あらすじ
「不味い人間を百年飼育すると大変美味になる」と信じる人喰い妖怪ラーと人間チキタの奇妙な交流を描く『ネムキ』の大人気シリーズ最終巻。実は妖怪ではなく人間だったラーが、これまで人の命を奪ってきたことを悔い生まれ変わる。
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人喰い妖怪ラー・ラム・デラルに家族を殺された少年チキタ。あわや自分も殺されるかと思いきやあまりの不味さに難を逃れ、更に“不味い人間は百年大切に飼育するとたいそう美味になる”という噂を信じたラーの餌としてと一緒に暮らすことになり…
この始まりからして凄惨極まりないのですが、本作は軽いテンポで読ませてくれます。
最初はチキタを家畜としか見ていなかった無邪気で残酷なラーが、チキタやチキタを通じて出会う人間達によってだんだんと「愛情」を理解していく様は反面、過去に殺した人間達についての苦悩を生むことにもなり、読んでいて切ないです。
一見かわいらしい絵柄ですが、生と死、人間の欲深さ・愛情、誰もが持つ二面性、様々なテーマを内包していて、読み応えは抜群。
いつか食べられてしまうチキタとラー・ラム・デラルの暮らしはどんな終わりを迎えるのか。
涙なしには読めない名作です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
半分以降ずっと泣いてた。ニッケルに会えてラーが嬉しそうで私も嬉しかった。バランス、いい人だな。彼はレギュラーの中で数少ないただの人間で、なんだかすごいお父さんだったね。実際お父さんなんだけどそうじゃなくて、みんなのお父さんみたいだった。ラーとチキタが結局どうなったのかはさらっと書かれているだけで。詳しく知りたい気持ちもあるけど、最後にクリップたちが出てきて、とにかく幸せだったんだなってことがわかっただけで十分なのかも。
Posted by ブクログ
人食い妖怪とエサの奇妙な共同生活がつづられた漫画。かわいい絵に反し、内容はシビアというか残酷です。殺伐と安穏が同居していて、マザーグースが漫画になったらこうなるというような見本。読後は、切ない。