あらすじ
【著者コメント】
かつて私は外資系コンサルティング会社の戦略コンサルタントとして、30社以上の上場企業、70以上の部門に対して経営戦略を機能させるための支援を行ってきた。なぜ多くの日本企業では経営戦略は機能しないのか? コンサルティングの現場で直面したその問題の原因を明らかにして、経営戦略を機能させるようにすること、これが本書の目的である。
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Posted by ブクログ
以下読書メモ
フレームワークを使いこなすための50問 なぜ経営戦略は機能しないのか?
■なぜ経営戦略は機能しないのか?
●戦略を正しく「策定」できない
・現状分析が正しくできない(しない)
・施策を正しく策定できない
●戦略を正しく「実行」できない
・経営戦略は他人事
・戦略リテラシーがない
●戦略を「継続」する根性がない
・未来永劫機能する過剰期待
・試行錯誤の根性の欠如
●経営戦略「策定」と「実行」を「継続」できない原因
・経営戦略の策定は、あるタイミングを切り出して、その条件下で何が課題でそれをどう解決すれば良いのかを決定することである。
・しかし、市場も顧客も一定の条件で停止しているものではなく、常に流動している。従って、あるタイミングで決定された戦略が常に機能するものではない。
・一度戦略を策定したからといって、それで終わりではなく、常にアップデートが必要となる。
■フレームワークとは何か?
・フレームワークとは、情報を整理する「枠組み」のことだが、もう一つ重要な意味合いがある。
・それは、「抜け漏れなく、重複なく、全体として網羅的に」情報を整理する枠組みだということだ。だから、フレームワークを活用しなければ、自分の頭で適当に、または、思いつきで事象を整理することになる。
・そうすると、本来であれば検討すべき事象の抜け漏れが生じ、または検討すべき事象を重複させ、分析の前提段階で現状の整理ができない状態になってしまう可能性が非常に高くなる。
■「全社戦略の策定」とは
・1.複数の事業が存在する場合に、それぞれの事業にどのように経営資源を配分するか決定すること
・2.自社の事業領域を決定すること
・3.自社の成長戦略を決定すること
■「経営戦略の策定プロセス」
・1.現状分析
・2.分析結果から戦略を策定
・3.策定された戦略を実行計画に具体化
■全社戦略策定の目的:経営資源の配分・ドメインの決定
・ドメイン決定については、明確なフレームワークは存在しないのだが、以下の3つの要素で検討することが多い
・1.自社のどのような強みを生かし
・2.どのような顧客に
・3.どのような価値を提供するか
■全社戦略策定の目的:成長戦略
・成長戦略の検討の方向性は大きく分けると以下の4つがある
・1.既存の商品・サービスを、既存の市場(顧客)に売れないか
・2.既存の商品・サービスを、新規の市場(顧客)に売れないか
・3.既存の市場(顧客)に、新規の商品・サービスを売れないか
・4.新規の商品・サービスを、新規の市場(顧客)に売れないか
なぜ現状分析は機能しないのか?
・フレームワークを使う目的とタイミングを適切にするには、経営戦略の構造が分からなければならない。
・頭の中に常に経営戦略の構造=地図を描いて欲しい。
・「現状分析」で問題になるポイントは2つある。
・それは、現状分析で「何をすれば良いのか」「どこまでやれば良いのか」が分かっていないということ。
■日本企業の90%は現状分析でつまずいている
■現状分析とは「視点、示唆を提示」すること
・「数値計算のための数値計算や、棒グラフのための棒グラフでは何の足しにもならない。チームメンバーやクライアントに<面白そうじゃないか>と思わせるような、優れた見識や重要な発見をもたらすようなものでないとダメなんだ」
・情報収拾は現状分析を行う上で必要なタスクではあるが、情報収集をしたからといって、それで分析ができるわけではない。収集された情報の意味合いを考え、情報から導き出せる視点、示唆を炙り出し、それをアクションにつなげていくことが現状分析なのである。
・現状分析で事象を整理して、インサイト(洞察)を引き出すことまで行う必要がある。
■なぜ多くの日本企業の現状分析は「分析」にならないのか
●原因1:フレームワークを活用しないから情報整理ができない
・フレームワークを活用せず、自分の頭で適当に、または、思いつきで事象を整理しているがゆえに、本来であれば検討すべき事象の抜け漏れが生じ、検討すべき事象を重複させ、分析の前提段階で現状の整理ができない状態になってしまっているのである。
●原因2:仮説を持たないので、視点や示唆を出せない
・仮説を持つとは、情報を収集する前に「おそらく今回の情報収集で出てくる結論はこうなるだろう」と考えることだ。仮説が持てると「この仮の結論が正しいかどうかを証明するためには、この情報を収集しなければならない」といって、情報収集の対象を絞り込むことができる。
●原因3:限られた情報で意思決定をする勇気を持てない
・ビジネスの現場で必要な情報が全て集まることはなかなか考えにくい。かつ、全て情報を集めようとすると膨大な時間がかかりスピードが遅くなってしまう。戦略立案担当者は限られた情報で意思決定をする勇気を持つ必要がある。
■現状分析のフレームワークの地図
■3C分析で明らかにしたいこと
・自社が突き抜ける方法を考える
●市場
・市場はどう変化しているのか
・市場が変化した結果、かつての成功要因が機能しなくなっているのではないか
・今後その市場で成功する要因は何か
●競合
・市場の変化に対して、競合企業はどのように対応しているのか
・その対応に必要な経営資源(ヒト・モノ・カネ)はどのようなものか
●自社
・市場の変化に対して、自社はどのように対応すべきなのか
・競合企業の対応で参考にできるところは何か
・その対応に必要な経営資源(ヒト・モノ・カネ)はどのようなものか
■市場分析で明らかにしたいこと
■競合分析はどのようなプロセスで行われるのか?
