あらすじ
欧州の大国プロデシアの日本大使館に勤務する西園寺磨悧は、深い森で迷っているところを銀髪の尊大な男に助けられる。男は小柄で綺麗な顔立ちの磨悧を女と勘違いし、見掛けによらず気の強い磨悧のプライドを激しく傷つけて去っていった。数日後、滞在していた伯爵邸で磨悧は、お忍びでやってきた皇太子クリストフに謁見……だがそれは、その美貌と威厳、そして感じの悪さで磨悧が忘れられずにいた銀髪の男だった! クリストフの鼻をあかすため、磨悧は皇帝主催の大舞踏会に女として参加し、クリストフを騙すことを決意するが……。
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井の中の蛙、大海を知らず
まず、主人公である磨悧が嫌いです。
あんなんで武士道を語るなんて、一士族の末裔として許せません。
武士道・信念とは軽はずみに常時振り翳すものではありません。
彼の立ち居振舞いはただのキャンキャン吠える小型犬のそれで、非常に見苦しく不愉快でした。しかもつまらない見栄を張るし、日本人の謙遜の美徳は何処へ行った?
どんな時も冷静に判断し、揺らぐ事なくどっしりと構える……それが日本男児の在り方ですよ。
これじゃあ、ただの世間知らずの癇癪持ち小僧で、平安時代から続く貴族や富豪の末裔と言われた方がしっくりきます(まあ、それならそれで磨悧では上品さに欠けるが)。
物語後半から事件に巻き込まれてからの展開は好きでした。
ただ、あて馬がもう少し出来た男だったら良かったのですが、あまりにも間抜けすぎて役不足感。
舞踏会の時にはもっとマシに思えたのですがねぇ。