あらすじ
社内では喧嘩ばかりの光琉と遥香。でも実はうっかり身体を重ねて以来、秘密の関係を続けていた。「まだイかせない」昼間の表情とは一変、色香をまとった視線と卑猥なキス。容赦なく楔を穿たれ、絶頂に蕩けるけれど、私達は単なるセフレ……。そう思ってたのに「身体だけじゃなく、心も未来も全部ほしい」と抱きしめられて――!?御曹司に淫らに執着される、焦れ甘な恋!
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Posted by ブクログ
広告会社で働く遥香と光琉は、同期であり、仕事では互いを強く意識するライバル同士。社内では意見がぶつかるたびに激しく言い争うことで有名な二人ですが、実は五年前から誰にも言えない秘密の関係を続けていました。
遥香にとっては、あくまで仕事のストレスを発散するような割り切った関係。けれど最近になって、これまで一定の距離を保っていた光琉が少しずつ日常へ踏み込むようになり、遥香は戸惑い始めます。仕事では相変わらず容赦なく張り合ってくるのに、二人きりになると見せる表情や距離感はまったく別物。そんな光琉の真意が見えないまま、二人の関係が少しずつ変化していく物語でした。
同期でライバル、さらに五年もの間身体だけの関係を続けているという設定がとても印象的でした。昼間は遠慮なく意見をぶつけ合い、夜になると関係性が一変するというギャップも面白かったです。
遥香はかなりサバサバしたタイプで、光琉との関係にも恋愛感情をほとんど持ち込まず、「一緒にいて負担にならない」「仕事の張り合いになる相手」という感覚で五年も過ごしてきます。普通なら少しは相手を意識しそうなのに、驚くほど恋愛方面には鈍く、光琉が少しずつ見せる好意にもなかなか気づかない。その鈍感さにもどかしくなりつつ、どこまで光琉が頑張るのか楽しみながら読みました。
そして光琉がとても良かったです。
社内では飄々としていて、女性にもモテるスマートな男性なのに、実はかなり長い間遥香だけを見ていたことが少しずつ分かってきます。言葉で一気に押し切るのではなく、遥香の性格や反応をよく見ながら少しずつテリトリーへ入り込み、逃げ道を塞いでいくようなアプローチがまさに策士。
遥香にとっては突然距離を詰められているように見えても、光琉側にはずっと積み重ねてきた想いがある。その温度差が焦れったくもあり、光琉が少し気の毒に思えてしまうほどでした。
また、仕事の場面でも二人が対等なライバルとして描かれているのが良かったです。ただ守られるだけのヒロインではなく、同じ仕事で本気で競い合える相手だからこそ、光琉にとって遥香は特別だったのだろうと思えました。
一方で、後輩女性が絡むトラブルについては少し物足りなさもありました。かなり幼稚で危険な行動までしているので、もう少しきちんとした形で責任を取らせても良かったのでは……と思います。遥香自身が責任感の強いタイプだからこそ、そこを曖昧にしてしまったのも少し意外でした。
また、御曹司という設定については、物語の中でもう少し活かされていたら嬉しかったです。光琉は仕事のできるエリートというだけでも十分魅力的だったので、せっかくの背景をもっと見てみたかった気持ちもあります。
それでも、五年間続いた曖昧な関係が、光琉の一途な想いによって少しずつ恋へと形を変えていく過程はとても楽しく読めました。
身体だけのつもりだった遥香が、光琉の優しさや包容力に触れながら自分の本当の気持ちに気づいていく。そしてずっと彼女を待っていた光琉が、ようやく「身体だけではなく心も未来も欲しい」と本気の想いを伝える展開には、五年間の積み重ねがあるからこその重みを感じました。
ケンカップル、同期ライバル、一途なヒーロー、長い関係から本物の恋へ――そんな要素を楽しめる、焦れ甘なオフィスラブでした。