あらすじ
地下鉄に轢かれ、男性が死亡した。その体には誰も読めない「暃」という字が書かれていた……。存在しないにも拘らず、パソコン等では表示されるJISコード「5A73」の文字。通称、幽霊文字。じつはこの男性の前に3人、同じ文字を体に残し死亡した人間がいた。4つの事件に関連はあるのか? この文字が持つ意味とは? 警察が謎を追う間、ついに5人目の死者が出て……。ひとつの文字をめぐる新感覚ミステリー。
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Posted by ブクログ
解説者の言うようにギラギラと尖っていて、この先どうなるのかワクワクしながら読めた。
この文字の意味はなにか、幽霊文字の存在価値はなにかと、幽霊文字について考え尽くされており、ミステリーの真実部分とは違う方向でも思考を深めさせられた。
Posted by ブクログ
中盤からホラー要素を感じはじめて、おやおやと思っていたらしっかりホラー展開になって驚いた。主人公の別室警官二人が自殺の連鎖と幽霊文字のタトゥーシールの謎を調査して解明に向かうミステリと思い込んでいた。
警官二人の捜査で犯人と幽霊文字を使った理由を突き止めていくミステリ小説と思わせて物語が進む点が巧妙だなと思った。
最後、作者の詠坂と事件を追っていた韮沢が事件発端となったであろう土地に訪れるという真っ当なホラー・怪異小説になった。
作者が出てきたことと前書に書いてあったこととでノンフィクションの様に思えて恐ろしくなったが最後にフィクションだと明記してあり、少し安心してしまった。
また、幽霊文字をツールとして誕生してしまった怪異が条件を満たした相手に乗り移っていくというような解説がSCPのようだなと感じた。
Posted by ブクログ
想像できぬまさかの着地点に驚き!!
ヘッドフォン野郎が警察組織を上手に自殺かのように欺いて、連続殺人を行っているんだろうとするhow done it系かと思ったが、全くもって違い、why done it系という展開
自殺単品は怪異で発生しないだろうが、自殺の連鎖は、きっとそのような原因でないと生じないのだろうと「死んだことのない私」には腑に落ちる終わり方だった
(落とし方に賛否両論あり、きっと否の意見が多いかもしれない)
本作は、その見えない力を幽霊文字と関連させて、自殺する側とその原因を解明する側と交互に語られる物語であって終始暗く、一寸も光はさしてこない
自殺を引き起こす条件が明示される点は良かったものの、複数ある幽霊文字からこの文字であることの必要性が不明瞭、説明不足な印象を受けたため⭐︎-1
警察がそもそも事件性が明らかでない自殺を真剣に追わないだろうと考えてしまう私にとっては、自殺を追う人物を警察組織内の人物だけど、警察もどき(?)として登場させており、細かい点で筆者の工夫が施されており素晴らしい!
幽霊文字への解釈が多角的な視点から論理的に語られており、幽霊文字の背景を知ることができて非常に満足◎
Posted by ブクログ
連続殺人を追うミステリーなのかな、と思い込んで読み始めたところ、なんだか雲行きが怪しいぞ、、と。普段慎重にホラーは読まないようにしているのに(しばらくは怖くて夜の家事に支障が出るから)これはまずいものに手を出したのではと気付いた時点で、もう読み切らないと済まないくらい、作品の世界に嵌りこんでいました。
形を与えられ、人の思考に乗ることで生きながらえていくなにかしらがあることは、裏打ちされる理論がなくとも不思議と飲み込めるものでした。
手を出したら呪われるものはホラー界隈にありそうだけど、本書自体にワクチン的な役割を持たせたというのは新鮮に感じました。(そしてほっとしました。今夜も一人で食器洗いができそう)
Posted by ブクログ
地下鉄に轢かれ、男性が死亡した。その身体には、誰にも読めない「暃」という字が書かれていた……。
存在しないにも関わらず、パソコンなどでは表示されるJISコード「5A73」の文字。通称、幽霊文字。
実は、同じ文字を身体に残し死亡した人間が他にもおり……。
アメトーーク!で紹介されたこともあり話題になった、存在しない漢字をめぐるミステリ小説。
とはいえ、純然たるミステリを期待して読むとちょっと違うかもしれません。
確かに途中までの、漢字の意味の考察や死者たちの関係の調査などはミステリ風ですが、何だろうこれは。ファンタジー? SF? ジャンルの定義は難しい。
作者さんの他の著作ともつながりがあり、ほかの本も読んでいたほうが楽しめるかもです。というか、読んでいないと最後の方誰この人になるかも。
最後の方でガラッと雰囲気をひっくり返してくるのは、作者さんらしい気がします。
なんだか、最近流通しているのって「読むと呪われる本」ばかりな気がするので、こういう目的で流通している本ってそれだけで珍しい。面白かったです。
Posted by ブクログ
自殺した遺体にある幽霊文字が残されていた。その一連の自殺について2人組の刑事がその文字の意味について追って行くお話。話の構成としては、刑事の話と自殺した人の話が交互に繰り返されていく形になっていた。
自殺した人たちはどのような繋がりがありなぜ自殺したのか、そして体になぜあの幽霊文字を残したのかがだんだんとわかっていったし、刑事や自殺した人たちの話からどんな意味がこの文字には込められているのか考えるのが楽しかった。文字ひとつでここまで色々な解釈を出せるのは面白かったが終わり方がなぁという感じ。決してつまらない訳ではないがミステリーを読んでるつもりだったので何だこれ、という感想を抱いてしまった。もったいない。
Posted by ブクログ
「5A73」の幽霊文字の謎を追ったり、自殺した5人の人物を掘り下げる部分までは良かったけど、韮澤が別室と接触して以降が全然面白くなくてダメだった。
彼岸と読み解いてからの展開を期待したのに、結局正体の分からない幽霊や呪いの類になって、作者まで出てきてよくわからない。
失速感が否めませんでした。
Posted by ブクログ
幽霊文字が幽霊文字たる由縁は興味深かった
読み進めるうちにどんどん5A73についての解釈を待ち遠しく思っている自分がいた、忘れなくてはいけない
怪異オチでも答えを用意してくれた有り難さはあるけれども、やはり少し肩透かしを食らったのは事実で自分の感受性の稚拙さが悔しくもある
Posted by ブクログ
見慣れない漢字のタトゥーを貼って自殺する人が続いた。その漢字は意味も読みも当てられていない幽霊文字だという。
担当の刑事や、関連する人々が文字の意味を推測しながら進んでいく物語。
最後はいきなり視点が変わり、梯子を外された気分を味わった。
謎を追う刑事目線で読んでいたのが、突然物語の外側に放り出される。
解決編として提示されるのが怪異の存在という、最初は面食らったが、解決編の雰囲気がそもそも舞台裏的なので割と構造的な面白さでなんとかなってしまった。
感覚的なものとしては『インシテミル』と似たものがあるかもしれない。
自分があの文字に意味を付けるなら何というだろうか。目新しく面白いテーマだった。