あらすじ
世界150カ国、日本でも毎日4500万人に愛飲されているコカ・コーラ製品。その成功の最大の理由は、世界最高峰と言われるマーケティング戦略にある。同社の日本支社長として、ジョージア、爽健美茶、紅茶花伝などを成功させた著者が語る、人の心を動かすマーケティングの極意。
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Posted by ブクログ
顧客の多くが女性である化粧品メーカー「資生堂」で、社長に就任後、魚谷さんは業績を飛躍的に向上させた。男性であり、化粧品メーカーで働いた経験も無い魚谷さんに、なぜこんなことができるのだろうか。私は経営者としての彼の手腕に感動すると同時に、彼のこれまでの経験や、培ってきた考え方に対して、強い興味を抱いた。それが本書を手に取ったきっかけだった。
本書を読み、私は魚谷さんの強さが「いついかなるときも、お客様抜きで物事を判断・実践しない」姿勢にあると考えた。「そんなのは、経営者として当たり前のことだ」と言う人も居るだろう。確かに、日本の企業では「お客様第一主義」という言葉がよく使われる。だが、販売の最前線に立つ営業から、企画、生産、開発、経営まで、組織に所属する一人一人が、それぞれの立場で「お客様第一主義」を実践できるようにするのは、並大抵のことではない。大きな組織で、たくさんの社員を抱えているのであれば尚更だ。
果たして自社の営業や、その他の社員たちは、自分の仕事の目的を人に語ることができるだろうか。自分の仕事が、どのような価値をお客様に提供し、どうやってお客様を幸せにしているか、具体的に語ることができるだろうか。それができないということは、現場を理解できていない、つまりお客様を知らないということであり、お客様のための仕事ができていないということなのだと思う。
魚谷さんは経営者として、会社全体で「お客様起点」のビジネスを実践できるようにするためならば、組織の改革も辞さない。ときには自ら販売の最前線に乗り込み、営業を始めとする社員や、お客様と直接対話して、その心の内を知ろうとする。世界中の誰もが知るグローバル企業の日本支部で、トップに君臨する人だ。部下に命じれば、いくらでも市場の情報は上がってくるだろうし、自らプロジェクトのメンバーに加わらずとも、人手はあるはずだ。だが、魚谷さんは自ら腕まくりしてプロジェクトに参加し、お客様が心から喜ぶ新しい価値を、何としても世に送り出そうとする。
「成功している企業は、組織全体・社員全員が、お客様の方を向いている」という旨のことが、本書には書いてある。シンプルだが、これこそ時流に左右されない究極の経営哲学だと感じる。
お客様は、みんな「人」だ。AIやロボットがどれだけ企業に入り込もうと、「人」の気持ちを心から理解し、価値を創造し、提供できるのは「人」だけだと感じる。企業が利益の大元をつくり出すためには、やはり「人」の力が欠かせないと確信した。
20代のうちに、本書に出会えて良かった。これからは、自分自身の発想や行動が常に「お客様起点」になっているかどうかを考え、働いていこうと決めた。
Posted by ブクログ
社会人になりたての人に仕事って?という観点としても素晴らしい。ぐっと来るものがあった。
マーケティングを学ぶ上では、そもそも何のためにマーケティングがあるのか、その言葉を実行するとはどういうことかがとてもよく伝わってきた。ペルソナとか机上の言葉がリアルを持って伝わってくる。
マーケティングの手法を学ぼうとすると、合わないかもしれないが、マーケティングの本質を学ぶには良い本。
Posted by ブクログ
マーケティングとは何かが分かりやすく書かれている。
著者が日本コカ・コーラの偉いさんだったということで内容にも親近感が湧く。
仕事は、机に向かってだけするものではない。朝から晩まで、すべての時間が仕事の時間だ。たとえば朝、電車に乗ったとき、昼、ランチを食べに行ったとき、休日に家族と出かけるときもそれこそ夜、眠りに就くまで徹底的に人を観察する。電車の中では前に座る人をよく見てみろ。マンガを読んでいる人、新聞を読んでいる人、眠っている人・・・。この人たちは、どんな人なんだろう。なぜ、こうしているのだろう。次にどうするんだろう・・・。常に問題意識を持って考えろ。トイレに入った時も考えておけ。
Posted by ブクログ
非常に面白い本だった。マーケティングを学問として捉えるのではなく、あくまで現場の実体験に基づいている。小難しい用語もなく、とても読みやすいが、マーケティングをしていく上でのキーワードがちりばめられている。
営業としてもぜひ読むべき一冊
Posted by ブクログ
