葉や記憶を通して、少しずつその人柄が浮かび上がってくる。読み進めるほど「桜子って、こういう子だったのか」と見え方が変わっていくのが面白い。
そして終盤、「最後の魔法」の意味が分かった瞬間が本当に鮮やか。それまでの出来事や人物の言葉が別の意味を持ち始め、驚きと同時に胸が熱くなる。仕掛けだけで終わらず、最後には人を想う気持ちに着地するところがとても良かった。