【感想・ネタバレ】すぐそばの彼方のレビュー

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

なんておもしろい政治の世界。。。
ありていに言えばその一言です。

主人公は与党第二派閥の領袖の息子。
権力闘争おもしろいっすわww
白石さんの作品にしては珍しい話ですが。
でも白石さんの作品はどれもおもしろいんですがね。
ちなみに他の作品は政治の話じゃないっす。
くれぐれも政治一辺倒...続きを読むの紋切り型の作家だと勘違いなさらぬように。
特に男の子におすすめです☆

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ずいぶん前に読んだのでうろ覚えだが、序盤のほぼ廃人のような生活から中盤の政治家として手腕を発揮するまでにかけての移り変わりが、主人公の目を通して描かれているところが面白かった。
そして感動のラスト。ネタバレになってしまうため詳しくかけないのが残念だが、このラストを読むためだけにこの本を買ってもいいく...続きを読むらい。
白石一文の著作の中で一番いい。

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Posted by ブクログ 2020年07月15日

デビュー作で代表作の「一瞬の光」より良かった。「一瞬の光」では社内抗争の話が面白く、恋愛の方はなんというか、例えば大学生が「愛とは何か」を友達とだべってるのを聞くようで全く面白くなかった。本書では政治抗争についての部分が「一瞬の光」に於ける社内抗争の部分よりも分量が多く、愛の方の分量が比較的少なく、...続きを読む却ってそちらにも感情移入出来た。

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Posted by ブクログ 2017年04月05日

政治の話は登場人物と関係性を何度も見返さないとわからなくなった。心の休まる本当の愛情や自分の居場所に、まわり道をしながら辿り着くお話。ラストの善し悪しはあるけれど、自分に正直にという点だけで言えば共感出来る。「男の人は魅力を感じた女をだんだん愛するようになるけど、女は愛した男にだんだん魅力を感じるよ...続きを読むうになるの。だから男はその女に魅力を感じなくなれば愛も薄れていくけど、女は愛している限りはその男がどんなに変わっても引きずられていくの。」確かに。響く言葉でした。

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Posted by ブクログ 2016年06月01日

ある事件をきっかけに精神面が壊れてしまった男の再生の物語であり、後半では「運命の人と共に生きる事を選ぶこと」白石一文節、炸裂の男女の物語でした。
この作者が政治家を描くのは珍しいと思います。ただ本作はかなり初期の作品であることから政界を舞台にする物語も当時の作者としては意欲的な作品だったのかなぁって...続きを読む白石ファンとしては考えちゃいますね。
どんなに私利私欲や権力欲まみれようとも最後の最後は日本国を愛する政治家の一人…その矜持は絶対になくさない。この辺の件は堪らんもんありますね。なんか大和魂までは売り物にはしてないよって印象でした。みんな戦っているんですね。
ともあれ最後の最後はね…ええ展開で良かったです。愛する人の元へ戻る決断…難しかったろう。いっぱい考えたろう。
運命の人を絶対に離すな!これこそが白石節だなぁ〜

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

今読みましたが発売当時に読んでいたら私の人生はずいぶん違った方向になったような気がします。30歳までに読んでおいてほしい本です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年11月22日

政治小説であり恋愛小説であり再生を描いた小説でもある。
「愛と名誉のために」的な再生小説を期待して読んだのだけど、主人公の再生への道は相当違うもん。結局小説のゴールはかなり近いとこにたどりつくんだけど、でもこの主人公は小説ラストで見つけた場所に安住しないと思う。

そこが、俺の(今のところの)価値観...続きを読むと違うので、この小説の結末には納得できない。随所随所にエエことは書いてあるし納得できる部分もあるんだけど、やっぱり一度、とてつもない権力ととてつもない地位を目の当たりにしてしまうと、それを知らない価値観には戻れないのだろうな。作者の意図とは違うのかも知れないが、この主人公は作者が与えたハッピーエンドに飽き足らず絶対幸せを壊すだろうな・・・と意地悪なことを考えてしまった。

そして、これもまた作者の意図とは違うのかもしれないが、登場人物の中で一番カッチョ良かったのは、主人公の妻郁子。美貌、財力、知力、家柄、家事スキル、子育てスキル、沈着冷静さ、行動力・・・あらゆるものを備えたほぼパーフェクトなスーパーレディである。主人公や主人公の友人は彼女を貶すが、俺には出来てない人間の嫉妬に思えてしまい、そして俺は主人公や主人公の友人側の人間なんだと自覚して少々ヤサぐれた。