●1.ゲームの結果を明らかにする
・業績の勝ち負けを明らかにし、誰(どの企業)が勝者で、自社は勝者なのか敗者なのかを明らかにする。
・ビジネスにおける勝者、敗者の判断基準は「パフォーマンス」と「効率性」
┗パフォーマンス:売上高、営業利益率、原価率、販売管理比率など
┗効率性:生産性、ROI、ROE、1人あたり売上高、在庫回転率など
●2.勝因、敗因を明らかにする
・「バリューチェーン」のフレームワークを使用する。
■バリューチェーン分析で明らかにしたいことは何で、どのタイミングで必要となるのか?
・パフォーマンスに対して強み、弱みがどういう因果関係で結びついているのかを明らかにすることがバリューチェーン分析の目的となる。
・全体を見ていても比較はできない。構成要素で比較しなければならない。
・競合企業の情報は入りにくい、その結果自社の情報だけで判断しがちになる。
・比較の判断はどうしても自社に甘くなりがちである、自社の能力はシビアに評価しなければならない。
■事業戦略を策定する上で、現状分析フェーズで求められることは大きく分けると3つある
・1.市場の変化を読み取ること。その市場での成功要因は何なのか明らかにすること。
・2.競合企業が、その変化にいかにうまく対応しているのか、または何に対応できていないのか、明らかにすること。
・3.それに対し、自社の対応には何が足りず、自社の改善ポイントが何なのかを明らかにすること。一方で、自社が変化をいち早く読み取り、成功要因を実現し、突き抜けるにはどうしたら良いのか明らかにすること。
・事業戦略を立案する上で必要な「洞察(インサイト)」上記3要件を満たすものであれば良い。この要件が満たされれば、次は自社の変革ポイントを実際に実現していく戦略を策定していくことになり、現状分析はその役割を果たしたことになる。
なぜ戦略策定は機能しないのか?
■せっかく行った分析を活用していない戦略が多い
・1.「現状分析」で明らかになった問題・課題と、解決策である戦略の因果関係を意識していないから。
・2.そもそも「現状分析」が大した分析になっておらず、いきなり戦略を策定せざるを得ないから。
■戦略策定のパターンはどれだけ存在するのか?
・大きく7パターン存在
●ポーターの基本戦略
・1.コストリーダーシップ:市場のマスを対象
・2.差別化:市場のマスを対象
・3.集中:特定市場をターゲット
●コトラーの競争上の4つの地位
・4.リーダー企業
・5.チャレンジャー企業
・6.フォロワー企業
・7.ニッチャー企業
●戦略パターンの基本原則に則り、戦略を立案する
・多くの日本企業は、戦略の基本パターンを無視して戦略を立てている。
・ポーターとコトラーの戦略基本パターンを採用する。
┗ターゲット顧客
┗戦略の基本方針
┗マーケティングの基本方針
なぜ中期経営計画は計画通りに実行されないのか?
■中期経営計画には、どのような構成要素(コンテンツ)が必要となるのか?
※71%の図37をまとめる
●中期経営計画の構成要素1:目標(ゴール)の提示
・定性的目標
・定量的目標(売上、利益)
●中期経営計画の構成要素1:目標達成プロセスの提示
・目標を達成するためには、様々な問題・課題が生じる。そこで、目標を達成するには、今どのような問題・課題があり、何をクリアしなければならないのかを明らかにする必要がある。
┗目標達成への課題・問題
┗目標達成への問題解決策
┗解決策実行の具体的スケジュール
・トヨタ自動車の中期経営計画のように、何を行わなければならないのかが明らかになったら、それを誰が(どの部門が)いつまでに、どういう段取りでどう責任を持ち行っていくのかを明らかにしなければならない。
・解決策実行の具体的なスケジュールを立てることになる。これがワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー(WBS)と呼ばれるものだ。
■日本企業の中期経営計画の問題点
・日本企業の中期経営計画を見ると、目標(ゴール)設定はまず間違いなく行われている。ゴールを決めない計画などありえないからだ。しかし、目標の達成プロセスでは問題がある企業が多い。
・まず、目標達成の問題・課題の洗い出しが甘い企業がある。いまだに、目標売上は気合と根性で達成するという雰囲気の中期経営計画を提示している企業もあり、そういう企業は目標を達成するために、何が問題で何が課題なのか明らかにできていない場合が多い。
・次に、問題・課題を明らかにできても、それに対する対処=戦略が明らかになっていない企業は非常に多い。これは、戦略策定の基本パターンが理解できていないこともあるし。それがゆえに場当たり的に問題解決を行なっているからでもある。
・このように、目標達成プロセスの達成手段でつまづいている企業は非常に多い。
・そして、目標達成手段を提示できても、それを実行する計画(スケジュール)を決定していない企業も多い。こうなると、戦略は絶対に機能しない。「やらなければならないこと」を決めても、「誰が、いつまでに、どうやってやるのか」を決めないと、やらなければならないことは絶対に達成されないからだ。
■中期経営計画はなぜ利益拡大と成長の要素を入れなければならないのか?
