【感想・ネタバレ】30の短編小説のレビュー

あらすじ

豪華作家陣、揃い踏み。

文芸誌「小説TRIPPER」の“30”周年を祝した、“30”人の作家による、“30”をテーマにした小説アンソロジー。純文学作家からエンタメ作家、新進気鋭の作家からベテラン作家まで、今をときめく豪華作家が揃いました!
小説好きはもちろん、ふだん小説を読まない人も、きっとお気に入りの一作が見つかるはず!

<<執筆陣>>
青山美智子「ストールは赤」
朝井リョウ「三十番目」
朝比奈秋「ネオン魚群」
伊坂幸太郎「30を信じろ/30も信じる」
一穂ミチ「プレゼント」
江國香織「若月寧音(五歳)の三十日――聞き書きにより要点のみ記述」
温又柔「きょうの花婿」
加藤シゲアキ「サーティー・ストライプス」
河﨑秋子「こひつじメリー」
木爾チレン「うちとあんた」
九段理江「30世紀少女」
呉勝浩「檸檬と定規」
小池真理子「逢瀬」
小林早代子「(15)→(30)」
佐原ひかり「世界を救ったことがある」
鈴木結生「世界文学物尽(ものづくし)」
高山羽根子「そこの関節からも曲がるんだ?」
田中慎弥「チャーチルと母」
月村了衛「三十年前、一瞬の光景」
中村文則「これを消してほしい」
西加奈子「30の春子」
町田そのこ「さよなら、過去」
町屋良平「ハンマークラヴィーア、バスキン・ロビンス」
三浦しをん「三十秒の永遠」
宮内悠介「アメリカの人魚」
宮島未奈「紗南ちゃんの便せん」
山内マリコ「もう三十代ではないことについて」
結城真一郎「やることなすこと」
吉田修一「おそらく彼女たちは」
米澤穂信「世界を変えた三十人とラストプリンスタンディング」

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

大好きな作家さんから、存じ上げなかった作家さんまで、各々が書く30の短編をとても楽しみながら読んだ。
やっぱりこの方が書く物語は面白いなあと改めて感じたり、短い話の中で何度も笑わせられたり、読むのに時間をかけながら理解したり、馴染みのない文体で新鮮な気持ちになったり。一つひとつ個性があって、一つひとつが面白かった。
この本で初めて出会い、気になった作家さんの小説を読んでみようと思えた。自分で本を手に取ると、どうしても偏ってしまうので、このように出会えるのはとても嬉しい。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025年はあんまり小説読まなかったなぁ…と振り返っていた11月、本屋で偶然見かけたこちらをお迎え。
好きな作家さんが多く掲載されていて、知らない作家さんの作品も気軽に触れられていい1冊だった。

青山美智子さんと一穂ミチさん、やっぱりいいなぁ
朝井リョウは短編でも切れ味鋭く
加藤シゲアキも上手いよ
三浦しをんはエッセイ?
成瀬の作者さんも、「私たち一生最強」の作者さんも、吉田修一さんも
本屋で買い物するYouTubeで見かけた鈴木結生さんも(難しい)

色々な作家さんに出会えて楽しかった。たまにはいいね

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

『30』をテーマにした30話収録の短編集。

名立たる作家さんが勢揃いでテンション爆上がり。

どの物語も作家さんの個性が出ていて内容も多岐に渡り面白い。

特に印象に残ったのは
「ストールは赤/青山美智子」
「プレゼント/一穂ミチ」
「うちとあんた/木爾チレン」
「逢瀬/小池真理子」
「(15)→(30)/小林早代子」
「世界を救ったことがある/佐原ひかり」
「さよなら、過去/町田そのこ」
「紗南ちゃんの便せん/宮島未奈」
「もう三十代ではないことについて/山内マリコ」
「おそらく彼女たちは/吉田修一」

贅沢なアンソロジーを堪能した。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

豪華な書き手にワクワクしたんだけど、後半になるにつれちょっとお腹いっぱいになってしまった。
なんとなく飽きてしまい残念

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

一つのテーマに沿った30人の作家の30作の短編を一冊で読めちゃうお得感。次の読書に繋がる作品と出会える有難さ。

年齢だったり年数だったり人数だったり数字に纏わる何かだったりと、作者さんの発想を楽しめた。また、既読の作者さんの作品に「作者らしさ」を見つけてニコニコしました。(朝井さんの作品、勝手に「らしい〜」と面白く読んだ。)

