あらすじ
11月に著者来日! 『わたしに無害な人』のチェ・ウニョンが贈る珠玉の短篇集
友達との心の距離に揺れる10代特有の感情(「無理して頑張らなくても」)。大人たちの理不尽や偏見に気づいてしまった幼い日の痛み(「良き時代」)。まっすぐに生きる他者に感じる劣等感(「デビー・チェン」)。誰もが知るほろ苦い感情を掬いあげた珠玉の十四篇
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Posted by ブクログ
どの短編も余韻を感じる終わり方でした。
時と場所は違っても、似た思いを感じたことがあるかもと思うものもありました。そして訳者のあとがきに書かれていた「寛大になれない大人たちの生きる国」という社会をこの小説で垣間見ることができたように思いました。それと共にチェ・ウニョンさんも心の機微の表現が優れているなと思いました。
友人関係が全てのように思える
学生時代の心の揺れ
旅先で出会った友人への思い
フィンランドで知り合った友達に
伝えたかった思い
友達から気づかされた自分の気持ち
善意が伝わらなかったもどかしさ
大人の秩序に翻弄された頃の自分を
思う気持ち
など、自分が無理をしていたことを振り返ったときのことが、うまく表現されていました。それぞれの主人公に、「あの時の自分、頑張ってた」と思える今であってほしいと思いました。
〈目次〉
著者の言葉
無理して頑張らなくても
デビー・チェン
夢うつつ
森の果て
私たちが学べないもの
漢南洞の屋上プール
夕暮れの散歩
ブランコに乗って交わした言葉
ムンドン
良き時代
手書きの手紙
一時預かりのボランティア日記
アンニョン、クク
無給休暇
訳者あとがき