あらすじ
小説『八つ墓村』よりも生々しく血なまぐさい――
一人の青年が村人30人を殺害した「津山三十人殺し」の全貌。
816ページに及ぶ「津山事件本」の決定版がついに刊行。
日本で最も「津山事件」に詳しい著者が残した、二十数年に及ぶ取材の記録。
本書ではこれまでの津山事件関連本で触れてこなかった犯人・都井睦雄と祖母・都井いねの知られざる関係にも言及。
犯人の都井睦雄が恋焦がれ、事件を決行した最大の要因ともいわれる「寺井ゆり子」(仮名)の新証言も公開。
ノンフィクションライターの高橋ユキ氏、事件関係ブログ「事件研究所」主宰の森谷辰也氏による解説記事も掲載。
さらにアメリカのフーバー研究所に眠っていた幻の資料「津山事件報告書」も全文掲載した「津山事件本」の決定版。
【目次】
プロローグ 「紫式部」伝説が残る集落での出来事
第1章 惨劇の幕開け
第2章 睦雄が残した3通の遺書
第3章 矛盾と虚構――筑波昭『津山三十人殺し』
第4章 睦雄が陥れられたお家騒動と陰謀
第5章 歪んだ愛情
第6章 睦雄と数奇なる運命に翻弄された4人の女
第7章 秘された暗黒史
第8章 殺意の芽生え
第9章 三つ目の阿修羅
第10章 【解説】津山事件報告書
第11章 沈黙
エピローグ 睦雄が恋焦がれた、ゆり子のその後
特別寄稿【1】津山事件の現場と「睦雄の墓」のいま……森谷辰也
特別寄稿【2】「つけびの村」と「八つ墓村」……高橋ユキ
石川清さんの思い出~世界で一番津山事件に詳しい男~ ……森谷辰也
津山事件の犯人「都井睦雄」の自殺についての考察……中村一夫
津山事件報告書(岡山縣苫田郡西加茂村に於ける三十三人殺傷事件)……司法省刑事局
【著者紹介】
石川清(いしかわ・きよし)
1964年、埼玉県生まれ。上智大学卒業後、NHK記者を経てフリーに。津山事件をはじめとする日本各地の埋もれた事件の取材の傍ら、2000年ごろから長期ひきこもりの支援に関わり始める。主な著作に『ヤシの実のアジア学』(コモンズ)、『津山三十人殺し 最後の真相』(ミリオン出版)、『津山三十人殺し 七十六年目の真実』(学研)、『元報道記者が見た昭和事件史』『ドキュメント・長期ひきこもりの現場から』(以上、洋泉社)などがある。2022年6月8日、逝去。享年57。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
分厚い!手が筋肉痛になりそうでした!
ものすごく丁寧に事件を解説している本。
スタンフォード大まで行って手に入れた当時の報告書の写しも興味深く読んだ。
あまり他の書籍や資料では触れられていない、睦雄が祖母と血がつながってなかった点とか睦雄の子供がいたのではないかという点は新鮮だった。
疑問点もいくつかあって、
睦雄が直接恨んでいた人以上に、子供が執拗に攻撃されている点を「子供好きではあったが嫉妬もあったのかも」とまとめているが、そう推測するに至った根拠はあまり書かれていないように感じた。
Posted by ブクログ
とにかく分厚くて読むのに時間かかっちゃった。津山三十人殺しについてチラッと知る機会があり、八つ墓村のモデルになったのも知らなかったのだけれど、本人だけじゃなくて地域とか時代とかいろんな要因にスポットが当たっていて読み応えあり。