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Posted by ブクログ 2014年06月10日

まず、タイトルが良い。
物理的なことではなく、自分以外の人との距離感を言っているように思います。

物語は 政治の話が大半で、読みづらさもありますが、登場人物たちの会話の中での気付きは、白石さんらしいなぁと感じました。

「愛」の反対語は、憎しみではなく「無関心」という マザー・テレサの言葉。物語の...続きを読む中では、政治家の本質について、良し悪しを語られていますが、人は孤独でありながら それでも人によって生かされている ということを考えさせられます。

人は人との合成によって初めて奇跡を生む。人は人とつながることで奇跡となるのだ。一人一人の人生にたとえ一切の意味がなかったとしても、人間の集合には必ず意味がある。その表象こそが政治...だそうですが、これは 会社にも社会にも当てはまることのように思います。

龍彦と結ばれなくても、彼の子供が欲しいと願い、一生を共にできなくても 二人は運命的な時間を共有できたと信じ、出会えて良かったと言う、薫の印象的な言葉。
「幸せは今にしかない。明日や明後日や何ヵ月先や何年先の幸福を願うのは、ずるい人のすることだと思う。」「自分のことを考えすぎると、きっと誰かのことをひどく傷つけてしまう。」

そして、タイトルにつながる龍彦の
「すぐそばにある最も大切なものほど いつも遠い彼方にあるのかもしれず、遠い彼方にある最も大切なものほど本当は すぐそばにあるのかもしれない。」と いう言葉が印象的でした。

ラストは、龍彦の失ったものが ようやく彼を解放し、読み終えて良かったと思いました。

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Posted by ブクログ 2013年12月26日

途中で何度、ページをめくるのを止めたことか。
物語の進行も遅いし、主人公の情けないことと言ったら。
しかし、最後まで読み終えることができて心からよかった。
この小説は残り30ページから物語が加速するのだ。

次期総理の椅子を狙う父のもと、金に不自由することなく生きて来た龍彦。編集者の仕事をこ...続きを読むなし、家庭も築く彼。しかし、実はぬるい生活だったと気づいた時の絶望。弱さ故に、詐欺行為を働き、あげくの自分を貶める事件。そんな彼が唯一愛した女への愛に気づいた時、彼の「再生」が始まる。

男が幸せをつかむということに、違和感を覚えるオイラだ。(意外と硬派なのかも。笑)男は女を守れてなんぼだとずっと思って来た。しかし、龍彦には幸せになってもらいたいと思ってしまった。

過去に龍彦が裏切った愛人、薫の言った言葉。
「幸せは今にしかないと思うんです。明日や明後日や何ヶ月先や何年先の幸福を願うのは、ずるい人のすることだと思う」

今という時間を死ぬ気で生きようと、改めて思うのだ。

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Posted by ブクログ 2013年03月03日

白石一文は3冊目。父親は次期総理候補、妻は建設業界大手の娘。仕事・結婚とエリートに育ったが、薫との出会いをきっかけに大きく挫折する。
終わり方だけ、しっくりこないかったかな。後半は選挙中心で話が流れてたのに、う~む。でも基本的には好きな作家だな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2010年12月24日

終わりはあれでいいのかなぁ。
お金と自立と愛情関係について言及しているけど、あの終わり方って、それに対する適切な答えだったのだろうか。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

読んでみての感想ですが、うん、面白かったです。ただ、難しかった。まだ一度しか読んでないですが、世界観(政治的側面)や構造(時間軸が交錯する)が少々僕のオツムには高尚過ぎた感はあります。もう一度読まなければ…。

で、その上でレビュー。てんで頓珍漢なこと述べてしまうかもしれませんが、そこはまあご愛嬌...続きを読むというところで。

著者が早稲田の政経卒ということもあってでしょうか、政治に対しての洞察は深いものがあったと思います。国内、国外の政治に関する詳細なデータが所狭しと書き綴られ、また歴史的な事項に関する記述も相当にありました。政治や歴史などに関しては完全に門外漢である僕(いや、単純な勉強不足です。はい)は、いきおい、読み飛ばさざるを得ない箇所も多々…汗顔のいたりです。

世界は全て主人公の主観を通して展開されています。

ある事件を通してカミーユばりに精神崩壊してしまった主人公が、政治の世界を通して徐々に再生していく様が描かれているんですね。なので、作品の中では徹底して「政治の傍で生きる人」と「それ以外の人」という二項対立が描かれています。