・上場企業は必ず、日上場企業でも、中期経営計画にはこの要件が必要となる。なぜか?企業の価値を測る指標の1つである株価は以下の構造を持つからだ。
●株価=1株あたりの利益(EPS)×株価収益率(PER)
・企業の価値は、今どれだけ利益を出せるか(1株あたりの利益)と将来どれだけ成長するかという成長率(株価収益率)に依存する。
・中期経営計画を立てる根底には、これから数年間でさらに「企業の価値」を向上させるという目標があるはずであり、そうだとすれば、利益拡大と成長は中期経営計画策定の際に必要な要素となるのだ。
・そこで、利益拡大のための業務効率化の策や、成長のためのM&Aなど具体的なプランが中期経営計画に盛り込まれることになる。
■WBSを策定する際のキモは何か?
・1.タスクの抜け漏れを防ぐこと
・2.妥当なタスク処理期間の設定を行うこと
・3.ゴールの明示を行うこと
■高度化・専門化する業務の進捗・リスク管理法
・部下のプロジェクトマネジャー化を進める対応が機能した。
・部下がプロジェクトマネジャーとして自分の業務を管理し、リスクを明示できるようにした。これにより、部下自身でタスクの抜け漏れを防ぎ、妥当なタスク処理期間の設定ができるようになった。また、部下自身で各タスクのゴールを明示でき、リスク提示の精度も向上した。
・このようにWBSを策定できた後には、WBSのタスクをきちんと実行し、戦略の遂行に寄与できているかどうかの判断、効果検証が必要となる。
■実行結果を次の戦略に「繫げる」ことで戦略の精度は高まる
・戦略の精度を高めるためには、一度策定された戦略という「仮説」の検証を行い、次の戦略に繫げる必要がある。
・そのためには「実行結果ではなく、フィードバックを評価する」こと。
・評価のキモは、以下の4つ。
・1.やるべきこと(WBSで決定したタスク)をやりきったかどうか。
・2.やるべきことをやりきって結果が出たかどうかの因果関係を明らかにできるか。
・3.やるべきことをやりきって結果が出ないならその原因は何か明らかにできるか。
・4.やるべきことをやりきれなかったなら、なぜやりきれなかったのか明らかにできるか。
戦略を機能させるための必須スキル
■戦略立案担当者に求められる4つの力
・1.現状分析力
・2.戦略策定力
・3.戦略実行力
・4.実行継続力
■仮設思考力を強化する
・仮説構築力とは、何かを決定するのに不十分な情報しかない状態で、自分なりの主観を取り入れながら論理を構成し、仮の結論を出す力。
・意思決定勇気力とは、仮説なので本当に正しいかどうか分からない中で、自分を信じ勇気を持って、意思決定を行い行動に移す力だ。
・この2つの力があって初めて、仮説思考力は機能し、スピード感を持った意思決定ができ、戦略策定が行えるようになる。
Posted by ブクログ
(再読)
4~5年ぶりに読み返したが、とても良本ということに気づいた本
当時は正しいフレームワークの使い方の本という認識であったが、問題を解くための問いを正しく設定する為の本であり、またその際に陥りがちな罠を回避する為の本であった
(現状分析とは)
・収集された情報の意味合いを考え、情報から導き出す視点・示唆を炙り出し、アクションにつなげていく
・市場(5Fs:ステークホルダーの変化は自社のビジネスのどのような影響を与えるか?儲かるか?、PEST:業界にどのような変化が生じるか?、顧客構造:顧客のニーズ変化は?)→競合(VC)→自社(VC)の順番で分析することで、外部環境の変化要素を検討した上で、自社の対応を考える
【市場】
– 市場はどう変化しているのか
– かつての成功要因は機能しなくなっているのではないか?
– 今後の成功要因は何か
【競合】
– 市場の変化の競合はどのように対応しているのか
– その対応に必要な経営資源はどのようなものか
【自社】
– 市場の変化に対して自社はどのように対応すべきか
– 競合企業の対応で参考になる対応は何か
– その対応に必要な経営資源は何か
(常に問うべき問い)
・何が問題か?
・何が成功の肝か?
・自分の軸(視点)は?
