【感想・ネタバレ】掌の小説のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2017年08月11日

川端康成は、人間を奇妙な生き物を観察するように見ている。
彼は愛に憧れていたが、愛というものを信じられなかった。もしも愛を手に入れたとしても、それが失われることが恐ろしかったのだろう。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2017年04月19日

いろんなタイプの掌編122編。若かりし川端康成の技術の粋、という感じ。この半分くらいは20代に書いたっていうの信じられない……。解説でちょっとだけ簡単にタイプ別に分類(いくつか例を挙げているだけ)されているので、読みたいものを探す際にも参照しやすいかもしれない。また何度も読み返すと思う。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2016年02月27日

中学生の頃に読んだけど、ずっと忘れられない。
誰でも、この短編集の中に絶対心に残り続ける話が見つかると思う。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2014年07月01日

「夏だった。朝毎に上野の不忍池では、蓮華の蕾が可憐な爆音を立てて花を開いた」

この一文に天啓を受けたように立ち尽くした高校生のわたし@小汚いフジの書店、を思い出す。
それから手を出しては忘れたりを繰り返したこの本を、ようやく通読した。
結果、男(酷薄な)と女、心霊、夢と悪夢、不気味、のラインが好き...続きを読むなことに気づく。
そして、曖昧さ。余韻。ぎょっとする一文。これは文章の妙味。
丸をつけたのは、

日向 指環 金糸雀 白い花 落日 人間の足音 滑り岩 心中 竜宮の乙姫 霊柩車 合唱 屋上の金魚 恐しい愛 百合 処女作の祟り 門松を焚く 母国語の祈祷 家庭 笑わぬ男 黒牡丹 望遠鏡と電話 化粧の天使達 舞踏靴 雨傘 化粧 手紙 不死 地 白馬 雪

「奥さん。この金糸雀は殺して妻の墓に埋めてもようございましょうね」

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2014年06月05日

川端康成はどんなに短くても詩ではなく小説、物語だと、どこかで目にしたことがあるが至言である。(逆に誰だかはどんなに長くても物語ではなく詩である、と続いたはずだか、誰だったか...)

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2014年02月15日

私は短編小説集は1,2編読むと慣れてきて飽きてしまうので苦手なのですが、これは例外でした(私が川端康成作品が好きだからかもしれませんが)。
ページを繰らせるのは、作品ごとに雰囲気が変わるとかそういう驚きではないです。1篇1篇が人間や人生の破片みたいな感じがして、次はどんなふうに切り出された破片なんだ...続きを読むろうという期待です。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年12月15日

通勤やちょっとした移動時間にサラッと読み終える掌サイズの物語集。見開き2ページで終わる超短編も少なくないから読みやすい。中身も切ないもの、心温まるもの、余韻が残るもの、よく分からないもの、心に突き刺さるものなどなど味わい深い。ずーっとこんな本を探し求めてた。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年03月20日

川端康成の短編集。

川端康成の初期の作品から40年間に渡って綴られた、122作の短編小説。
1作は平均3〜4ページ程で休み休みと読みやすい。
そして作品を読むことによって川端康成が人生で感じてきた経験とその流れがわかる。

若き青臭い夢見心地な作品から、人生の浮き沈みを感じる作品。そして老いたから...続きを読むこそ感じる心の解放など。
川端康成が生きた人生そのものを読んでいるようだった。

だが、全体的に通して人間として憂いを感じる文章は変わりない。
そして時に人間の行き様を崇高に、また滑稽に、というエッセンスを加え描いている印象を受けた。

様々な視点を川端康成は持っている。
その視点から浮かび上がる人間の本質を描く、川端康成の切り口は斬新だと感じた。
こういう見方もあるのだと、こういう人間の映し方があるのだと、驚きと尊敬を感じてしまう。

122作の短編のうち印象深かったのは「落日」「死顔の出来事」「一人の幸福」「百合」「喧嘩」「妹の着物」「さざん花」
滑稽さと憂いさの対比が鮮明で分かりやすく印象深い。
すべての短編に様々な彩りと感性が隠れている。
読んでいると色々な気付きを読み手は受けて飽きない。
題名の「掌の小説」という名に相応しい重厚な個々の彩りと、読む手軽さを感じられた短編集。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2011年07月27日

火に行く彼女
冬近し

離婚の子
百合
神います
霊柩車

心中
恐しい愛
家庭
眠り癖
喧嘩
死面
夏と冬
不死

めずらしい人

原稿用紙にして十枚にも満たない分量で、こんなにも胸を打つ小説が可能なのか、と感動しました。
「火に行く彼女」が一等好きです。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年09月28日

ひとつひとつがとても美しく、妖しく、切ない。
お気に入り→霊柩車 屋上の金魚 盲目と少女 母国語の祈祷 貧者の恋人 笑わぬ男 離婚の子 眠り癖 喧嘩 顔 化粧 妹の着物 死面 眉から ざくろ 小切 夏と冬 卵 滝 秋の雨 不死 めずらしい人

