あらすじ
日本の医療の輸出産業化、病気にならない町づくりという斬新な取り組みがテレビでも紹介され、大きな反響を呼んでいる著者。3.11以後、彼はさらにもうひとつ、「東北復興プロジェクト」を進めています。箱モノ中心の復興を否定し、病気にならない町づくりの実践と、さらに高齢化が進んだ被災地で残された人々の活力を最大限に活用するその独創的なアプローチ。高齢化日本そのものを変革しうるその挑戦の全貌を語ります。
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Posted by ブクログ
本書での「病院」は、人間らしい豊かな生活のお手伝いをする場所、という程度の意味です。
お年寄りを社会保障のコストと考えず、社会の一員としてどのように地域経済に参加してもらうか、というとこが本書のメイン。東北というよりは高齢者社会に対する処方箋、かな。
清掃活動等のボランティアなど、自分のできる範囲で地域に貢献すれば、地域通貨をプレゼント。その通貨を医療費として使えれば一石二鳥じゃね?て考え方(もちろん普通の買い物にも使用可能)。
すんばらしいのは、只の夢物語ではなく八王子のご自身の病院で地域通貨を実践されているところ。国の規制があって、なかなか理想までは時間がかかりそうですが「外堀埋めて既成事実作ったるわ!」な静かな闘志を感じます(-_-)
目から鱗がだだ漏れな本だったので、さらに目が覚めてしまいました。どうしてくれる←逆ギレ
Posted by ブクログ
必要なのは「復旧」ではなく「復興」である.
ハード面ばかり見ていかに街を震災前の状態に戻すか,ばかり考えるのではなく,どう人間が人間らしく活力を持って生きていけるようになるかというソフト面を考えて早急に復興プランを実現していくのが重要.
筆者は,手術等のプロしか提供できないサービスのみを病院で提供し,リハビリ等は既存のサービス・インフラを十分に活かしつつを街の中のコミュニティで行なっていくという復興プランを提唱している.
このプランの今後に期待.
Posted by ブクログ
町全体をリハビリテーション空間と考え、地域通貨まで見据えた住民相互のポイント制ボランティアシステムを導入す。お年寄りか元気に社会参加できる体制を整える。コンビニを拠点とする総合生活サービスシステムを構築し、「病気にならない町」を作る。
Posted by ブクログ
流し読みしたので今度読み直す。
これだけの理想と行動力と勉強をする力を見習いたい。
一番納得したのは人が活気を得るには尊厳が必要で、施しからは何も生まれないというところかな。
生活保護もしかり。
Posted by ブクログ
あぁ、なんて自分はうんこなんだろう、さっさと何かをうみだせる人になりたいと思った。
以下、要約
必要なのは復旧ではなく、復興であること。
そのために必要なのはハードではなくソフトウェア、システム。
復旧というのは、ただ壊れた施設を立て直していくことで、
結果、産業が復活しないだろうし、出ていってしまった人は帰ってこないし、生活保護の街ができあがってしまう。
医療を産業として世界に輸出していくためにそこで、新しい次世代のシステム、それも少子高齢化に対応できるシステムをつくりあげる。それを世界に輸出していく。それが被災地の復興(あたらしく成長していける産業をつくる)につながる。
Posted by ブクログ
著者が、今まさに、決意され進行しているプロジェクトについて、と、震災直後から被災地を訪問、官や、政治的な働きでは出来ていないことを民間の力で行おうと考えて思考する中からのアイディア。
既に、外国や八王子で実践してきたことをさらにブラッシュアップされていくという決意表明ともなっている。
八王子の病院で、医療費負担をリーズナブルにするため、ご家族が病院運営に関してなんらかの奉仕をすることでポイントがたまるというのは、インセンティブとしてもかなりよいアイディア。
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Posted by ブクログ
職場の本屋の平積みから、タイトルで購入。
医者の復興への提言というのは、自分にはあまりネットワークがなかったので、大変新鮮な感じがする。
おっしゃっていることは非常にもっとも。
①ODAのようにして住居や防潮堤だけを持ち込んでも、本質的な復興にはなるはずもないでしょう。必要なのはハード面だけでなく、被災者の生活そのものを復興するソフト面の議論なのです。(p74)
②例えばかぎられた地区でもいいから圧倒的な成功事例をつくり、その成功モデルを被災地全体に広げていきたい、と考えているのです。成功事例があれば、さすがに国もうごかざるをえないでしょう。(pp86)
③町全体をリハビリテーション空間として考え、地域通貨まで見据えた住民相互のポイント制ボランティアシステムを導入する。お年寄りが元気に社会参加する体制を整える。(p178)
医者でもあり、復興の熱意もある北原さんの試みは、女川町の町立病院ではうまく成功しなかったようで、それが残念。
また、復興に同じように努力している女川町役場の職員の不信感がにじみ出ているのも、プロセスとしては仕方ないにしても、もっと融合する努力、それを促す自分たちの努力が必要と強く感じた。
いずれにしても、超高齢化社会での復興に「医療」はとても大事。そのために病院を初めとする公益施設の用地費補助を全額国負担に制度化したのだから。
Posted by ブクログ
311震災を医療家の立場から眺めることができる本。それにしても、この震災への対応はかなり早いと思っていたが、この本を読むとあまりにもな状況に絶望しそうになった。マスコミの切り取る報道を信じ切っていただけだったのだと思った。