マーケティングに関するノウハウ本はあまた出ているがこれはそれらとは少し違う。基本的なスタンスというか考え方を伝えることを主題にしている。単なる成功ストーリーのようだが、その裏にある苦しみは尋常ではないことが想像に難くない。読み返し、振り返ることが必要だと思った。
Posted by ブクログ
まず、この本を手に取ったきっかけはマーケティングのことが書かれている本だからと言うこと、それから特に自分の職業に近い食品の会社のマーケティングだということ、また日本コカ・コーラと言う会社は自分たちで商品を生産しないマーケティングしたいの会社で歩ける特色があるということを知ってと言った事でした。
※読んでみて心に残ったこと※
まずお客さん立場から考えると言うこと。お客さんに喜んでもらおうと思えば、お客さんはどんなことに感動したいと思っているだろうとか、お客さんは今どんなことに不便を感じているだろうとか、お客様となことに不満を感じているだろうということをよくよく考えてみる必要がある、ということを改めて考えさせられました。
また本社の中で魚谷さんはマーケティングプロジェクトのリーダーではないというふうに言っていたのが、印象的でした。自分の会社の中では、マーケターがリーダーになるべきであると言うような意識を持って全体が仕事をしているように感じられるが、少し引いた立場から考えて、リーダーだと自分を壱番上に勝手に上げて考えないということがとても大切なんだというふうに思いました。
また魚谷さんは平均点のマーケティングだめだというふうにもおっしゃっていました。まぁまぁの出来ではなくて、人の心を動かせるかどうか、これがマーケティングの妙だと思います。
商品のコンセプト・ブランドのコンセプトなどは代理店まかせにしないで、会社でコンセプトをちゃんと考えるべきだというふうにもおっしゃっていました。例えば自分の会社のマネージメント等に絶対この企画をとおしたい、と言う気持ちを込めて説得するためには、誰かが考えたコンセプトではだめ、自分の熱い思いを持っていろんな人たちを巻き込んでいかなくてはいけない、というふうに言っていたのが印象的でした。
うちの会社でも往々にしてあることですが、マーケティングの考えていることが、お客様と直接接する営業の方たちにきちんと理解してもらえているか、営業の人も同じ志を持ってそのマーケティングやプロモーションに取り組もうと考えてくれているか、しっかりとチェックをして、それができていないようであれば、仕組みを考えないしていく必要があると思いました。
たった120円で売っている一本の缶コーヒーが、毎日、日本のどこかで誰かを元気にしている、と言う仕事の喜びは本当に素敵だなぁと思いました。
Posted by ブクログ
ジョージア「男のやすらぎキャンペーン」や爽健美茶などを手がけた著者によるマーケティング概論。難しくなくドキュメンタリーのような感覚で読むことができた。もう一度丁寧に読み返したい書籍でした。
Posted by ブクログ
こころを動かすマーケティング
・instritic value / extrinsic value
・基本的な価値(機能/スペック) / 付帯的に加わる価値(エモーション、情緒や感性の価値)心が動かされる価値の創出
・マーケティングには両方が必要
・コカコーラは後者を100年にわたって変えて来た。
・ブランドとは進化するもの。
・インターナルマーケティング(働いている人たちの気持ちはシームレスに横一つであるべき)
・営業の仕事をマーケティング発想で変えていく(仕組み、やり方を変える)
・阪急電鉄創業者の言葉、将来の志は高く持ちなさい、日々の足元のことをしっかりやり遂げること=志に達する最も近道
・24時間顧客のことを考える
・常に問題意識を持って考える
・何をやらないかも戦略
・現場にこそマーケットあり
・誰に一番買ってもらいたいかを考え、ネーミングするそうけんびちゃ
・平均点のマーケティングは失敗する、似たような商品も失敗する
・一番手を獲得したなら、すぐにはその座をゆずらなくてすむ
・どうしてこの商品を作りたいのかを語れるか(周りから反対されてもなお)
・人を巻き込み動かすことが必要(熱意を持って頑張っているのだから、なんとかしてやろうという意識を持ってもらうことが必要)
・ぶれないこと、信念を持って姿勢を変えない
・ロジック、情熱、説得力、ギミックも必要
・統合マーケティングの強さ360度マーケティング
・新商品の提案は、A4の紙一枚、説明は3分で
・何が新しい価値だけを述べる
Posted by ブクログ
