あらすじ
「原因」と「結果」は世界を理解する基本用語だ.だが,二つの事柄を原因と結果として結びつけるものが何かについて意見は分かれている.長年人を悩ませるこの問題に関する,いくつかの基本的な考え方を紹介し平易に解説したうえで,最後に統計を使って因果関係を探る現代の科学的方法について哲学の立場から考える.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
普段の生活では単純な規則性をもとにして「因果関係がある」といってもよいのだけど、そうしたヒュームが批判した必然性にまつわる因果から離れ、様々な「因果」について考えていく後半が勉強になった。
とくに因果関係が存在しなければ成り立たない「科学」との関係については多数の例が取り上げられていて勉強になりました。
Posted by ブクログ
大学のレポート課題のために読みました。
本書では因果性にまつわる議論が横断的に扱われています。
話の導入が丁寧で、因果論を初めて学ぶ自分でも無理なく読み進められました。
因果論の入門書として非常に良かったです。
章ごとのキーワード
1 因果性、デイヴィッド・ヒューム、バートランド・ラッセル
2 規則性(恒常的連接性)、デイヴィッド・ルイス
3 時間的先行性と近接性、イマヌエル・カント
4 反ヒューム主義、必然性、スピノザ、アリストテレス、ジョン・マッキーのinus条件、エリザベス・アンスコム
5 反事実条件、多重決定
6 物理主義、ジョン・ロック、還元主義、創発主義
7 多元主義、ナンシー・カートライト、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、ネッド・ホール、推論主義
8 原初主義、トマス・リード
9 傾向性主義、因果的パワー
10 カール・ピアソン、ロナルド・フィッシャー、RCT、因果グラフ(ベイジアン・ネットワーク)、ベイズ主義、ブラッドフォード・ヒル基準