【感想・ネタバレ】ため息の時間のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編小説9話。
口紅
夜の匂い
終(つい)の季節
言い分
僕の愛しい人
バス・ストップ
濡れ羽色
分身
父が帰る日

あとがきによると、男性主人公の話とのこと。
読んでいて、言われれば、そうかと気がつくくらい、
女性の視点、唯川恵の視点が明確で気がつかなかった。

初出が、小説新調、週刊朝日、小説工房、小説nonの1996年から2001年にかけたものを集めている。

これらで「ため息の時間」というのがうまいかも。
女性のため息なのか、男性のため息なのか。
女性と男性の両方を捕らえた人間のため息なのか。

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2013年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男のため息か、女のため息か、悩ましい9編の短編集。

男女のすれ違い、ずれてゆく姿が、どこにでもあるようで、不思議と取り込まれてゆく。
『終の季節』:熟年離婚。「一番父親が必要なときにあなたはいなかった」世の父親にとって、致命的な一言、かな。そう、あの頃は、誰もが、家庭を忘れ寝食を忘れ自分を忘れて会社に尽くしていた。挙句、その結果が、…。リストラした部下の娘の「偽物の方がそれっぽいなんて、…」が、悲しい。失った時間は巻き戻せないか、…。
『僕の愛しい人』:自分の実力を買ってくれる人と、自分を愛してくれる人。経済的自立は、あるいは野望は、…。一昔なら、千晶さんを妾さんにしてチャンチャン。だったのに。

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2022年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近、気になる作家の短編集である。すべて男性を主人公にしている。そして、すべて身勝手な男の話である。世間でありがちな内容がまた興味をそそるし、いらつかせる。中でも、一番いらつかせたのが「言い訳」「僕の愛しい人」だ。一番許せないタイプの男性である。「言い訳」は、二股かけ互いの言い訳を互いに話す卑怯者。「僕の愛しい人」は、自分本位で生き過ぎる者。女流作家が、ここまで嫌な男を描く鋭さに、次の小説も読みたくなる。

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2013年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私が好きだったのは『口紅』
旦那さんは奥さんがお化粧をするのが嫌いで、一度すごく怒ったことがあるんだけど、奥さんが病床のときに「口紅が欲しい」ってお願いして買ってきてもらうの。
でも全然使わなかく逝ってしまったのね。
でも実は、それを塗って死んだあと、旦那さんの友達の夢に出てきたお話。
これはね~、すっごい奥が深かったわ~。
なんていうか、奥さんの執念っていうか、旦那さんに対する対抗心っていうか、そういうものが死んでから表れるなんて女って恐ろしいわ~って思うんだけど、こういう旦那は絶対に許せない!!

その次に好きだったのが最後の短編の『父が帰る日』
これはね~、昔、奥さんと息子をおいて出て行ったお父さんが、30年も音信不通だったのに病に倒れて病院から電話がかかってくる。で奥さんにも押され、一週間の一時退院でお父さんを預かることになったのよね。でも或る日、孫のバックパックを漁ってるお父さんを見て息子が怒るの「また、そうやって昔みたいに金を盗むのか!」ってね。で、お父さんは病院に帰しちゃうんだけど、翌日、孫がお財布の中を見たら、くちゃくちゃの千円札が一枚入ってたんだって。
なーんかね、これ読んだときに、すっごい泣けそうになったのよ。泣きたかったの。でも隣りでTIMがうるさかったから泣けなかった。。。
これはね、ほんとじーんとくる話だったわ。

そのほかに7編の短編が入ってて、どれも男目線で書かれた話になってます。
この本、私、かなーり好き!!
5つ★あげたいな~。って思ったんだけど、たまにね「え?これはどういう意味?で、どうなっちゃったの?はっきり書いて~!」ってところが2箇所くらいあったので4つ★かな~?
でも唯川恵さんの作品はこれからもどんどん読んでいきたいと思います。

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2013年02月25日

Posted by ブクログ

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男目線の女の話。あまりこのタイプの短編集は読んだことがなかったから、新鮮で面白かった。
半分が男が浮気をし、女が出ていくと言う展開だったが男側の性格がどの話も面白く呆れるような人が多かった。
「バスストップの木島の性格はもはやあっぱれだ。今どきこんな人はいないだろうが、杏子の復讐は立派なものだと思った。だが、妻と娘に逃げられ何もなくなった男たちを見るのは辛かった。
「僕の愛しい人」は少しテイストが違って面白かった。ホラー要素も入っており、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからない。主人公は千晶を殺して食べたと言うことなのだろうか?これなら、殺してみつかりようがないから捕まらないのか?

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

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発売当時、購入した本屋で唯川先生が「男」を描く、がPOPのチャッチコピーでした。

「男はいつも女にしてやられる」

この言葉は流石!唯川先生!と云いたくなりました(笑)
あと「妻はもう妻でしかない」
よく世間で云われる、「妻はもう女じゃない」と云う男性の気持ちが理解できた気がします。

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2013年10月10日

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