あらすじ
女性初の隊長として南極地域観測隊のチームビルディングに奮闘したリーダーの視点
氷の大地で学んだ挑戦と伴走のリーダーシップ
隊員の安全確保が最優先!
プロジェクトを成功に導くカギは?
信頼関係の構築のために必要なことは?
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南極は地球上の9割の氷がある場所。
そして世界一寒さが厳しい大陸としても知られています。
日本からの距離は約14000㎞、面積は日本の約36倍。ここで観測事業を行う「南極地域観測隊」は70年近く続く国家的事業です。
そして長期的なプロジェクトでありつつも、隊員が毎年選出され、年次ごとに各分野のプロフェッショナルが集まるという特徴もあります。
本書は、第66次南極地域観測隊において隊長を務めた著者が、日本での訓練・準備期間から、南極での活動の詳細を時系列にそってお伝えしています。
また南極地域観測隊史上、初めての女性隊長として、どのようなことに心を砕いたのか、著者自身の南極の経験とともに伝えます。隊員とのコミュニケーションにおける工夫や配慮、プロジェクトを成功に導くマネジメント、隊員一人ひとりのマインドセットなど、著者の氷の大地で学んだ挑戦と伴走のリーダーシップは、多様性が高まる組織のチームビルディングに悩む読者にもヒントとなる一冊です。
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Posted by ブクログ
女性初の隊長として南極地域観測隊を如何にリードし、
マネジメントしてゆくのか。鍵はアンコンシャスバイアス。
・はじめに
・第66次南極地域観測隊組織図
・第66次南極地域観測隊のスケジュール
プロローグ チームになるためのマインドセット
第1章 第66次南極地域観測隊キックオフ!
第2章 南極を仕事場に
第3章 南極の仕事を支えるくらし
各章にコラム有り。
・エピローグ 帰国後も観測隊は続く
・おわりに
南極地域観測隊は観測系と設営系の多様な人々で
編成される組織。更に同行者を含め、100名超の隊員がいる。
彼らを束ねて、如何にリードしてゆくことができるのか。
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の固定概念を
如何に解きほぐしてゆき、チームのモチベーションを
保ってゆくのか。それは一般社会の組織にも通じるもの。
冬期総合訓練と夏季総合訓練、隊員室での作業等で、
仲間意識を向上し「しらせ」で昭和基地へ。
「しらせ」乗員との連携とコミュニケーションは、
2レグでの体制と「MONACA」の自律航行試験に繋がる。
昭和基地では、前次隊と今次隊との共同作業での意識の共有。
そして第66次南極地域観測隊の生活と活動が始まる。
南極という隔離された環境の過酷さと隊員の安全確保が最優先!
OODAループ(観察・方向づけ・意思決定・行動)の事例と
なったアイスコア試料掘削のミッションは、
様々な事態の発生にどう対処し判断するのかという、
リーダーとしての役割と同時に、生命の危機と隣り合わせの
場所なのだということをひしひしと感じさせてくれました。
マネジメントが主の内容ではありますが、
最新の観測と昭和基地などの様子が分かったのも良かったです。
Posted by ブクログ
厳しい環境、限られたリソース、毎年入れ替わるメンバー、という南極観測隊に対し、第66次隊で初の女性隊長となった筆者による組織論。
極限環境に挑む南極観測隊に招集されるようなメンバーはリベラルな人たちなんだろうな、というイメージだったが、プロローグでアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の話が語られ、いきなり夢想を打ち砕かれる。
それだけに、本書で語られる組織論は、特殊な組織の論ではなく、一般社会に通じる組織論と感じた。
一番確実なチームビルディングは同じ釜の飯を食うことにあるのかもしれない。
2026年2月時点でまだ活動中の第66次隊、帰国の報はいつもより特別に感じそうだ。
Posted by ブクログ
著者は第33次南極地域観測隊において、史上二人目の女性隊員となり、第60次南極地域観測隊では、副隊長兼夏隊長を務めた。そして、第66次南極地域観測隊では、女性初の隊長(兼夏隊長)を務めた。
南極を舞台にした本というと。「南極物語」や「南極料理人」があり、どちらも映画化されている。本書はそういった本と一線を画し、南極地域観測隊を題材にし、組織におけるリーダーシップやマネジメントついて書かれている本だ。とても読みやすく、著者は頭の良い人だと感じた。だからこそ、隊長に推されるのだろうけど。
あと、ペンギンが非常に臭いことがわかった。そして、南極で地球影(ちきゅうえい)を見てみたいと思った。