【感想・ネタバレ】幹部に年収1000万円を払う会社になろう 中小企業の給与制度の作り方のレビュー

あらすじ

中小企業の経営者が常に持っている悩みの種は「社員にいくらの給与を払うのがいいのだろう?」です。高すぎると経営が苦しくなる。安すぎると社員のモチベーションが下がるし、辞められてしまうかもしれない。不満が出てくると困る。でも、そもそも、高すぎるとか安すぎるとかは、何と比べて判断すればいいのだろう?官公庁が発表しているデータは、案外あやしいものです。実際に「他社はいくら払っているのか?」は、なかなかわかりません。本書では、著者が独自に集めた中小企業の賃金データから、世間での相場を明らかにします。その上で、中小企業にふさわしい給与制度を提言します。等級号俸制なんて、中小企業で使うと、無意味どころか弊害が大きいものです。「給与制度とはこんなものだ」と思いこんでいる方、「何だか給与の払い方がおかしいような気がするけれども……」と悩んでいる方、必読です。

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Posted by ブクログ

中小企業の給与に関するコンサルタントさんが著者ですが、給与制度がかなり詳しく解説されており、かなり参考になりました。
身近でありながら、あまり深く考えずに会社から支給されている給与ですが、基本給の内訳はもちろんですが、家族手当や通勤手当・住宅手当の計算の方法など含蓄あふれる内容でした。
自分が最も気になったのが、職能給に対する考え方です。
職能給とは、そもそも国家公務員の給与制度から用いてきたそうで、公務員の世界では長時間残業がない(あくまでも建前だと思いますが・・)ので、その弊害として管理職に昇進すると、逆に年収が目減りしてしまう弊害があるとのこと。
その事例として、マクドナルドの店長の訴訟の件を事例に挙げられてました。
確かに民間の場合は、管理職に昇進すると残業分相当の手当がつきますが、実質は働いた分がまるまる100%の金銭的報酬を得られている訳ではありません。
自分もそうですので。
著者は、役職手当をベースにすべきという主張をしていますが、そうかもしれませんね。
ただし、同じ世代に多数の社員がいる層にとっては、限られた役職の奪い合いですので、
世代間での公平感という意味では、うまく機能しない。
故に、部長代理やら課長代理やらという名ばかり管理職が誕生してしまい、今後は経営スピードを高めるための組織運営という点で弊害が生じる。
あっちを立てればこっちが立たずのイタチゴッコ状態ですね。
やはり、制度のみならず社員間や上司部下関係といった人と人との信頼関係を醸成できる社内の風土といったヒューマニズムだと思います。

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2017年05月07日

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