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2011年09月22日

15分の散歩にポケットに入れて、

長い旅の途中の見知らぬ国で、

家で眠る前のベッドのランプで。


いつ、どこで、どのページを開いてもはずれがない。

これほど愛着の沸く本も珍しい。


そして、どこかの国のどこかの町で失くしてしまった。


−−−−−
2011年9月

実家で発見。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2011年07月28日

実は全部読めてないかも知れない。だって一気に読んだらもったいないし、目次で選んだり開いた頁から読んでいるから。これを手にした人は誰だってそんな読み方をしたくなるはず。練られたものからごたついた習作までたくさんの掌編がつまっていて、どれも女を所有することと少女の不可思議と死の影がある。短くてほとんど詩...続きを読むのようでシュールなんだけど、時々ふいに揺さぶられ、ぎゅうと切なくなる。「心中」は本当に切ない。「夏の靴」は美しい。「髪」はいじらしい。大学の若い先生が、日本は川端のような大変態が、日本の作家としてノーベル文学賞を受賞したことを誇りに思うといいですよ、なんて言っていたが、その通りだ。この大変態は本当に美しいものを書く。こんな贅沢な本はなかなかない。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年10月19日

川端康成の掌編小説集。
短いが個々の物語として各編に特徴を持たせていて惹き込まれた。
不気味且つ幻想的な世界が浮かび上がってきた。
作者の観察癖が繊細な一文から見事に伝わってきた。
事物を形容する描写力が実に天才的だと思う。
その為難解で途中で立ち止まる事も多かった。
多種多様な美しさが詰まっている...続きを読む
貧困や不倫の男女が多く描かれているのが印象的だった。
何かが欠けた人物に魅力を感じてしまうらしい。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2013年02月08日

文章そのものを楽しむという意味では、
短いストーリーがたくさん詰まったこの形式がいい味出してます。
数ページで話が終わり、ころころ舞台が変わるので、
そのたびにほうそう来たかと唸らされます。
(導入の文章がまた上手くて2つ3つの文章でぐいと引き込まれます)

日本語が綺麗という声も聞きますが、
比喩...続きを読むや情景の描写も含め美しいイメージのみを連ねる美意識の高さと、
いらないものをそぎ落とした簡潔さに持ち味があるので、
英訳してもきっと凄いだろうなと思いました。

また、思いのほかに綺麗さの押し売り感はなく、
短いながらもどの物語もしっかりストーリーが立っていて、
様々な視点からものを見る作家としての多面性が味わえます。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年10月15日

ずっと大切にしたい超短編小説集。
小さな宝石の粒の集合体のようだ。
ひとつひとつは確かに短くて小さな話だけれど、だからといって長編大作に劣るとは限らない、ということを証明してくれる作品だ。
読む人によって気に入る作品が違うはずであるので、それを誰かと話してみたい気持ちになる。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年09月04日

1編3~10頁の掌編。「時計」の男の心意気がすごく好きだ。あと、「屋上の金魚」「貧者の恋人」「夏の靴」「門松を焚く」「母国語の祈祷」「三等待合室」「縛られた夫」。川端康成は文体の魔術師だなあ。「古都」の文体があまりにも他の作品と違うような気がして、あとがきに「睡眠薬でらりってたからちょっとよく覚えて...続きを読むない頃に書いた」というようなことを書いてあったのをふと思い出した。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年06月05日

「時雨の駅」は雨の日に雨傘を持って駅で夫の帰りを待つ妻たちの姿を
――家庭的な余りに家庭的な愛を一本の雨傘にふりかざして人妻の大軍がひしひしと攻め上がって来るのである。
と表している。
語り手が誰なのかわかりにくくて読みにくかったが
面白いことが書いてあるなと思った。

つい人の顔色をうかがってしま...続きを読むう「日向」はすっと心に落ちる。

死んだ妻を想って日々を生きる「手紙」も素敵だ。

全体を通してとにかく鮮やかだ。
短編であるからこそ、ひとつひとつの文章を強く感じた。
漢字をわざとひらがなにしたり、ひらがなが自然なところを漢字にしたり、言葉の意味がより入るようになっているのだと思う。

短いので、なにやら意図が分からない話もいくつかある。

それでも川端康成がどんなことを考えていたのか
頭の中の断片を覗いているようで楽しい。

若干肉に対する欲が多い気もするが、読み手側の欲も影響されているのかもしれない。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年04月06日

本屋さんに平積みしてあるのを見かけ、つい購入。

多分、中高生の頃に、一度は読んでいるであろう短篇集ですが、明確に記憶に残っている作品はありませんでした。
・・が、何れの作品も当然のことながら、「あぁ、川端康成だ」と感じるのがなんとなく不思議だったりもしました。

短い文章の中に、美(見)事に物語が...続きを読む収まっていれば・・
 「あぁ、さすがノーベル賞作家の川端先生だ」と、思います。
短い文章が、詩のようであり、抽象的であり、何を読み取ればいいのか分からなくても・・
 「あぁ、さすがノーベル賞作家の川端先生だ、難しいょ・・」と、思えます。

その一篇一篇を理解できてもできなくても、安心して読み進められる短篇集でした。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2012年01月13日

修士論文の題材として使っている。
ショートショートの元祖なのかな。

不可思議な話から、どことなくエロティックな話もある。

川端康成の言葉遣いは曖昧さがある。
そこが彼の文章の面白さではあるけれど、若いころは彼の物語の理解を妨げてもいた。
この短編集の唐突さも相まって、よくわからないまま終わる感覚...続きを読むがどうしてもある。

川端康成の話のつくりは仏教思想が大きく絡んでいるようなので、仏教思想を学んでから再度読むと話の構造を深く理解できるのだと思います。

彼の実体験の断片も見られて、それを拾い集めるのもなかなか楽しい。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2011年09月06日

短編集というか断片集。
唐突に始まって唐突に終わる。

文と文のつながりが薄くて、印象的な単語だけが浮かび上がってくる感じ。淡々と、細々と、切々と、残酷。

このレビューは参考になりましたか?