【感想・ネタバレ】放浪記のレビュー

あらすじ

第一次大戦後の困難な時代を背景に、一人の若い女性が飢えと貧困にあえぎ、下女、女中、カフェーの女給と職を転々としながらも、向上心を失うことなく強く生きる姿を描く。大正11年から5年間、日記ふうに書きとめた雑記帳をもとにまとめた著者の若き日の自叙伝。本書には、昭和5年に刊行された『放浪記』『続放浪記』、敗戦後に発表された『放浪記第三部』を併せて収めた。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

題名のごとく、ひと所で落ち着いて暮らすこと、働くことがない。
それは放浪癖があるわけではなく、働いても貧しい賃金でそのまま働き続けることへの失望から
よりよい場所を求めてのさすらいであり
沈む気持ちを奮い立たせての場所も気持ちもリセットする意味があったのでは無いかと思われる。

途中で関東大震災が起こったと思われる辺りがあるのだけど
そこに大きく触れずに、ちょっと場面に触れて後はいつものような生活になるところが
どれだけ普段の生活から苦しく貧しいものかを思わせる。



第三部の終わりの方で母親が本音をもらすかのように
娘を「むごい子」と言うのがやるせない。

女郎屋に売らなかっただけマシとでも思っていたのだろうか。
自分の暮らしも余裕がないのに、仕送りをしてきた娘に対して「むごい」のはどちらだろう。

せめてもの救いは、今私たちがこれを読めている事だろう。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

20代前半の雑記と考えれば納得。ひたすらストレートに金がほしい、美味い飯が食いたいとぼやき、つれない男どもの文句を吐き散らす。後半に連れて攻撃性が増すのは、一度非公開と決めたものが第3部にまとまっているから。人のぼやきを見ているだけなのに、ちょっと励みになる。柚木さんもおすすめしつつコメントしていた通り、感情のアップダウンが激しすぎるしフットワークも軽すぎ。なんで名作なのか全く説明できないが、確かにひっそり読み継がれてほしい。男性が読むとどういう感想を持つのだろうか。

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2024年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大正時代、極貧状態にあった女性の日記。金、飯、男、家族、周囲の人間の話と、詩が主。半ば呪いめいた愚痴と、その日に何かあったかを書き連ねた内容。3つの本をまとめた内容になっているが、そのうち1巻目にあたる部分の内容は中々悲惨である。セルロイド工場で人形に永遠と色付けを行っている辺りは特に印象に残った。あまりに生々しかったためか、戦時中発禁処分になった様子。それも仕方ないように思う。金品の貸し借りや人間関係などは随分現代と違うように感じるので、その辺りは興味深かった。しかし、こんな状態でもどうにか暮らしている作者の方のバイタルは現代人には無いものだと思った。

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2019年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印象的な文章が延々と続くのだが、ストーリー的なものがないので、読むのに骨が折れた。
貧しくて苦しい生活が綴られているものの、生命力が感じられて絶望は感じられない。当時の生の生活が描かれているのも面白い。

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2025年08月14日

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