前者は極めて理知的、というか世俗的、端的に言えばおそらく僕たちが政治家に対して抱いているであろうイメージそのまんまで描写されています。
一言で言うと「なーんか、嫌な奴らだなぁ…コイツラ…」みたいな感じですか。確かに嫌な感じの奴らなのですが、それでも彼らの悲しみや苦しみ、そして政治というものが原初的に内在している業というものを分かりやすく描いていた。

『金はそんなに汚いか。(中略)織田信長のように鉄砲買ってそこらじゅうでぶっ放すやり方と、太閤さんのように大判小判バラまいて笑って宥めすかすのと、どっちが日本人は好きなんだ』

今の政治のあり方、確かに良くない部分も多々あるんでしょうが、それでも長い時間をかけて構築されてものです。
『暴力につぐ暴力による制圧、それがもたらす退廃的な世界』
とか、
『くだくだしく対話して、悠久とも言える時間をかけておいて結局事態は一歩も進まないという無力感』
を政治家は誰よりも感じているんでしょうか。

金を全ての尺度として計ること…世俗にまみれたやり方でありながら、しかし最も合理的で生産的なやり方−−と、妄信的に思うことはできませんが、しかしそういう側面はあるんでしょう。

それはともかくとして、後者、つまり政治の世界から遠い人たちも登場します。

主人公は最初はこちらの側から段々と政治の世界へとスライドしていくことになります。おそらく単純な政治小説ならばどちらかの視点のみに重点が置かれたのかもしれないんですけど、主人公が最初「とてつもなく弱い人間」として描かれていたので、政治・非政治の間で揺れ動く様はそれなりの説得力がありました。悪い言い方をすれば『どっちつかず』とも取れますけど。

中盤あたりから政治色が一気に強くなるので、作品に流れる空気としては非政治な人たちに対する言外の侮蔑感ってのはあったと思うんですよ。その中で主人公も徐々に政治の側で生きようと決意していく。

それはおそらく、政治の世界に生きる人間の強さ、たくましさ、もしかしたらしたたかさ、に魅力を感じたからなのでしょう。明確な記述はありませんでしたが主人公がそういう憧れを抱いたであろうことは推察できます。彼は己が精神崩壊したことにかなり自責の念を感じていました。強くなりたい、自分が強くさえあればああはならなかったはずだ…というような感じで。

その彼にとって、政治家のタフさは輝いて見えたはずです。ある意味で情緒や感情などを一切捨てて、政治という戦争の世界に身を置く彼らが誰よりも強く見えた。反射的に、感情論や建前論ばかりに終始する非政治な人たちの中に身を置くことが苦痛になる。政治の世界に行かなければ自分はまた弱くなるかもしれない、と葛藤する。その中で彼は政治の世界へ身を投じていく。

しかし彼を再生してくれたのは、他ならぬ政治の傍にいなかった人たちなんですよね。つまり主人公が蔑み始めた人たち(非政治的な人)が「前提」となり、彼は政治の世界に身を投じるという「結果」が得られる。確かに非政治的な毎日の中で主人公は自己崩壊をきたしたのですが、それを救済したのは政治ではないんですよね。この辺りが物語のコアでした。単純な「政治家マンセー!」的な作品じゃなかったというか。まあ、ありがちとも言えますけど…。


概ねこんな感じでしょうか。ラストは、ああ、まあ、そうくるかー、ってなもんですか。賛否両論あるみたいですね。僕的にはもう少しボリュームが欲しかったかもしれません。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

読んだことのないタイプの本だった。
終始、政界のいろんな話が出てきて、政治に興味のない私は、途中で読むのをやめようかという気にもなった。
けれど、物語の本質はそんなところにあるんじゃなかった。
結局は人間の物語。
総理大臣を目指す龍三の次男として産まれた主人公の龍彦は、甘い考えで大切なものを...続きを読む失ってしまう。
自らも精神的なショックから手首を切り、自殺を図るが、一命をとりとめる。
いろんな人が龍彦のことを支えてくれる。
みんな大人で気付かないのは龍彦だけ。

まるで自分の人生をみているような錯覚に陥る。
最後の最後に、失ってはいけなかったものに気づく。
何がハッピーエンドなのかは解釈の違いはあるけれど、裏切ってでも守らねばならないものもある。

