あらすじ
※電子書籍限定特典・退院&出版おめでとうメッセージ収録!
みなさんにはどうか僕を反面教師として死ぬまで元気に酒を飲み続けてほしい――
突如膵臓が爆発、転院に次ぐ転院、2カ月以上続く絶飲絶食、院内大量殺人事件に巻き込まれる(という幻覚)、お腹の上に出しっ放しになった腸、脳出血で昏睡状態へ……波乱万丈の闘病生活を経験した酔っ払いゲーム実況者・たろちんによる“アル中”エッセイ。
膵臓の一部が壊死し、腎臓や肝臓といった様々な臓器不全を引き起こすなど致死率の高い疾患といわれる重症急性膵炎。「生きるために一生懸命酒を飲んでいた」というたろちんが、ジェットコースターのように次々とハプニングが発生する入院生活と、そこに至るまでの飲酒生活、そして退院後に待ち受けていたさらなる困難を、痛快でコミカルなタッチで綴る。
『はぐちさん』作者・くらっぺによる描き下ろし8コマ漫画も収録!
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匿名
壮絶な闘病記を軽快に書く
ニコニコ動画からYoutubeへと長く配信活動を続けているたろちんさんの闘病記。
急性膵炎といえばチュートリアルの福田さんが発症したことで知った方も多いと思うが、重症急性膵炎はそれをさらに悪くした病気で、本書の中でも言及されているが死んでいてもおかしくなかった。
そんな壮絶な闘病記をインターネットに浸かっている人間は思わず笑ってしまうようなネタや例えを絡めて、面白ろ可笑しく書かれている。
個人的には『「めでたしめでたし」の向こう側にある人生を生きている』という標題がとても印象的だった。
重病人が入院中どう感じているのかを知るという意味でも意味のある一冊。
Posted by ブクログ
大病の入院体験と、その中での走馬灯のように自身の育ってきた過程を回想し、退院するまで、その後の未来という構成が美しい。
読み終えて思ったのが、大病をした事で自伝的エッセイが出るというのはある種羨ましいがトータルだいぶマイナスだなぁと。酒を飲みまくって培ってきた人間関係や仕事の繋がり、それに奥さんという人生のパートナー、それを計算に入れても「まだマイナスです」という感じだ。健康に生きることには代えがたい。
でもそれでいいんだろうし、たろちん氏からしたらそれしか選べなかったのだから、それが全てなんだろう。そもそもマイナスだと思う感覚も、どこに原点を取るかの匙加減次第だ。もっと壮絶な思いで今を生きている人からしたら、幸せにも映ることだろう。
思えば自分も辛い時期に毎日酒を飲んで陰鬱な気持ちを紛らわしていたことがあった。その生活のMAXがたろちん氏の病気するまでの生き方なのだろう。エスカレートするとここまでの大事になってしまうことを知ると、自分にもあり得た可能性と五体満足の現状を見比べてしまう。
たろちん氏がされた体験も、程度が浅ければ酒の肴の笑い話くらいになるだろうが、ここまでハードコアだとかえってノンアル・スマドリが進みそうだ。まぁそこまでハードに感じさせない書き味もたろちん氏の魅力なのだが。