木爾さん、九段さん、小林さん、それぞれ女子同士の絆(や別れ)を描かれてて好ましかった。

自分的に圧巻だったのは巻末を飾る米澤さんの作品。短いページの中に、一つとして同じものがない、一人ひとり唯一の人生というものが凝縮されていて、短編小説ならではの豊かさが感じられ、余韻のあるいい作品だった。推し、さすが…!

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

朝井リョウさんのエッセイが読みたい気持ちと色んな作家さんの文章が読みたい気持ちが重なり、これならそれぞれ短編だから読みやすそうだなと思い、購入。
読んでみて、すっと入るもの、なかなか入らないもの、など色々ありました。新たな出会いがあればそれもまた良し、読んでいましたが、読んでいるうちに、逆に朝井リョウさんの文章が恋しくなってしまい、「私やっぱり朝井リョウさんの言葉が好きだ」と再認識するという結果になり自分でも驚きました。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

30にまつわる短編集。 

↓一番刺さった話 ★★★★★
木爾チレン うちとあんた 
あまりにも自分の今と重なって、主人公の気持ちが痛いほどよく分かった。私も同じ痛みを味わってるから。
親友と別れる話。恋人ではなく友達とも別れってある。学生の時と違うのは、喧嘩したからとか、気が合わなくなったではなく、一緒にいることが辛いから。30歳。色んなことの結果が出てくる年齢。親友だからこそ、今までの道のりを全部知られているからこそ、今の自分を惨めだと思われたくない。
「優しい夫と結婚して、子供にも恵まれた和夏に、私のこの孤独がわかるのだろうか」
励ましの言葉も、相手は何も間違ってなくて、心からの優しさなんだけど、それが全く寄り添ってないと感じるのは、立場が全く違うからなんだろうり正しい励ましではなく、同じ苦しみを味わってほしい。そうでないと、分かるはずがないから。
「いつからか、和夏といるのが辛かった、幸せそうな和夏を見るのが、辛かった。あんたと自分を比べてしまう、親友だから。」
幸せになって欲しいと思われていることが辛いのも分かる。どちらが悪いのではないのも分かる。
「本当は、親友のままでいたかった。でも、お互いに変わってしまった。あの頃のふたりには、戻れないと知っていた。」

町田その子 さよなら、過去
不登校の日々に、両親が寄り添う姿がとても温かくて、やっぱり町田その子さんが書く家族は良い。一つ好きな消しゴムを買って一緒に学校に行き、帰りは校門で待っていてくれた両親。わたしも学校行きたがらない時期がよくあったけど、車で送ってくれたり一緒に歩いて行ってくれたり、心配かけたことを思い出した。そしてその頃のことを忘れていた。

↓好きな話 ★★★★
青山美智子 ストールは赤
「形のない不安は、いつだって、簡単にさっぱりと消すことはできない。だからこそ、こんなふうに『形のあるもの』に力を貸してもらうことだって必要なのだと思う。得体の知れない恐れを、確かな希望に変えていくために。」
物語の中では赤いストールだったけど、30歳の記念に買った指輪が、私にとってのお守りになっていくんだなと思った。

一穂ミチ プレゼント
こんな粋なプレゼントがあるだろうか。横棒一本の計り知れない無償の愛。

呉勝浩 檸檬と定規
高校時代の同級生の奇行を思い出しながら、閉じ込めていた自分自身がいじめられていた記憶が思い出される。浮かないことに必死だった。学生時代のほの暗い記憶が蘇る話。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

小説トリッパー30周年おめでとうございます。30をキーワードでつづる30人の小説家たちのアンソロジー読んでいて30の深い意味ありなかなかおもしろい企画だと思いました。私は中でも河﨑秋子さんと三浦しおんさんの小説が好きです。これからも長くおもしろくもあり、楽しくもあり、感動もありの小説を掲載して下さい

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2025年10月30日

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