(その他)
・BCG-PPMの縦軸は市場成長性=市場魅力度=競争の激しさ=投資の必要性、横軸じゃ相対マーケットシェア=生産コスト=利益の出しやすさ=投資の資源の得易さ
Posted by ブクログ
フレームワークは知っているが、ちゃんと使えていないと感じる方。本質とは何か?自分で考えたい人にお勧めの一冊です。
フレームワークは知っているけど、うまく使えない。
では、そうすればよいのか?フレームワークを正しく理解し、正しく使うための一冊です。
フレームワークはあくまで道具。
それをいかに正しく使うのか。
実務で使うために読みたい一冊です。
Posted by ブクログ
経営戦略の策定と実行を理解する本。
経営戦略の全体像→個別のフレームワークを使いこなすためのポイント→戦略を実行するための要件(組織・個人)の順に書かれていてわかりやすい。
戦略策定の能力を上げるというと、知っているフレームワークの数を増やすことに主眼を置きがちだが、この本は単なるフレームワークの紹介に終わらず、①それぞれの位置づけ②何をどこまで分析すればよいかにいて触れられている点が非常にためになる。また、戦略の策定とどまらず、実行のためのポイントについても書かれておりこの点も非常に参考になった。
自分の業務に引き付けて考えると、何をどこまで分析するのかがあまり理解できておらず中途半端な戦略・提案になっていることが多いと感じた。特に、市場や競合のデータが手に入りにくいため入手しやすい自社の分析に偏りがちという指摘は耳が痛い。ただどのようにこれらの部分について信頼性の高い情報を入手するかという点は答えがなく非常に難しいか出汁である。加えて、普通に企業に勤めて日々の業務を一生懸命こなしているとどうしても内向きの意識にこもりやすくそれがよい戦略を策定できない原因になっているということだ。外に目を向けることの重要性を実感。
これだけフレームワークが一般に知られるようになってもコンサルの人たちの仕事が減っていかないのは、フレームワークを使いこなせる人は増えていない(一般的なフレームワークの紹介本を読んでもつかいこなせるようにはならない)ことと内向きの意識にとらわれて考えることが習慣化しているためではないかと思った。
内向きのマインドを変えること必要な情報にアクセスできる方法を確立することが正しい戦略を立案するにあたっての当面の課題と認識。
Posted by ブクログ
非常にわかりやすく本質がしるされている名著
<メモ>
・経営戦略が成功しない=策定がきちんとできていない✖︎実行できていない✖︎継続できていない
・3Cが必要なのに取り組みやすさから自社情報が中心になってしまっている
・フレームワークとは情報をMECEに整理する枠組みのこと
・全社戦略の策定とは、経営資源配分を決めること、事業領域を決めること、成長戦略を決めることの三つからなる。
・BCG PPMは独立採算の壁を取っ払って資源配分を考えるときに用いるもの。一事業部などで用いるものではない。
・成長戦略はターゲット拡大、サービス転用などが主。
・情報収集は現状改善につながる問題点のあぶり出しができて始めて役に立つ。視点、示唆を抽出すること。
・分析できない理由 ①フレームワークを使わないため情報整理できない②仮説をもたないから、視点や示唆が出てこない③限られた情報から判断する勇気をもてない。
・SWOTの、外部内部は自社がコントロールできるかどうか。
・現状分析は3CとSWOTからはじまる。市場分析でPEST分析で外部環境を業界分析で5F分析を
・競合分析でバリューチェーン分析を行う。3Cでは市場、競合、自社の順に分析を行う。目的は自社の弱点をあきらかにすること。市場動向から自社の目指す強みを見つけること。
・OT分析で機会に貢献できる機能は優れていて、対応できないものは劣っていることになる。
・市場分析は市場の変化、それによる自社や競合への影響、そして、市場の変化に伴う成功要因を明らかにするために行う。
・マクロ環境、競争環境、顧客環境の三つを分析する。
マクロ環境分析は自社に最も影響がある要因について、未来を予測するために行う。
顧客分析は現状分析、顧客奪取、顧客拡大の順に分析をすすめる
競合分析はまずゲームの結果、パフォーマンスを明らかにしてから、その原因をバリューチェーンなどでさぐる。
・中期経営計画を現場で腹に落とさせるために 必要性を感じるか、実行して損しないか、自分でできると思えるか。
・必要と思うには、ゴールの妥当性とそのための手段がまっとうなものと感じることが必要
・wbs タスクは事前にゴールと成果評価基準を、決めておくべき
・戦略立案者に求められるスキル
現状分析力 戦略策定力 戦略実行力 実行継続力 自分の軸と自信が必要
・競合分析により自社のビジネス構造を、理解するトレーニング。強み、弱み
・様々な業種のビジネス構造を比較するトレーニング
問題を創造するトレーニング。新聞記事などをヒントに背景を考えるなど。
伝え続けること。
Posted by ブクログ
【目的】 主に戦略立案の担当者向けに、経営戦略の必要有無、経営戦略が機能しない理由、戦略が機能していない場合にどうしたら機能するのかを明らかにする。
【収穫】 今まで全く意識しなかったフレームワークを使う目的とタイミングを意識するようになり、戦略リテラシーが向上した。
【概要】 本書は、全50問からなる問題集の形式をとり、経営戦略の策定から実行にかかるプロセスにおける必要要素や課題を考えていくことで、理解が深められるようになっている。
PART1 : なぜ経営戦略は機能しないのか?
PART2 : なぜ現状分析は機能しないのか?
PART3 : なぜ戦略策定は機能しないのか?
PART4 : なぜ中期経営計画は計画通りに実行されないのか?
