あらすじ
2025年に没後10年となる水木しげると、2024年に作家デビュー30周年を祝った京極夏彦。長年にわたって師弟関係にも似た交流を持っていた稀代の妖怪作家2人は、どのように「妖怪」を捉えていたのか。
彼らが描いた妖怪はどこがどう異なり、何が共通しているのか。
二大作家の表現を比較検討することで、私たちにとっての「妖怪」とは何かを探る。
第一章 ゲゲゲの百鬼夜行
第二章 北西妖怪百景
第三章 目に見えない世界を信じる
第四章 この世には不思議なことなど何もない
終 章 おばけは死なない
巻末付録 水木しげると京極夏彦をよく知るためのブックガイド
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Posted by ブクログ
水木しげると京極夏彦が好きな人は楽しめる本。
昨今の妖怪ブームを牽引してくれているお二方がそれぞれどのような手法で妖怪というものを表現しているのか、
著作はもとより、インタビュー記事などを参考にして考え方などを紐解いてくれる。
水木センセイの生い立ちは割と知っていたが、京極先生についてはそこまで詳しくなかったので面白く読んだ。
特になるほど!と思ったのは、北海道出身の京極先生は身近に古い建物や街並みがなかった。(古くても明治〜大正で江戸のものはない)
だからこそ、法事などで古い民族的な作法や道具に魅了された。
という話。
私は旧街道沿いの宿場町の一つだったところで育ったので、古い建物が割と残っていて、完全にとは言わないけれど、江戸時代の街の様子など感じることが出来た。
あの感覚が京極先生はなかったのか・・・!
それを知らずしてあの薄ら暗い小説を書いているのか!と
と驚いた。
妖怪には3つの要素がある話も興味深かった。
・見た目
・名前
・説明
全て揃っておらず、名前だけ、見た目だけ、などの妖怪も多いようだ。
水木センセイは見た目のない妖怪に見た目を与えたりしている(砂かけ婆、子泣き爺など)今の私たちにはそれらが妖怪の姿のスタンダードになってしまっている。
これから50年後には水木センセイが作った妖怪は新世代として区別する、みたいな学問が起こりそう。
Posted by ブクログ
のどかな田舎の原風景が残る鳥取で育った水木先生と、近代以降の姿しか持たない北海道で育った京極先生。生まれ育った風土の違いが、妖怪との向き合い方や描き方の差につながっているという視点がとても興味深かった。 水木作品と京極作品が読み継がれていく限り、きっとおばけは死なない。そんな気がした。
Posted by ブクログ
水木しげると京極夏彦を妖怪を視点に語る。あちこちに書かれていた情報をまとめて、それぞれの妖怪観や創作に関する姿勢を浮き彫りにする。
水木しげる以前のことも書かれているため、日本に於ける妖怪観の流れがわかりやすい。