【感想・ネタバレ】第4の産業革命のレビュー

あらすじ

第3次産業革命ともいわれるIT革命(デジタル情報革命)を牽引してきた著者が、来る「第4次産業革命」である環境エネルギー革命を説く。世界のエネルギー事情と、地球環境からみたエネルギー問題を検証した上で、太陽エネルギーの世界を解説。スマートグリット、電気自動車などの最新技術にも触れながら、日本が歩むべき道を提示。日本を牽引するビジネスリーダーに向け、最先端技術開発の「知」を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今日ソフトバンクの孫社長が、メガソーラーに関する協議会を立ち上げた話題でもちきりでしたが、そんな日に読んだこの本。
太陽光発電についてとてもしっかりと書かれている本です。

まずタイトルについてですが、世界はこれまで動力革命、科学変化、デジタル情報と3つの革命を経験し、その間エネルギー消費を拡大してきた。特にデジタル革命によるITは「増エネ」であり、消費を引き上げている。そこで、太陽光発電を中心とした第4次産業革命=エネルギー革命が必要な時代となっている。

ショッキングだったのが、IT=「増エネ」という事実。パソコンの高速化や、データセンターの巨大化で、IT消費電力は現状全体電力の5%に対し、2025年には40%を占める予想。ITが進めば移動が少なくなり、交通分野のエネルギーが減るかと思いきや、意外にも現状で乗用車800万台分のCO2排出量に相当するとのこと。
筆者はこの現状を打破するために、石炭、石油経済から、太陽経済への変換を勧めています。太陽光発電の抱える問題は、安定性の乏しさ。昼間しか充電できませんから。
それを埋めるテクノロジーとして、スマートグリッドと電気自動車の普及。さらにグリッド間の高効率送電手段として、高温直流超伝導の必要性も論じています。
そしてそこに絡んでくる日本の存在。日本はこれらの技術でかなりの先行優位を保持している。それを有効なものとするためにも、官のリーダーシップが問われますね。
特に太陽光発電についての情報は質・量ともにかなり高度で充実したものとなっています。

著者の藤原さんは先日郵便EV事業で破綻したゼロスポーツの事業引き受けを表明した、京都のナノオプトニクスエナジーの社長で、実際に本著で論じている内容を実現しようと一線で活躍されている方です。
学術的なバックグラウンドもしっかりしており、これからのエネルギーを考える上で是非読んでおいて間違えのない本でしょう。

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2011年05月27日

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