この本を何も感じずに読める人もいるのだろうか。
私は深く落ち込んだ・・・

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月17日

「本当の愛」は、家柄やお金が絡んでいる結婚ではなくて、不倫の恋の方にあった…というような展開にちょっと納得いかないんだけど、なんかそんな話です。
大物政治家の息子である主人公は、不倫やらお金の問題やらで窮地に陥り、心を病んだ状態にある。
本来アタマが良くてちゃんとしているはずの彼が、精神的にちょっと...続きを読むおかしくて約束を忘れたり、お金のやりくりが全然できてなかったりする様子は読んでいてハラハラして、“よくわからないけどなんか病んでる”っていう感じが実にうまくに描いてある。その彼がだんだん回復していって、真実を見つける話…
(つまり本当に自分のことを愛してくれて、本当に自分が愛すべき人はすぐそばにいたのに、それを自分が気付かないためにすぐそばでありながら彼方にあった、やっと真実に気付いた)とも読めるけどーーーーーー。
ちょっと政治的な駆け引きの話の分量が多くて、読むのに疲れました。国を動かす大きな仕事をしていながら、結局人間は(どんな政界の大物でも)、すぐそばにありながら手に入れられない愛や、それにまつわる扱いづらい自分の感情など、なんだか小さなことに悩まされるもので、そのギャップを感じさせるためにスケールの大きな政治の話を無意味なまでに長々と書いているのかなぁと思いました。
もしそうだとしたら私には有効でした。

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Posted by ブクログ 2019年04月16日

政治ものだけど、白石さんの「運命の人は、時すでに遅しくらいにわかる」的な恋愛物語。わかっていたけど、最後は戻るんだなぁ。主人公は責任感が強くみえるか、所々急に弱く逃げてしまう。でも戻るんだなぁ。
政治の人間関係が少し複雑で読み難く、ストーリーが見えていたので評価3ですが、白石作品はやはり良いかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年04月24日

藤田元首相の2ページ半に渡る政治思想が、世の中のリアルな側面に思われた。私的には、人の言動や、人が作るシステム(政治)の不完全さの方が、完全なものよりも現代を映す上で真実味がある気がした。

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Posted by ブクログ 2013年04月22日

白石さんの2冊目。

まだ2冊だけなので言い切れないが、登場人物が精神的に強い女性と脆い男性が多い気がする。

主人公は、時期首相と目される代議士の父を持つ柴田龍彦。
四年前に不祥事を起こし、自殺未遂の末の精神失調、現在は回復しつつも父の秘書を務める。

この龍彦が本当に情けない。確かに、代議士の家...続きを読む庭に生まれ、愛情に飢えた結果とはいえ、もっと早くに何とか出来たのでは、と思えてならない。

比べて女性達の何と強い事!
政略結婚の妻…好きにはなれないが、現実を受け入れけっして泣きわめいたりせず、淡々と妻をまっとうしている。

由香子…現在の愛人。昔、祖父母の家のお手伝いさんだった女性の娘。医師と結婚し息子を授かるが事故死、その後離婚。
龍彦と再会時は、お互いに落ちぶれた者同士、傷を舐め合うような始まりだったが、龍彦の回復(変化)を感じ自ら去って行く。

薫…龍彦の元愛人。四年前の不祥事の原因となった女性。全身全霊をかけて龍彦を愛するも、龍彦の苦悩を知り、消息を絶つ。

物語の中心は政治の世界。その部分は若干読みづらいが、裏の顔が垣間見れて興味深く考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2013年04月12日

なんでか一時この人のばっかずっと読んでたな・
おかげでシンクロしちゃいました。
すいません嘘ですおもそろかったです。

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Posted by ブクログ 2013年03月13日

著者の一貫したテーマよりもストーリーに重きを置いた作品。小説としては面白いけど、著者の味が薄まってしまっている。なかなかバランスが難しい。

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Posted by ブクログ 2012年11月03日

政治の裏側って、総理大臣になるって、こんなふうな綱引きゲームみたいなものなのかもしれない。ただ、それでも彼らが何らかの使命を感じて政治に関わっているのだと思いたい。龍彦は最後に見つけた道がほんとに幸せなのかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年05月27日

男は相手を魅力的と感じてから愛し始めるけど、女は愛し始めてから相手に魅力を感じるようになる。って。
どちらにせよ愛した人のそばにいることが、幸せって事ですね。

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Posted by ブクログ 2012年02月05日

白石作品の主人公にはいつもモヤモヤイライラさせられる。
ハッキリ言って好きになれない。友人にはなれないな。
この作品の主人公も大物政治家の息子でありながら、どうしようもない狼藉を繰り返す。
繰り返した狼藉がどういうものなのかは、読み進むにつれて小出しにされる。
ま、どうしようもない人間だ、龍彦は。
...続きを読むいったい何がしたいのだ、お前は。
誰を愛したいのだ。
そうやって一生生きていくつもりか?