所詮ビジネス書、さらりと要点を、と思ったけれど、結構ちゃんとよんでしまった。全然テレビ見なくなったけど、ああ、ああいうCMやってたけど、ウラではこんな色々考えてたんだ、と。
ボトリングと販売は別会社が行うという仕組み
世界一のブランド
基本的な価値だけでなく、付帯的情緒的な価値も
創造的な緊張感
マーケティングで最も大事なこと。それは、お客様がきちんと見えているか。24時間いつでもどこでも顧客のことを考えよ
販売の最前線に出向くこと。オフィスで考えるのではなく、街を見ること。
3日分の現場の調査データのみ。後は確信(爽健美茶)
平均点のマーケティングはしない
ビジネスプロセスの起点はお客様
お客様だけでなく、社内スタッフ、取引先など色んな人の心を動かす
最後まであきらめない(明日があるさキャンペーンを受注したのは第一回目にきられそうになった広告代理店)
マーケターは一人では何もできない。機能に徹する。コーディネーターに徹する。
Everything communicates
Posted by ブクログ
・市場を伸ばしていく最大のポイント。その方向性を集約しているのが、「ペネトレーション」(浸透率)と「フリークエンシー」(頻度)です。ペネトレーションとフリークエンシーの掛け算によって、消費頻度をあげてもらうことはマーケティングの基本的な考え方です。
・将来へ志は常に高く持ちなさい。そして、日々の足元のことをしっかりとやり遂げることこそが、その志に到達する最も近道なのだ
・効果的なコミュニケーションとは、テクニックではなく自分自身が情熱を持って人生を積極的に生きること。それが他人にも影響するのだということ。
・マーケティングという戦略には、コケるときもあるのです。それよりも大事なことは、ベストを尽くすこと。その場その場で、ベストと思える取り組みをする。そうすれば、何かが開けてくるのです。僕はずっとそう思っていましたし、今もそう思っています。
・モノづくりをするとき、最も陥りがちなある危険が潜んでいる。それはこれぞ消費者のニーズではないか、と平均的で汎用的なモノをつくってしまうということです。統計を取り、平均値を出してモノづくりに挑むと、こういうことが起こりうるということです。
・セールスも、マーケティングの一環であるべきなのです。そこで僕は部門の名前も「マーケティング・オペレーションズ」と変えました。
・日本コカコーラの営業担当者とボトラー社との「協働マーケティング」を考えていた。
・結局のところマーケティングとは、人の心を動かせるかどうか、に尽きると僕は思っています。
・マーケティングは絶対に一人ではできない仕事である。そしてもう一つはマーケターはプロジェクトを引っ張るリーダーなのではなく、ひとつの欠かせない機能である、ということです。優秀なマーケターはどうするのかと言えば、機能に徹するのです。
ブランドマネージャーになっても成功している人は、上から目線には決してなりません。
一緒に腕まくりをして頑張っている、という空気をつくるのがうまい。ひとつのプロジェクトの目的を完遂するための、あくまでのコーディネーターになる。リーダーではないけれど、なくてはならない存在になる。そしてここで重要なのが、人を巻き込み、動かしていくということです。
・20ページ、30ページかけて一つの説明をしないといけない商品を、お客様にどう説明するのか、ということです。一瞬でどう心をとらえるのか。この新製品はここがいい、とか価値のメッセージをすぐに言えなければ、お客様には伝わらない。僕は、プレゼンのフォーマットはA41ページに絞るというルールを作りました。
・書いてほしいことは、何が新しい価値か。それだけ。ニューバリューが何かだけを考え、突き詰めなさい。それだけを説明しなさい。説明時間は3分。そのかわり、その新しい価値を説明するのに、歌を歌おうが踊りを踊ろうが構わない。一番効果的に伝わると思う方法でやってほしい。
・実は、市場の背景や現状分析はいらないと考えたのは、それこそ大きなくせものだからです。市場の背景を書こうとすると、今が300億円で3%の成長で・・・と書きたくなるからです。つまり、すでにある市場で提案を考えてしまう。まだ市場はありません、とは言いにくい。新しい市場を創造するという、常識にチャレンジする発想が出てきにくくなるのです。
Posted by ブクログ
日本コカ・コーラの代表取締役社長(2001-2006)の経験がある魚谷氏の1冊。
広報や販売に関わってる自分にとっては、とても充実した内容でした。ひさしぶりに、読んでワクワクしたり、読むのが楽しく思った本です。
内容は、タイトル通りでした。日本コカ・コーラ時代、またライオン在職時代の経験や筆者流の哲学(マーケティング学)を惜しげもなく公開しています。