PART5 : 経営戦略を機能させるための必須スキル
例えば、なぜ経営戦略が機能しないのかという問いに対しては、以下のいずれかがうまくいかない場合に戦略は機能しないという解が与えられている。
・戦略を正しく「策定」できない
・戦略を正しく「実行」できない
・戦略を「継続」する根性がない
この次には、それぞれがなぜうまくいかないかという問いが出てくる。例えば、戦略を正しく「実行」できない理由を考えると、経営戦略が他人事だったり、戦略リテラシーの欠如という原因が出てくる。そうすると、それをどうすれば解決できるかという様に、連続した問いによって経営戦略を機能させる勘所を明らかにしていくことができる。
【感想】 非常におすすめ。戦略論に関する本ではなく、戦略の目的からそれを策定し実行するプロセスにおいて必要な要素を解説したものだが、フレームワークを使う目的・タイミングをきっちり理解するということは今まであまり学習しなかったこともあり、参考になる話が多かった。また、経営戦略という大きな範囲だけでなく、目標と達成プロセスの提示などは、チームや自分自身の活動に応用可能とも感じた。
Posted by ブクログ
フレームワークひとつひとつの目的や軸の意味が解説されている良書。昔受けた牧田さんの研修も思い出され、頭が整理された。フレームワークだけでなく、なぜ戦略は実行されないのか、機能させるにはどんなスキルが必要なのかについても言及されている点も良い。
Posted by ブクログ
「フレームワークの大切さはわかった。で、どうやって使えばいいの?」という素朴かつ本質的な問いに対する答えを提示してくれる本。
マクロ環境分析、3C分析、SWOT分析…戦略を策定する際に押さえるべき前提条件や課題を整理するうえでフレームワークは大きな助けになりますが、「分析はいつ、どういう順序でやればいいのか」といった具体的な使い方に言及した本はほとんどありませんでした。
本書は問答形式で、フレームワークの使い方を教えてくれる良書だと思います。
Posted by ブクログ
書店の経営学コーナーに、「フレームワーク○○」とか「○○のフレームワーク」という書籍が、ここ1-2年ほど平積みされているが、私の実感では、本書が出て以降だと思う。
実際、初版の発行日付を見ると、本書が2009年12月24日となっているが、これ以外の本は、それから半年とか経ってから発行されていたりする。
でも、残念ながら本書は平積みはされていない。
私は本書が書店に並んですぐに着目していたが、時間がなかったため読みたいリストに入れてしばらく時間が経っていたが、大学院経営学研究科がスタートする前に会社の先輩の勧めもあり、購入。
内容については、すばらしいの一言。
他の方もレビューに書いているので、割愛するが、
『どのフレームワークをどのタイミングで使うべきなのか?』をわかりやすくレクチャーしてくれている。
PPM、SWOT、3Cなどについて、自分が如何に理解していなかったかを痛感させられた。
なぜ、書店で平積みされていないかと言えば、おそらく世の中の人はもっと具体的な答え(How To)が欲しいからではないかと思う。よって、本書のような本質に迫る本は、たくさんは売れないのかな・・・もったいない。
これから、経営学を学ぶ人は先に読んだ方がいいかもしれないと思う一方、先に読んでも理解できない気もするので、一つ一つのフレームワークを、ふむふむと学習してから読んで本質を学習した方がいいかもしれないとも思う。
「なぜ中期経営計画は計画どおりに実行されないのか?」という切り口での分析もあるため、企業の戦略部門に属する方、特に戦略とは名ばかりで、戦術立案部署になっている方には読んでもらいたい。
自分は、本書の主要ポイントをExcelシートにメモをとって、事あるごとに見直してます。
Posted by ブクログ
今、一番参考にしている本。どうすれば、計画を実行レベルまで浸透させることができるかが最大のカギ。そのためには、現状分析→戦略策定→事業戦略→マーケティング戦略→実行→結果検証…。
まあ、PDACサイクルなんだけど、この本はなぜそのサイクルが回らないのか、その理由を分析している。
法的三段論法を応用すれば、目の前の現状→経営戦略など→結論というフローで課題のあぶりだしを行っているが、まあ課題だらけです(笑)。
Posted by ブクログ
分ったつもりのフレームワーク(3CとかPPMとか)の使い方を
もうちょっとわかったつもりにしてくれました。
タイムリーなことで考え方として共感できる部分も多かったので
楽しかったけど
もすこしケースがわかりやすかったり
あれ?さっきと違うぞみたいな部分がたまにあったのが気になるところ
あとは自分で試すだけ!
Posted by ブクログ
世の中にフレームワークについて書かれた書籍はたくさんありますが、この本はタイトルどおり『使い方』に焦点をあてているため、フレームワークを『学ぶ→使う』に変えたい人にはおすすめです。
良かった点は3点。
①フレームワークの使い方、使うタイミングが具体的に記載されている。
②なぜ日本の経営企画関連の人はうまく戦略を立てられないのか(だから外資系コンサルティング会社が存在している)
を教えてくれる。
③戦略立案担当者がやるべきことは何かを教えてくれる。
今後仕事に活用していこうと思います。
Posted by ブクログ
5フォースやPPMなどのフレームワークって知ってはいるが、きちんと使いこなす事って難しいですよね?
そもそも何の目的でこれらがあるのかを考えれば考えるほど、深みにはまってしまったりします。
私が読んだこのの本は、上記に共感して下さる方に最適です。
難しい事は一切書いてなく、経営戦略を立案する為には、各フレームワークをどのように使うのがよいのか、また、絵に描いたモチではなく、実行できる経営戦略の描き方みたいな事も書いてあります。
フレームワークを使う入門書としておススメします。この本で、日々色々な切り口を意識しながら考える癖がつきました。
切り口を意識しながら、物事を考える事でMECE(もれなく、だぶりなく)考える事が可能になります
Posted by ブクログ
