【感想・ネタバレ】まかない君 4巻のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年06月17日

私、やっぱ、この料理漫画、好きだわぁ
読んでいると、お腹が空いちゃう度合いは、他の漫画も負けちゃいけないんだが、この『まかない君』で主人公・浩平が作るメニューは、割と家の冷蔵庫に入っていそうなモノで、パッと作ることが出来るレベルが多いので重宝する
ある意味、『どんぶり委員長』(市川ヒロシ)と同じく、...続きを読む夜に読むと危険な青年漫画だな、と確信する
しかし、漫画読みが漫画を読むのを止められないように、夜食の魅力を一回、知ってしまったら抗えないのだから、もう、衝動に身を任せるしかないな、と観念している
この『まかない君』もまた、『これからコンバット』と同じく、アニメ化、ドラマ化の発表が今だになく、モヤモヤしてる作品
感想を書く度に、毎度、書いているので、「またか」と思われるかも知れないが、この『まかない君』の魅力をとことん引き出しているのは、西川先生の素朴な絵柄にある
もしも、登場人物、ストーリー、台詞が同じでも、絵柄が西川先生のそれでなければ、私はここまでハマらなかっただろうな、と自信を持って言える
失礼な言い方になってしまうが、正直なトコ、西川先生の絵は、そこまで巧い訳じゃない。けど、独特の味があり、日常的を自然に描いているストーリーを、さりげなく、けど、しっかりとフォローしている
自分のストーリーに最もマッチしている絵を把握している西川先生、何気に凄い漫画家だ。ここまで、太眉が似合う女の子を元気よく描ける青年漫画家は、貴重だと思う
料理を作るシーンが、大体、浩平と弥生が台所に立つ、これで固定されているってのも読みやすさを感じさせてくれる。『食戟のソーマ』のように調理シーンがダイナミックな作品も面白いが、あくまで、家族の食事を作るって設定であれば、派手な動きは必要ない
そんな浩平と弥生の関係が、家族でもあり、どこか、恋人のようにも見える、良い意味で中途半端なトコも、読んでいて、ついつい、ニマニマしてしまう
距離が近すぎて、男女としての感覚が少しズレちゃっているからこそ、この親密な関係を維持できているのだろうな。こんな変わらなさは、どこか和む
また、作中で浩平らがブるホラや言葉遊びのセンスもピカイチで、勉強になる
どの回も、西川先生らしさが地味な線で構築されながらも鮮やかに表れ出ているので、一番に面白い一話を決めるのは難しいが、ストーリーで選ぶなら、特別編「戦争を知らない孫たち」だ。ヤングアニマルDensiでなく、ヤングアニマル特別編集 漫画で読む「戦争という時代」に掲載された作品だけあって、少しばかり、他の話と毛色は異なっているが、極端に重すぎなく、かと言って、戦争があった現実を軽んじてもいない。戦時中の食事を、現代風にアレンジできるのも、日本人が平和を努力で保ってきた証拠か
メニューでお気に入りを選ぶのであれば、私の一推しは、味噌とコーラの照り焼きだ。世の中にゃ組み合わせちゃいけない食材はあるが、美味しい物を食べる為ならば躊躇わず、時に果敢に挑まねばならぬ。思い切った先に成功が待ってくれていた時の快感を知ったら、料理をもっと好きになれる
この台詞を引用に選んだのは、説得力があるから。浩平が作った物を何でも美味しそうに食べてくれ、料理人冥利に尽きる賞賛の言葉をストレートに口に出来る弥生が言っているから、だろうな。大切な人が自分の為に作ってくれる料理、それもまた、世界一だ

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