【感想・ネタバレ】武士道の逆襲のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

【Impression】
武士道を全く持って勘違いしていた。
確かに言われてみれば、「武士道」が全て綺麗ごとで(現代的な感覚で)語られていることに違和感はある

実際、「殺人」を生業としている人たちのことで、そのような世界に身を置いている人に対して、現代の感覚での道徳がニアリーイコールとなるはずはない。

「武士」の世界の凄絶さがよく伝わってきたと同時に、頭の中の整理も出来てよい本だった

【Synopsis】
●現代の日本において語られている「武士道」は、武士の本質を表したものではなく「明治時代の国家・軍事体制を整えるため、世界に日本を説明するため、キリスト教と日本人の価値観の根底が一致していることを示すため」提示された概念のこと。
●武士道は、「本来の武士道」と「明治武士道」に分けることが出来、現代において語られているのは後者である。前者も正確には2分割でき、「太平時代(徳川政権)以前以後」である。
●前者の武士道においては、太平時代においては前時代の「壮絶たる武士」の行動を否定しようという動きはあるが、根底に通じる「理想の武士像」は同様である。要するに、後期武士道は儒教的な概念から武士の行動を説明するものであり、前期武士道は血みどろの戦闘の中において達成される。
●中庸はダメであり、両極端の矛盾を同時に体現する事が求められる。
●明治武士道は、天皇を中心とした「軍隊」を整えるため、武士と主人の間に存在した「つながり」を見出すため「大和魂」という「同じ日本に住んでいる」というところに見出した。かつ、外国におけるキリスト教と日本の価値観は似ている、ということを証明するために明治武士道を作り上げた。要するに「国民道徳」である。そして国民道徳において「戦闘者」であることを薦めていない。しかし、武士は「戦闘者」でないと成り立たない、よってイコールではない。

0
2013年06月12日

「学術・語学」ランキング