経営戦略立案のための50のフレームワークが紹介されています。
ブルーオーシャンの前に読むべき1冊です。
3C分析やSWOT分析、競合分析など基本的なフレームワークが理解できるはずです。
Posted by ブクログ
50問の質問を通して、経営戦略を機能させるために必要なエッセンスを学ぶ本。
先人が編み出した市場分析、経営戦略を構築する為のフレームワーク。 経営戦略の本やマーケティングの本などに紹介され、その有用性は一般的に理解されている。 しかし戦略を練る際に使うとなるといつのタイミングでどの様に使えば良いのか分からなくなることがしばしばある。 実際に戦略性を持って進めてきた企業が何故か破たんや撤退を余儀なくされるケースもよくみられる。
本書の副題にもなっているとおり、本書は「何故戦略が機能しないのか?」にスポットを当て、質問形式をとり読者に考えさせつつ、本質的な理由に導いている。
経営戦略が正しく機能しない理由として、
①戦略を正しく「策定」出来ない
②戦略を正しく「実行」出来ない
③戦略を正しく「継続」出来ない。
ことが挙げられる。 正しい現状分析が出来ていない結果、「策定」レベルで適切な戦略を生み出せない場合が多いが、多くの企業で「実行」フェーズで機能不全を起こすことが多いという。
自社の栄枯盛衰を目の当たりにした私にとって、本書に照らし合わせてみるとその理由やメカニズムが非常によく理解できた。
本書の特徴は、
1) 失敗事例からのアプローチで正しい方向を指し示していること。
2) フレームワークの使い方だけではなく、それを使う時期を明確に示していること
である。
他の人にもお勧めできる良書である。
Posted by ブクログ
Part1が全社戦略、Part2が事業戦略の現状分析、Part3が事業戦略の戦略策定、Part4が実行の管理について、と戦略策定のフローに沿って解説されているので、戦略策定の大枠を掴むのには適している。
Part2の内容がよかった。
Posted by ブクログ
ビジネスの現場で用いられる代表的なフレームワークについて、50問のワーク形式で解説した本。
しかし、取り上げられているフレームワークの種類は少ないし、ワークの設問も抽象的な物が多く、ワーク形式にした意義は薄いと感じた。
後半は1つのテーマを複数の設問に渡って取り上げていて、「50問」というのは水増し感がある。
正直、フレームワークの解説書としては物足りない。
しかし、経営戦略や事業計画の立案・遂行の指南書として読むと有意義な示唆に富み、実践的に活用できる良書と言える。
私自身が今まさに事業戦略策定で苦戦している最中なので、色々と参考になった。
本書の本質はむしろ、サブタイトルの「経営戦略はなぜ機能しないのか?」がよく表しているようだ。
内容的には★5つだが、若干「看板に偽りあり」と感じたので一つ原点で★4としたい。
Posted by ブクログ
問題集のように使わせてもらった。
どうやら著者もそのあたりは意識されているようで、各設問に対して解凍制限時間が付されている。
【なぜ経営戦略は機能しないのか?】制限時間5分
【情報収集と現状分析の違いは何か?】制限時間2分
【SWOT分析では、それぞれの要素をどういう順番で分析したらよいのか?】制限時間3分
このように50問を繰り返し繰り返し復習する形で、落とし込みを図った。
Posted by ブクログ
フレームワークを使う目的・タイミングについて知見が深まった。
「現状分析のフレームワークの地図」については、フレームワークの関係が良く分かった。従来の位置づけとは違う形であるが、こちらのほうが納得できる。
Posted by ブクログ
PPM、3C分析、SWOT分析、ファイブフォース分析など、巷でよくみかれるフレームワークがあります。
さてさて、使うのはいいけど、本当に活用できているのっていうのが本書の内容です。
フレームワークってあるのは良いのですが、それをそのまま使う、その使い方が間違ってます、ちゃんと使えてないというのが実情だと思います。
フレームワークありきの考え方になり、思考が硬直してしまうということがあります。
結局、フレームワークに縛られて、実際のところできなかったということが多いのではないでしょうか?
「ちゃん」と活用する方法が書かれているのが本書です。
本書を読んで、自分自身も考え直さないといけないと感じました。
Posted by ブクログ
2016.12.03再読ーーーーーー
社内で事業部部門相手にコンサルティングをしながら、事業戦略を策定しなければならない。
本書のPART4以降は大変役に立つと思われる。
以前は前半の方が為になると感じ、逆にPART4以降は何が書かれているのか正直本質的には理解できていなかった。
しかし、今は生々しくらい理解できる。
会社を良い方向へ導ける企業人になりたい。
ーーーーーーーーーーーーー
日ごろ抱く、社内の誰に聞いてもわかりそうもない疑問の答えが書かれてて、僕にとって、すごくタイムリーに思えました
この本を手にとってホントに良かった!
何度も読んで、実行して、自分のものにしよう
で、この著者「牧田幸裕」さんをググってみたら、この方が、京大ギャングスター(アメフト)ネタを書いているのを偶然見つけて、アメフトネタという事で、ちょっと親近感沸いてしまいました
「無駄に生きるな、熱く死ね」という、アメフトを題材にしたある映画のセリフも紹介されてて、
なんだかもう一度だけアメフトしたいなーって衝動に駆られた
引退試合してないもんなぁ・・・
京大の「目の前の勝負に負けたら死を覚悟する」
人生もこの気概だなー
Posted by ブクログ
フレームワークって巷でよく聞くから勉強したけど、実際ビジネスの場でどう使ったらいいのかよく分からない。
そう思っている人は多いのではないか。
この本はそんな悩みを抱える人にぴったりの本だ。
SWOT/5forces/value chain等のフレームワークの意味と、それらを「どのタイミングで」「どの様に」使えばよいのかを具体的に解説してくれている。
ページ数の都合だろうが、もう少しケースがあってもよいかと思う。
Posted by ブクログ
