あらすじ
『ミリオンジョー』を未完のままで終わらせるわけにはいかない! その一念で幾多の困難を乗り越え連載を続けてきた呉井だったが、計画の要であるメンバーに裏切られたことで、連載は続行不可能に。しかしそれでも呉井は最終回までのネームを描き続ける! その行為の果てに待つのは罰か、それとも……!?
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これはなかなかの問題作!
初版部数は500万部超え、老若男女に愛される国民的少年マンガの作者が仕事場で突然死!その時、周囲の人間はどうする――!?という設定を聞けば、多くの人が初版400万部突破の某大人気マンガを想起するんじゃないでしょうか。実際、売れっ子漫画家の過密スケジュールを考えれば、あながち無い話とも言えないわけで…((((( ;゚Д゚)))))
主人公の編集者・呉井は、アシスタントと共に作者の死を隠蔽し、残された大量の設定資料を元に、自らの手で連載を続けることを決心します。
まだ序盤ですが、莫大な金目当てで協力した共犯者の動向も気になるし、編集長やファンにいつバレるかという綱渡り状態もハラハラします。続きを待っている多くのファンのために続けるという決意を、果たして呉井はブレることなく貫けるのか!?
余談ですが、本作は紙の本よりも先にデジタルで発売されるという、ちょっと珍しいパターンの作品(紙は7月23日発売)。まずは電子書籍でヒットとなるか!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
オリジナルとフェイクを巡るものとして読める。
創作とは誰のものなのか、作家の置き換えは可能なのか。
平家物語が琵琶法師に語り継がれたように、口承文学として世界各地でかつては伝えられていた物語は骨格はあるが語る人から語る人に紡いでいく時にその個々人の人生や生きている時代なんかのわずかなニュアンスが代わり改変されて繋がっていた。
最大の読み物としてあるのが聖書だとしても、キリストが言った事を伝えたものだけどキリストが話していた言葉と書き残した文章の言葉はヘブライ語から違う言語だったりとまずは翻訳があった。当初の言葉からは離れていく。
創作とはなにか、オリジナルとフェイク(あるいはn次創作)は本当にオリジナルが優れていると言えるのか。
設定上長くは続かない作品だというのは一巻を読んでわかっていたけど、そういうことを意識的に含んでいたと思うし、漫画誌でこれをやったというのは意欲的なメタの向こうに視線があったのだと思う。