【感想・ネタバレ】幽霊記のレビュー

あらすじ

遠野出身で、「佐々木鏡石」の筆名で小説を発表していた喜善の語る民話をもとに、不朽の名著「遠野物語」が生まれた。その名声の陰で小説家として挫折してゆく喜善の、屈折した心のひだと報われぬ生涯を描いた表題作「幽霊記」(直木賞候補作)ほか、千島探検の郡司成忠に冒険の夢をかける反骨の医師(「熱血記」9、平民宰相原敬への無償の奉仕に生きた男(「幇間記」)を描く2篇を収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

遠野物語の語り部である佐々木喜善さんを描いた表題作のほか、報効義会を結成して千島を開拓・探検した郡司成忠さん
(幸田露伴さんのお兄さん)や幸徳秋水さんに自分の夢を託して援助し続けた岩手の寒村医師:大條虎介(おおえだこすけ)さんを描いた『熱血記』、やはり岩手出身の平民宰相:原敬さんを応援する床屋の亭主を描いた『幇間記』の3篇を収録。

どれもコンパクトだけれど、人間が生き生きと描かれていました。
短編なのに物足りなさは全くなかった。

自分が表舞台に立つことはできないけれど、自分が理想とする人生を生き抜こうとしている他者(この本では柳田國男さんや郡司さんや幸徳さんや原さん)をサポート人たちが主人公でした。

こういう人生を歩むことに男性は複雑な気持ちがあるのかもしれないけれど、女性たちはスッキリした優しい人達が多く出てくるのも物語をわかりやすくしていたかもしれません。

女性が出しゃばらない時代だったってのもあるかもしれないけどね。

0
2019年01月11日

「小説」ランキング