【概要】
おもに、
1.経営戦略を検討するための次のフレームワークの使い方
・BCG-PPM
(複数の事業がある場合、経営資源をどの事業から得て、投入するかを明らかにする)
・3C
(現状分析に使用⇒市場変化を明らかにし、競合の成功のキモを明らかにし、自社の改善ポイントを明らかにする)
・SWOT
(現状分析に使用⇒機会・脅威、強み・弱みの順に検討し、市場の変化とその影響を見た上でビジネスチャンスを見つけ出す)
・PEST
(現状分析に使用⇒政治・経済・社会・技術の分野での環境の変化を明らかにし、ビジネスチャンスを見つけ出す)
・5FS
(収益性向上検討のために使用⇒既存業者との競争・売り手の交渉力・買い手の交渉力・新規参入の脅威・代替品の脅威を考え、どの力をコントロールすれば収益性が向上するかを検討する)
・顧客分析
(既存顧客・競合顧客・離反顧客・取りこぼし顧客で整理し、顧客のニーズ等を把握する)
・競合分析
(競合との勝負の結果として売上高やROE等を把握し、そのうえでバリューチェーンごとに自社と競合を比較することで、勝因・敗因を明らかにする)
・ポーターの基本戦略
(コストリーダーシップ・差別化・集中)
・コトラーの競争戦略等
(リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャー)
2.戦略を実行していくためのポイント
・中期経営計画策定のポイント
・中期経営計画実行のポイント
が書かれている。
Posted by ブクログ
あくまで「フレームワーク」に関連した内容。
「使いこなすためにどうするか」という「問い」の形式で進んでいるが、今一つ共感が持てない部分が多かった。
(50問中で興味ある内容もあったが、正直少数だった)
事業分析、経営戦略は単純にフレームワークに沿って作成すればそれでOKということは決してない。
フレームワークはあくまで一つの形式であって、それをどうやって使いこなすのかが大事だ。
どういう経験を持った人が、どういう視点で効果的に使うかで、フレームワークの意味は大きく違ってくる。
もしそれが経営戦略を策定するツールだとすれば、果たしてそのツールは誰が持つべきなのか。
使いこなせない人がそのツールを使っても全く意味がないのだ。
ただの机上の空論だ。
もし仮に、その内容が素晴らしいものだとしても、フレームワークが上手く行かない要因。
それは企画立案者と現場実行者が異なるために、大きく温度差があるということだ。
現場は企画者に、企画者は現場に対し双方で「分かってない」と言い合う。
上が考えたことを、現場に押し付けるから、そもそも協力しようとも思わない。
これでは当然にどんなフレームワークがあろうと上手くいくはずがない。
本書ではもちろんこれらのことが指摘されているが、「じゃあどうする」に対して、いきなり根性論(感情論)的な解決策が示される。
「そんなものは熱意を持って説得すべし」
そんなことを言ったところで、簡単に解決できる訳がない。
その点が本書の残念なところなのである。
経営戦略の本は数多ある。MBA取得者だって、日本には何人もいる。
しかし経営が上手く行っていると言える企業は数少ないと感じる。
やはりもっと突っ込んで議論をしなければいけない点だ。
なぜ我々は勝てないのか?この問いに真摯に向き合うしかない。
(2021/6/6)
Posted by ブクログ
Q1が、「なぜ経営戦略は機能しないのか」で、そのAが、?戦略を正しく策定できない?戦略を正しく実行できない?戦略を継続する根性がない、の分解まではよいとして、?のブレイクダウンで、「経営戦略は他人事」「戦略リテラシーがない」との分析に唖然とし、その時点で読むのをやめてしまおうかと思ったが、そのあとは意外と盛り返して、トータルとしてはなかなかよかったのではないか。
一番良かったのは、Qに対して、Aが言い切っていること。ありがちなのが、毒にも薬にもならない曖昧な表現で逃げてしまうことがよくあるが、本書はたとえば、「コストリーダーシップ」と「差別化」両立できない、などとはっきり言い切るあたり、頼もしい。フレームワーク使用で疑問におもったとき、読み返したくなる参考書である。
Posted by ブクログ
"そもそも何故フレームワークが必要なのか、から始まり、
各種ワークの実戦的な使い方など、基礎的なものを非常に判りやすく解説している。
フレームワークとは""情報整理""という表現がかなりしっくりきた。
正しい使い方でないと、情報を羅列するだけの意味のないものになってしまう。
私はマーケティングも経営戦略も初心者なので、頭をグルグル回しながら、煙を出しながら時間をかけてじっくり読んだ。かなり濃厚な時間だったと感じる。
この本はわかりやすいだけに、読んで判った気になってしまうのが一番怖い。しっかりと実践に移せるように、二周目をなるべく短いスパンで読みたい。
また時期を開けて読むのも良いかもしれない。それほど参考、指標になる一冊でした。読んでよかった。
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<なぜフレームワークを使いこなせないのか?>
使う目的やタイミングを理解していない・そして、学ぶ機会がないから
その為、強引に分析結果を導き出したり、誤った分析をしたりしてしまう
<BCG-PPM>
例えば、このフレームワークを一つ取っても、正しく扱えていない
縦軸と横軸が何を示すか?などを的確にとらえる必要がある
BCG-PPMであれば、
縦軸:市場成長性…高いほど魅力的なので新規参入も多く、投資が必要。事業投資の大小を決める軸。
横軸:マーケットのシェア率…高い方が、コストリーダー=利益増
判りやすく、人間の一生に捉えると良い。
スター :20代の社会人=生産性・成長性共に高く、自分で自分に投資できる。経験値も蓄積。
金のなる木:大人=成熟期。生産性が高い為、資産を次世代に投資。経験も伝授。
問題児 :子供=成長性が非常に高い未来の星。経験が少なく、生産性も低い。
老人 :老人=成長性・成長性共に低い。おばあちゃんの知恵袋→次世代へ活用
<コンサルタントと現場の目線の違い>