コカ・コーラの見方が変わったかも・・・。
Posted by ブクログ
◎読んだきっかけ
知人に薦められたため。
◎要約
⚪︎ブランドづくりの発想
→心に感じて商品を選んでもらう
→お客様との絆づくりにフォーカス
⚪︎マーケティングで大切なこと
・顧客は見えているか
・現場に足を運んでいるか
・飛び抜けた商品を提供できているか
・最後までやり抜いているか
・人の心を動かしているか
・関係者を巻き込んでいるか
・常識にチャレンジできるか
◎所感
コカ・コーラのマーケティングはBtoCのため、やはり私の行っているBtoBのマーケティングでは当てはまらない部分が見られたが、文中でも「マーケティングは経営そのものである」と見られるように、マーケティングがいかに大切であるかが理解できた。
コカ・コーラでは営業部隊を「マーケティング・オペレーション」と名付けている。マーケティングの現場を担う組織という意味。
BtoBでもマーケティングで良いイメージをブランディングできていれば、営業部隊らも動きやすくなるし、より多くの利用に喜んでもらうことができる。マーケティングにより興味が持てた一冊。
Posted by ブクログ
コカ・コーラのブランド力の強さ、ヒットの裏側にあるドラマを知ることができて面白かった。すでにある程度マーケティングに精通している人にとってはもう少し詳細が知りたいと思える内容かもしれないが、マーケティングに興味のある人、これからマーケティングの仕事をしてみたい人にとって特にお薦め。モチベーションが上がると思う。
Posted by ブクログ
コカコーラで 実績をつくり、
会長までなったにもかかわらず、
コンサルティング会社を設立。コカコーラを退社。
そして、プロの社長職として 資生堂の社長になる。
マーケティングのプロで、
ライオンで マーケティングカンパニーのあり方を学び
人との出会いで、コカコーラのマーケティングを担当する。
そして、次々に実績を出していく。
その手法ややり方について 意外とくわしく書いてあるが
それは マーケティングの物語で、
マーケティングの深い理解をすすめるような話はしていない。
intrinsic valueとは 基本的な価値、そして本質的な価値。
extrinsic valueとは 付帯的な価値。
→エモーション、情緒や感性の価値。→心が動かされる価値。
【extrinsic value】の価値の創造。
が、一番 マーケティングの説明のポイントかな。
ある意味では こむつかしくない物語風になっているので
臨場感があり、なるほどと思わせる。
この人は 話術が うまいのだと思うよ。
でも、なぜ コカコーラのアメリカまで 出世しなかったのかな。
それがわかると思ったが、わからなかった。
この本の文脈で言えば、その当時のコカコーラの本社の人と
波長が合わなかった ということだったかもしれない。
たぶん、かなりの苦渋を飲まされたのではないだろうか。
その上で、こころを動かすマーケティングに対応できるのは
結局 心でしかない。それも 机の上で書いていては、心が通じない。
現場で 対話して ニンゲン観察をして
そこから問題を 引出すことだと言うことですね。
目には目を。口には口を。こころにはこころを。
一生 砂糖水を売っているのか とジョブスが問いかけて、
女の人を美しくしたくなった
と魚谷雅彦がこたえたのかもしれない。
Posted by ブクログ
日本コカコーラーで数々のヒットを飛ばした魚谷さんの著書。マーケテイングとは、人の心に興味を持ち、相手にいかに感動を与えることを自分の喜びと出来る人がそのことをやり抜く、考え抜く、想い、こだわり、志であると喝破する。マーケティングの技法の本というよりは、その根底に持つべきマインドを教えてくれる一冊。実際に知ってる事例がたくさん出てくるので、あーこの企画はこのようにして生まれたのか!という共感をもって読めます。
以下、参考になった点。
・マーケッターに必用なのは緻密な調査ではない。現場で起きているお客様の行動からくるインスピレーション。コレダ!と直感に来るものがあれば、揺るがずに情熱を持ってスピードをもって推し進める覚悟が必用。
・とがったコンセプトをたたき出す。世にあるベンチマーク製品を改良したような製品は、お客様に感動を与えることは出来ない。
・新製品のプレゼンはA4一枚で提案させる。マーケット分析・説明はいらない。大体のことは知っているのに、そのことに多くの時間、費用を費やすのは無駄。その提案する製品は、何が新しいのか?どんなとがったコンセプトがあるのか?のみを語らせる。そもそもA4一枚で語れないような製品を、お客様にどう端的に伝えられるだろうか?
