あらすじ
★荻上チキ・Session「荻上チキのおすすめ本」で紹介! (TBSラジオ、2021年1月1日)
BLM運動の盛り上がりの背景にあるのは……。ヘイトスピーチ、ヘイトクライムの基層をなすのは……
いま新たに注目される差別概念「マイクロアグレッション」の全容がわかる基礎的かつ最重要文献。
「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。
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Posted by ブクログ
マイクロアグレッションについて非常に整理されており、事例もたくさん掲載されているため、この一冊でマイクロアグレッションについてかなり知ることができると思います。
Posted by ブクログ
マイクロアグレッションという題名からだけで、攻撃衝動を抑える方略だと勘違いしていた。
実際は、人種、性などの差別問題のことであり、隠れた差別という状態である。
この対処については教育の章で丁寧に説明されているし、臨床の最後の章でも説明されている。
ただ、アメリカの状況だけを扱っているので、日本に置き換える場合には、日本での状況を扱った本を読む必要がある。
差別問題の新しい切り込み方かもしれない。
Posted by ブクログ
社会の構造や制度、育った環境や身近にあった文化などにより、知らず知らずのうちに備わったステレオタイプや偏見によって、日常生活でのやりとりや態度に「あからさま」ではなく「あいまい」な形態で表れる無意識で見えにくい差別。これをマイクロアグレッションとし、人種・ジェンダー・性的指向のそれぞれに対する影響、被害者側だけでなく加害者側の心理等についても考察している。
私はシスでヘテロの男性なので、日本にいる限りマジョリティに属する。
他人を観察していて思い当たることがあったり、もちろん自分自身を振り返って懺悔する部分も多々あって、読んでいて苦しくなってくる。
マジョリティ側が作り上げた社会構造や制度であるため、マジョリティ自身が変化するしかない。
「多様性」という言葉を唱えるだけではなく、他者のリアリティを知り、受け入れ、対話し、関係を作るためのコミュニケーションを厭わないこと。
アトロク(2021-11-25)、荻上チキさん推薦図書。
言葉としては、1970年代のアメリカなどで既に存在していたようだ。
Posted by ブクログ
自分でも無意識的にとっている普段の言動がマイクロアグレッションに当たることに気づかされた。と同時に、なんとなく感じていたモヤモヤが差別や侮蔑に該当することも確認できた。
同じことを何度も述べておりくどいのと、和訳が分かりづらいのが玉に瑕。
Posted by ブクログ
マイクロアグレッションとは、ありふれた日常の中における、ちょっとした言葉や行動や状況であり、意図の有無にかかわらず、特定の人や集団を標的とし、人種、ジェンダー、性的指向、宗教を軽視したり侮辱したりするような、敵意ある表現のことである。あからさまな(害意のある)ヘイトクライム、ヘイトスピーチに対しては、対処のしようもあろうが、無意識(ときには善意)の下でなされるマイクロアグレッションに対しては、対処が困難である。差別をする側(本書では白人男性)が差別をしている自覚もないだけに、話はややこしい。自分は差別主義者ではないと自認していても、社会のあらゆる場面で特権的な恩恵を受けている者(マジョリティ)は意識せずとも、差別的な言動をしてしまう。この前提をまず、受け入れることが重要である。自分は差別などしないと思っている人にとっては受け入れがたいことかもしれないが、差別を構造的に含んでいる社会に生活するマジョリティは無意識に差別的な言動をしてしまう。この自覚をもつことがすべての始まりなのだろう。可視化されていない差別にマイクロアグレッションという概念を与えた功績は極めて大きい。無自覚な差別を自覚することができれば、それをなくすことができるからだ。
Posted by ブクログ
中学の英語の教科書の例文"I am a Japanese."
例えば在日コリアンの人にとって、授業でそう言わなきゃいけない時、絶対苦しいと思う。
人間は、無自覚な差別から逃れることができない。
それをまず自覚すること。
誰かを無自覚に傷つけてしまったらせめてごめんと言う。傷つけた側の立場を分かろうとすること。
完全に共感して理解することはできないしむしろ傲慢だけど、無自覚であれなんであれ、マジョリティの当たり前を押し付けてはいけない。
差別について議論するときは、感情の整理が大事。