【感想・ネタバレ】女性の世界地図――女たちの経験・現在地・これからのレビュー

あらすじ

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本書は単なる女性に関する地図帳ではない。
女性の経験を真剣に語るというレンズを通した、
フェミニズムによる世界の再地図化である。――「はじめに」より

世界の女性はどのように活躍し、抑圧され、差別され、生活しているのか?
グローバル化、インターネットの発達等の現代的テーマも盛り込み、
さらに洗練されたカラフルな地図とインフォグラフィックによって視覚的にあぶり出す。
1986年の原著初版刊行以来、30年以上にわたって版を重ねてきた、
世界最初の「ジェンダー・アトラス」最新版、翻訳刊行。
(好評既刊『地図でみる世界の女性』の改訂版)

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Posted by ブクログ

いうまでもなく、世界中で女性は男性に比べ圧倒的に弱い立場に置かれている。
これは、私の思想信条ではなく、各公的機関の調査等で明らかになっていることである。
だから国連女性機関があり、女性の権利条約が結ばれている。

本書では事実のみを述べ、その事実は莫大な数の各国、各機関の統計で出来ている(巻末資料参照)。
カラーはポップでありながら、非常に見やすいグラフが用いられている。
まさにそこが著者、訳者が苦労したところだそうだ。
フェミニズム、ここに極まれり。

さて、フェミニスト、というと、あえてこういう言い方をするが、
「ブスでモテない上に取り柄のないババアが権利権利とうるさく騒いでいる」
と思われるかもしれない。
それは貴重なご意見として承るとして、本書は単純に地図としてとても優れているからフェミニスト以外にも目を通して欲しい。
何が、どこでどう起きていて、その割合や前回調査と比較してこう変わった(あるいは変化がない)ということがよくわかる。
社会科教員免許を取得した身としては、地図の見方、面白さはこうだと伝える格好の素材だ!
もちろん歴史的側面や公民的な面(倫理・政治経済)からも。

名誉殺人、レイプ、DV、中絶といった性にまつわる意思決定において女性の意思の欠如が本書ではわかる。
オリンピック、ミス・ワールド、美。
教育の機会、国政、軍隊。
本当にありとあらゆるものが一冊にまとまっている。

私は、個人的な意見として、日本が国際的な発言権を得るには総理大臣、つまり国家元首が女性を立てなければならないと思う。
大国アメリカも、中国も、ロシアも、まだいない。
他の国ではいるけれども、やはりまだ珍しい。

誰もやっていないことを先んじなければマーケットで主導権は握れない。
追随者では所詮二番煎じ。
一番じゃなきゃダメなんですよ!
研究者も、ビジネスパーソンも、
「社会では」「会社では」「新しい考えを出せなきゃ」「そんなことじゃやってけないよ?」と仰る。
1000000回くらい聞いているんですけれど、真に出来ていないのはそちらでは?
と、煽ってみたけれど、喧嘩がしたいわけじゃない。

みんなが幸せになる方法を真剣に考えるべきで、それは誰もが対等に話ができることだと私は思っている。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

アメリカには児童婚が合法の州がある、ということに一番驚いた。
マーガレット・アトウッド作品の背景を知ることができたという思い。

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2024年06月30日

Posted by ブクログ

世界の女性はどのように活躍し、抑圧され、差別され、生活しているのか?グローバル化、インターネットの発達等の現代的テーマも盛り込み、さらに洗練されたカラフルな地図とインフォグラフィックによって視覚的にあぶり出す。1986年の原著初版刊行以来、30年以上にわたって版を重ねてきた、世界最初の「ジェンダー・アトラス」最新版、翻訳刊行。
日本でこんな画期的な本が生まれたわけじゃなく翻訳ものなんですね。それでも十分にすごいことだと思うけれど、日本でこれを作ろうと思う人は実際ほとんどいないのかもしれないな。地図なので視覚的に分かりやすくて、格差しか感じられないのが悲しい・・・。日本や北米は恵まれてると思っていたけど全然そんなことない部分もあるんだな。世界的に少し改善が見られる部分もあるという記載に救われる気持ち。もっと男女関係なく幸せな世界を目指して努力し続けるしかない。

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2022年06月16日

Posted by ブクログ

家父長制は日常的な性差別。ミソジニーを内に抱えている。
サウジアラビアは、国家として女性を統制している。宗教法が社会の基盤となっているため。
軍事化した原理主義者が、女性差別を助長している。
男児選好で、男性が増えているため女性の人身売買や誘拐の増加につながっている。
スウェーデンでは、買春法を導入し、客が犯罪者となった。
コンピュータサイエンスは、男性が支配的。しかし一時は女性の割合が多かった。男性が多くなったのは、家庭にパソコンが普及し、男の子のおもちゃ、になってから。しかし、インドでは女性が42%を占めている。

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2021年03月16日

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