【感想・ネタバレ】令和の米騒動 食糧敗戦はなぜ起きたか?のレビュー

あらすじ

先送りされてきた問題と解決への処方箋

いまも真っ只中の”令和の米騒動”。米価格の値上がりは政府備蓄米の放出、輸入拡大などでいったん沈静化したように見えつつも、市場への米供給が足りていないことが明白になった。温暖化による米の不作もその一因だが、より根深いのは長年にわたって推し進められてきた減反政策、アメリカからの米の輸入圧力を飲み、農家の収入不足、高齢化問題などに積極的な策を講じなかった農政の失敗という構造的な要因だ。

この数年でパンデミックを経て戦争が頻発し、インフレが問題になり、関税交渉の中でコメの輸入措置を飲むことにもなった。恒常化しつつある酷暑で米の不作が大きなリスクとなっている。農政の大きな転換ははかられるのか? 先送りされてきた日本人の主食・米をめぐる問題をどう着地させたらいいのか。
『食の戦争』がベストセラーとなった第一人者の著者による構造分析と緊急提言!

目次
第1章 米がない国、日本 令和の米騒動とは何か
第2章 コメ農家が消える日
第3章 クワトロショックの時代 世界情勢と日本農業の危機
第4章 戦後農政の落とし穴 自給率低下の構造
第5章 再生への道 自立した農と食を取り戻す

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Posted by ブクログ

農水省の発表によると、2022年度の統計で、コメ農家などの収入は国からの補助金を含めて378万円だった。ここから肥料台や光熱費などの377万を差し引くと、所得はわずか1万円?!しかしどれほど赤字が出ても国は補填しない。これが日本のコメ作りの現状だそうだ。
また、日本のカロリーベースの食料自給率は今や40%を切っている。お金を出したら買える状態が続けばいいが、昨今の国際的な政治情勢を鑑みると、何が起こるか分からない状況だ。戦争や災害等で輸入が止まれば、日本人の食は一気に窮地に追いやられてしまう。
前半では、様々なデータをもとに、今の日本の食を取り巻く状況がギリギリの状態であることが示されていた。
後半では、この状況を変えるために、各地での食を守るための取り組みが紹介されている。

消費者として、地産地消を意識してなるべく国産・地域のものを購入することで、少しでも農家さんたちのお力になれればと思う。

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2025年11月26日

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