・プロモーションだけが走ってもだめ。刺激的なプロモーションが先行して、製品の中身が伴わないことに注意が必用。
・会議では一番若い奴から意見を言わせる。トップが話をすると、若手は話が出来なくなる。自分の意見を言うためにその場にいるのだということを分かってもらう。発言が求められることが予めわかっていれば、その場への集中度も全く別物になる。
Posted by ブクログ
人の心を動かす、人をワクワクさせる、人を感動させる、それがマーケティング。
マーケターはプロジェクトを引っ張るリーダーではなく、一つの欠かせない機能である。そして想いを伝えることが大切。
Posted by ブクログ
伝説のマーケッター魚谷氏によるマーケティングの考え方をコカ・コーラでの経験を交えて解説。今までにないヒット商品を作る(そして広める)にはどうしたらよいか、ヒントが沢山書かれている。
Posted by ブクログ
マーケティングというと大上段に構えたり、何か偉そうという感じもありましたが(笑)、この方はちゃんと現場も含めた全てがマーケティングであると言ってて、だからこそこれだけの結果が残せているのだと思います。
Posted by ブクログ
誰に何を伝えたいのか、どうすれば最も伝わるのかを考え抜くことが大切。一部の心を動かすことができれば、勝手に広がっていくもの。ニーズを調査することも大事だが、本人が気づいていないニーズもある。
Posted by ブクログ
タイトル通り、『こころを動かすマーケティング』とはどういったものなのかを、著者である日本コカ・コーラ会長(執筆当時。現在は退任。)の魚谷雅彦氏が、自身の経験をもとに執筆した内容。
マーケティング本ですが、マーケティングを学問として説明する内容ではなく、伝えているのはその「マインド」の重要性です。
仕事への向き合い方、周りの巻き込み方、価値のとらえ方、マーケティングに限った話だけではなく、仕事全体に通ずるエッセンスが随所で語られており、とても沁みました。良書だと思います。
もちろん、仕事をしていくに当たり、その基礎となる学問や知識は身に付けておかなければならないこと(プロとして当たり前のこと)なのですが、それだけではこころを動かす仕事はできない、と。どれだけ情熱をもって取り組めるのか。当たり前っちゃ当たり前ですが、成功された方の言葉で見ると説得力があります。また読み返したい本ですね。
もともとは「商品を売る」とはどういうことなのか、を知りたくて興味を持った本ですが、それ以上に得るものが多かったです。ステップアップしたいですね。
最後に、こころに残る抜粋・メモ。
・常に何だろう、何故だろうと考える。24時間感じる、考え続けることが仕事。
・消費者自身がその新しい価値について意識していないことも多い。消費者のニーズだけを探っているだけでは新しい価値を提案すること難しい。
・如何に周りを巻き込むことができるか。巻き込んでいるか。義務ではなく意志をもたせる。
・何が新しい価値か。突き詰める。説明は3分でしろ。一番効果的に伝えろ。歌おうが踊ろうが構わない。
Posted by ブクログ
サブタイトルにあるように、コカコーラのブランド価値がどのように作られているかが語られています。
マーケティング関連の書籍と言えば、概念的なものが中心で、具体的事例として挙げられていたとしてもあくまで、新聞や雑誌の情報を纏め上げたものが中心ですが、この書籍では結局マーケティングとは何だ?マーケターは何を考え、どのように行動するべきだということが実際に起こった出来事を通して語られています。
今マーケティングに携わっている方や自社の商品作りにイノベーションを起こしたい 方にとっては、自分事として置き換えて考えることができる書籍だと思います。