コンサルタント :未来を見据えて、あるべき姿を語る
現場(多くの日本企業):今ある組織・今ある人材を前提に戦略策定を行う
→この目線の違いが、「所詮、理想論だ!」につながる
<なぜ現状分析は機能しないのか?>
・自社の良いように分析している
・とりあえず市場を分析しただけで、次アクションを考えていない
↑レベル3:アクションを起こす視点での提示
↑レベル2:当たり前の評論
↑レベル1:単なる情報収集
グラフや図の現状から、問題点を炙りだし、真因に対するアクションを策定出来たら""機能している""
1)フレームワークを活用して正しい分析をする
2)仮説を持って、何を明らかにしたいか意図する
3)限られた情報から意思決定をする勇気を持つ
<SWOT分析>
現状分析の目的
1.市場の変化に対応している競合企業を見習い、自社の改善ポイントを明らかにする
2.市場の変化や競合の対応を見た上でビジネスチャンスを見つけ出し、いち早くそのチャンスを掴み自社を成長させる
◆順番
外部環境の変化要素を検討→自社の対応を考えなきゃいけない
従って、「OT」を分析して次に「SW」を分析する
<なぜ差別化は機能しないのか>
差別化と言いながら、万人のニーズを満たそうとする
→結果、機能てんこ盛りの製品ができあがる
マーケティングの世界の有名な格言
【八方美人は八方ふさがり】
成功事例
・マクラーレンのART(感性)ブランディング戦略
1)ターゲット顧客をポストバブル時代のセレブ予備軍に絞る
2)上記に合わせファミリアとベビーザらス、直営店に絞る(西松屋などディスカウント店には置かない)
3)スタイリッシュかつ、""母親""が背筋を伸ばして颯爽と歩けるデザイン
→ベッカム夫妻など海外セレブにも好まれ、日本では自由が丘や二子玉で圧倒的シェア
<コトラーとポーターの戦略基本パターン>
1)リーダー = コストリーダーシップ
ターゲット :市場全体をフルカバレッジ
戦略方針 :市場拡大/模倣・同質化
マーケティング方針:フルラインナップ/マスを採れる上限価格
2)チャレンジャー = 差別化
ターゲット :特定市場・セミフルカバレッジ
戦略方針 :模倣されにくい差別化
マーケティング方針:特定顧客のニーズに応えるor低価格か高価格
◆ex)プレミアムモルツで成功したサントリー
3)フォロワー = 該当なし(もしくは、窮地の企業)
ターゲット :廉価に対応する特定市場
戦略方針 :目新しい戦略ができないので廉価品
マーケティング方針:トップブランドの1ランク落ち、低価格
◆ex)研究開発コストを抑えて成功したジェネリックの沢井製薬
4)ニッチャー = 集中
ターゲット :狭いセグメント、集中したセグメント
戦略方針 :独自の生存空間の確立
マーケティング方針:特定のニーズに""完全""に応える/高価格
◆ex)「あったらいいなをカタチにする」ニッチ市場の小林製薬
<戦略を実行するために必要なこと>
1)必要だと思えるか
2)自分でできると思えるか
3)やり損にならないと思えるか
<WBS=ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー>
タスクの優先度だけでなく、スケジュール、タスクのゴールを設定
タスク遂行をリアルにイメージできればできるほど、戦略が機能する
◆タスクの評価=実行結果ではなくフィードバックをもとに行う
1.やるべきこと(WBSでのタスク)をやりきったかどうか
2.やるべきことをやりきって結果が出たかどうかの因果関係を明らかにできるか
3.やるべきことをやりきって結果が出ないなら、その原因は何か明らかにできるか
4.やるべきことをやりきれなかったなら、何故やりきれなかったかを明らかにできるか"
Posted by ブクログ
フレームワークを用いての戦略設定確認のを目的としてさら〜っと読む。日本企業の抱える問題が、時を同じくして読んでいる「零戦萌ゆ」で提示されている日本軍が抱えていた諸問題と重なる。
Posted by ブクログ
・50個のフレームワーク(思考の雛形)を整理した本かと思いきや、後半はあまりフレームワークと関係がなかった。紹介されているフレームワークの数も少なく、読書の目的とは少し異なったものの、前半で紹介されているフレームワークの俯瞰図はためになった。
・自分自身でこの俯瞰図を育てていく必要があるのだろう。
Posted by ブクログ
著者は、牧田氏である。
経歴は、京大−アクセンチュア戦略−BIMビジネスコンサル−信州大学経営大学院准教授
って感じ。
本書は、体系的に何かを学ぶという内容ではないし、
そもそもある程度コンサル知識として各種フレームワークを知っている、
さらには、業務として経営企画とかコンサルをやっていないと理解の深度が
浅くなってしまう。そのような感じの本である。
個人的には、なかなか良かったと思う。
まぁ、辛口で言うと、”買う”までではないが、手に取って読むのは良い。
さらに、〜の50問と記載されているため、本当に脈絡のない50問が
記述されていると思いきや、意外とストーリーがちゃんと構築されており、
たぶん、そこまでの経験や知識がなくても読み進める事が出来る点は、
一般レベルのビジネスマンを対象にしているとも取れる内容になっている。
しかし、内容はある程度の示唆が与えてくれるが、では実際にどうやるのか?
ってところまでは答えてくれていない。
例えば、著者は分析の甘さの発生として”情報入手の困難性”をあげている。
具体的には、競合他社の情報って入りにくいよねと。そうなると、分析って言っても、
精度が甘くなり、結果的になんとなくの戦略が出来上がってしまうなと。
だから、ちゃんと競合他社の情報を取るべきだと。
それは、理解出来る。では、そのような入手が難しい情報をどうやって
手に入れるのか?そこまでは答えてない。
たぶん、そこって書ける部分と書けない部分があると思うけど、書ける部分は
書くべきなんじゃないのか。
まぁ、CIAでさえターゲット情報の主な入手源(95%程度)は、新聞その他
普通に手に入るメディアからと言われているので、書く事もあまりなかったのかも
しれないけど。
以上