【感想・ネタバレ】共感価値の設計図――まだ知られていない、“理念”の本当の価値とチカラのレビュー

あらすじ

【内容紹介】
組織に眠る〝人の可能性〟を最大限に引き出す

「自社のブランド価値を高めたい」
「社員を育てて、組織をより強くしたい」
「顧客や取引先に愛される会社として、自社を成長させ続けたい」
これらを実現するための取り組みは、突き詰めれば「人の心を動かす」ことに行きつく。

このこと自体は、多くの経営者や管理職が理解しているが、その実践が難しいのは、「なぜそうなるのか」「どうすれば再現できるのか」というプロセスが見えていないからである。

この解決の糸口は、「行動経済学」や「組織心理学」といった学術分野から探ることができる。これらの学問は、人の判断や感情の動きを、主観ではなくデータとエビデンスをもって説明するロジックを提供してくれる。
つまり、「人の心を動かす」ことは本来、センス頼みの属人的なものではなく、再現性のある技術なのだ。

著者である関野氏は、世界中の著名大学や研究機関が発信する最新の学術理論を徹底的に収集・分析することによって、それらを企業で活用していくための手法を開発している。

とはいえ、行動経済学や組織心理学を学ぶことは、あくまで有効な手段のひとつに過ぎない。その根底に経営者や管理職としての「人間力」がなければ、どんな理論も小手先のテクニックでしかなくなってしまう。
だからこそ、これからビジネスパーソンには“人の心を本当に動かす力”が求められる。

ましてやAI時代となったいま、創造力、感受性、対話力、信頼関係を築く力、協力して価値を生み出す力―こういった“人にしかできない領域”こそが、これからの企業経営における決定的な競争優位性になる。

人の心を動かすこと。
人の可能性を最大化すること。
そして、そのために「教育で人間力を高め」「仕組みで人を育てて活かす」こと。
本書は、著者が積み重ねてきた知見と実践をもとに、それらをどう実現すべきかを解き明かしていく。

【著者紹介】
[著]関野 吉記(せきの・よしき)
株式会社イマジナ代表取締役社長。15歳で単身渡米。26歳でNYにて株式会社イマジナを設立。「世界で活躍している会社は社員を活かす教育がうまい!」という海外での気づきから、企業が社員の共感を集めること・社員の可能性を引き出すことの重要性を痛感。人を集め、育て、残す考え方の本質を日本企業のさらなる成長へと活かすべく、2006年に日本へと拠点を移し、人材育成・理念浸透に特化した企業支援でこれまで3,000社に伴走してきた。現在は特に、企業の文化づくりにおける管理職の存在を重要視し、管理職強化に向けたプログラムに力を入れている。

【目次抜粋】
はじめに|組織に眠る“人の可能性”を最大限に引き出す
Chapter1|「理念」とは、組織の“神経網”である
Chapter2|成長する組織は、“学ぶ”リーダーがつくる
Chapter3|人の“心”を動かす技術とは?
Chapter4|成功への「やり抜く力」を養うために
おわりに|対話と伴走。この積み重ねが“共感価値”を生む

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Posted by ブクログ

・会社の思いに共感していて能力も高いタイプを一番気にかけ、その能力を伸ばすための教育や努力をすべき。彼らが「今の会社には、これ以上、学べるものが何もない」と思えば、彼らはさらなる成長を求めて転職していくことも厭わない。彼らが求めるのは、自分たちの能力をさらに向上させる様々な機会やチャンスを与える環境である
・従業員満足度調査やモチベーションサーベイは社員のやる気を「会社が高めてあげるもの」という前提を強めてしまう構造になっている。しかし本来モチベーションとは、自分で高めるものだ。こうした前提が気づかぬうちに社員を受け身にし、組織を弱らせる
・学ばない人はプロではない、というのが世界の常識
・感謝の言葉を口にすることで、相手へのリスペクトとともに、自分の心の状態が”受け入れるモード”に変わる。感謝とは、学びのスイッチであり、成長を加速させるためのトリガー。素直に感謝して学ぶ姿勢がある人は「折角の機会だから吸収しよう」という態度を取る
・「作業」から「価値ある氏名」へと部下の意識を変えるために、管理職は仕事の指示をする際には、必ず、①全体観・背景、②目的・ゴール、③本人のメリットと言う③つの要素を満たして伝えなければならない。ここで抑えておきたいのは、これは単なる「丁寧な伝え方」ではなく、人の感情と認知に影響を与えるための技術だということだ
・「伝えた=伝わった」ではない。相手の行動が変わって初めて、伝わったと言えるのだ。そもそも真剣にコミュニケーションと向き合っている人は「伝わっている」「自分はできている」とは言わない。なぜなら、深く取り組めば取り組むほど、自分の未熟さや改善点が次々に見えてくるからだ
・日々の業務をこなしているうちに、部下は視野が縮み、本来立ち返るべき軸が何だったのか忘れてしまったり、わからなくなってしまったりする。だからこそリーダーは、何度でも言葉にして、なんのためにやるのかを繰り返しリマインドし続けなければならない。部下は、自分とは生まれも育ちも違う人間だ。異なる常識、異なる価値観を持ち、異なる解釈で物事を見ている。そのような相手に対して、何度も何度も、必要以上に目的とゴールを丁寧に伝えることは、決して双方にとってマイナスにはならない
・リーダーは、成果ではなく「そこに至るまでのプロセス」に目を向け、その中での努力を積極的に認めていかなければならない。努力やプロセスを認めることによって、部下はその重要性を理解し、地道に努力を積み重ねることができるようになる
・本当の発想の転換は、異なる業界や価値観に触れて視野を拡げ、それらを掛け合わせるなどの工夫をしたときにしか生まれない

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2026年08月11日

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