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Posted by ブクログ 2012年01月17日

権力闘争の末に主人公が最後に重要な選択をするんだけど、それが腹が据わった感じがしない。また周りに強く言われたらふらふらしちゃうんじゃないかなと思ってしまう。その前までの心理描写が少ないせいだろうか。政治家達の人間関係は詳しく描かれていたが、主人公自身の描写はやや物足りなかったような気がする。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月04日

私が特に苦手とする、政治が題材。

最初は、たんたんと話が進んでいくが、
愛と金が絡まり合い、スピードが増していく。

野望を達成するための金であり、
人間としての愛である。

その相容れない部分でひずみができ、
自分を持たないと堕ちていく。

何かを失ったとき、人間は赤ん坊のように周...続きを読むりに支えられて立ち直っていく。
そして、実は、過去もそうであったことに気がつく。

政治が舞台だからこそ、金と愛と野望。
人生のなかで、主人公が本当に求めていたものが浮き彫りになっていく。

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Posted by ブクログ 2011年10月02日

正直難しかった。人間ドラマと政治が絡み合ってて。白石作品の中では全然サクサク読めなかった。人間ドラマとしては一度は地の底に落ちた男が本当に自分の生きていく道をみつけるまでがきちんと描かれていると思う。
どうしてもそこに絡んでくる政治の話がややこしくて。。。

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Posted by ブクログ 2010年05月01日

 近いはずで遠い政治の世界が動いていくさまのドキドキ感、絶妙なミステリ仕立てで描かれる主人公のある過去が、ページをめくらせる。主人公の気持ちなどとノイズだといわんばかりの現実。それが、恋心の切なさを浮き彫りにさせる。でも結局は、主軸はその現実を享受する人間なのだ。

 白石一文の小説を「不倫モノ」と...続きを読む片付けてしまう読者が多いけれど、おそらく既婚者である著者が人の心を揺り動かしてしまう恋愛について書くには、じつに誠実な書き方なのではないだろうかと思っている。「女性への幻想に耐えられない」という女性読者は、彼の書く異性への幻想や男性のセックス依存みたいなものを自分だって持っている(女だって所詮ビッチ!)のを時代や外聞やプライドやその他いろいろなもので隠さざるを得ない/誤魔化しているからじゃないだろうか。

 自分が引き起こしたトラブルをどうにかしてかき消そうとする政治の世界。自分が引き起こしたトラブルに対面して自責せざるを得ない恋愛の世界。社会と個人の事情は、ここまでも大きく違う。でも、切実なのはどっちなんだ?

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Posted by ブクログ 2010年01月06日

【あらすじ】
次期首相の本命と目される大物代議士を父にもつ柴田龍彦。彼は、四年前に起こした不祥事の結果、精神に失調をきたし、父の秘書を務めながらも、日々の生活費にさえ事欠く不遇な状況にあった。父の総裁選出馬を契機に、政界の深部に呑み込まれていく彼は、徐々に自分を取り戻し始めるが、再生の過程で人生最大...続きを読むの選択を迫られる…。一度きりの人生で彼が本当に求めていたものとは果して何だったのか。『一瞬の光』『不自由な心』に続く、気鋭の傑作長編。

【感想】

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Posted by ブクログ 2009年10月26日

『すぐそばの彼方』(白石一文、2005年、角川文庫)

政治と女をめぐるフィクション。
次期首相最有力候補を父に持ち、父親の私設秘書をつとめる龍彦。
龍彦が過去に犯した過ちから徐々に立ち直っていくが、同時に父親から再度信頼を得、政界(政局)の権力争いへと巻き込まれていく。その過程にはある真実があった...続きを読むのだが…

政治の権力闘争の影にある闇の部分が随所にあり、政治に身を投じ権力を手にした者の裏の姿を描き出している点がおもしろい。
この小説では女性関係が物語と平行して明らかになっていく。政治に身を投じつつも、愛する女性を追い求める「政治家」の姿があった。

(2009年10月25日)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

えーと、京都〜福岡間で読んだ本。一度自分を見失った人の再生のお話。けど、最後にたどり着くところは、とても良かった。その感触だけでもいい本だと思った。欲を言えば、気付くのが遅すぎたってことですかね。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

大人になるにつれて「うまくやる」ことを覚えて、器用になって、でも、純粋さに代表されるようななにかを少しずつ失って。そうある自分やまわりにうまくなじめなくて。でも、結局は純粋になっていく。そんな主人公。政治の話は難しいのかもしれないけれど、それはこの人がストーリーの中に「難しい世界の中に生きるからこそ...続きを読む」シンプルでピュアなものの大切さをすりこませたものだと思う。

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