マーケティングとは、「人の行動や心理、そういうものに興味を持ち、そこに何かの新しい価値を作っていこうという思いであり、こだわり、志だと思うのです。そこから、人の喜びや楽しさ、便利さ、感動など、人の心を揺さぶり、動かすようなものを考えていきたい、と思う気持ちです。」と語っています。また、優れたマーケターについては「何より現場を好みます。本社に上がってくる売上データよりも、目の前の自動販売機で、あるいは、コンビニのレジで、スーパーで、お客様に買ってもらっていることこそ、原点であり、そのシーンが見たくて、仕事に挑む。」と語っています。
著者は最後に言っています。
「マーケティングは人生そのものだ」、「人をドキドキさせたり、驚かせたり、笑わせたり、感動させたり…。人の心を動かそうと意識しながら日々を過ごしていけたとすれば、それは間違いなく人生を変えると思うのです。」
仕事をしてこんな風に考えることが出来たら世の中の人々みんながもっと幸せになれるだろうなぁと感じました。
凄く勇気をもらいました。
Posted by ブクログ
マーケティングのケースを学ぶのによい。
「機能」と「感性」の2点がしっかり響くものになっているのかが大切。
機能差がほとんどない今は特に後者の「感性」に響く商品コンセプト、プロモーションが大切だ。
飲料という非常にイメージの湧く商品であるため、勉強になった。
あの時のCMにはそんなメッセージがこめられていたのか!?と唸ることもあった。
自分自身も知らないうちにコカコーラの琴線にふれるプロモーションにやられていた笑
Posted by ブクログ
飛ばし読みした箇所があり、内容を網羅できてない。けれど学びになるところはあった。コカコーラはブランド勝負、中身は変わっていない。
・社会では期限を守る事が良いことだと思われているが、納得がいくクオリティまで先延ばしをする選択。
・お客様を考えるは現場が第一。
・会社が愛せないでお客様は愛せない。
承認空間の大事さが素晴らしいサービスの基盤である事を間違いないと思えた。
Posted by ブクログ
プロジェクトは壁があって当たり前。
マーケターはリーダーというよりもコーディネーター。現場と本部、自社とパートナー、営業とマーケ、それぞれのサイドから動かす。
お客様が買う現場に兆しがある。時代に即してexternalな価値を見直す。平均よりも突き抜けたものを。ぬるい紅茶は誰も買わない。
Posted by ブクログ
鳴物入りで資生堂の社長になり、いよいよ過去に働いていたライオンとユニチャームと提携。変革の請負人としての魚谷氏の人となり、考え方に興味を持ち読む。
日本コカコーラの社員はマーケティングに特化しているので550人しかいないらしい。魚谷氏は、ジョージアの明日があるさキャンペーンと爽健美茶、紅茶花伝、Qoo(クー)をヒットさせた人。
Posted by ブクログ
なぜコカコーラのCMが記憶に残っているのか、よく分かった。マーケティングは、もちろん方法論もあるはずだが、それ以上にお客様のことを徹底的に考える、その姿勢が大切だと気付かされる。なお、何もここに書かれているような大々的なことばかりがマーケティングな訳ではなく、普段の仕事でのお客様への姿勢にも繋がるものはある。あとおまけ的には、なんとなく実態の分かりにくいコカコーラシステムについて、資本関係が異なる企業群が、機能的に連携している理由などもちょっと分かる。
Posted by ブクログ
コカコーラ日本で初めて日本人社長になった魚谷氏の本。
コカコーラというブランドがいかにマーケティングにより作られているのかわかる。
砂糖水やお茶を広告一つで売り上げを伸ばすのだから。
販売は、100万台の自動販売機と2万人のスタッフのおかげということだ。
驚くのは、日本に250万台の自動販売機があることだ。
どれほど日本はつまらぬことに電力を消費している国なのだ。