あらすじ
日本のガラパゴス!?に鳥類学者が上陸。崖崩れ、海鳥の襲撃など、過酷な自然の中でユーモアと冒険心を忘れず研究に突き進む!! 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』の著者による科学エッセイ。本州から1200キロの絶海の孤島・南硫黄島。原生の生態系が残る奇跡の島への本格調査は、過去二度しかない。三度目の調査研究チームに選ばれた鳥類学者は、入念に装備を整えて参加。だが、水没するテント、崩れ落ちる崖、襲いくる海鳥、口に入るハエ、噛みつくコウモリなど、予想外の過酷な自然との闘いが・・・・・・。知力体力を尽くして調査する姿を臨場感溢れる筆致で描く、冒険心満載の抱腹絶倒科学エッセイ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
研究も楽じゃないなぁ。
筆者は鳥類学者で、南硫黄島は本州の南1200キロ行ったところにある絶海の孤島だ。すごい傾斜の島で、アプローチしにくいところから手付かずの自然が残されている。ゆえに研究者は研究しほうだいだけど、サバイバルもしなきゃいけない。
南硫黄島は地形が激しいので、今まで4回調査されただけだが、筆者はそのうち2回に参加した。上陸したらまず1.6トンの荷揚げ。一人1日4L計算。食事は630食。これにキャンプ道具や常備薬に無線機など。バケツリレーの要領であげていく。ベースキャンプを設営する。背後の断崖は定期的に落石を発生させるので場所選びが大事だ。しかしこの日は大潮で、テントが次々と水没。真っ暗闇の中で引越し。
ぐるりの崖は一箇所だけ崩落していて、そのおかげで島内に入ることができる。山岳サポートの登山家たちがロープを設置してくれる。ルート工作には2日かかるので、研究者たちは海岸部の調査を行う。
準備期間は1年ほど。荷物や現地調査のスケジュールなど。荷物は最小限に、そして南硫黄島での移動は横ではなく縦なので体力づくり。水泳、クライミング、ボルダリング等。そして外来生物を持ち込まないよう、衣類はなるべく新品、アルコール消毒なども行う。荷物はクリーンルームでパッキング。
標高916mの山頂を目指して進む。ザックは15キロ。体重60キロの筆者にとっては25%増。カタツムリ研究者のチバはデイパックひとつで羨ましい。オオコウモリが普通は夜行性なのに昼に飛んでいて驚く。山頂は多数の海鳥の死体で溢れていた。捕食者がいないのだ。調査が終わり、帰ったら研究の始まりである。
翌年、北硫黄島に向かう。この島は50年ほど人間が住んでいたことがあり、現在は無人島だが、クマネズミが侵入してしまって雛や卵が食べられてしまって5種類の海鳥が絶滅した。ヒトが住まなかった南硫黄島とヒトの住んだ北硫黄島がパラレルワールドになっている。
北硫黄島では草が結構生えている。南硫黄島では鳥の営巣のため地面ががんがん穴だらけで、すごい密度だったので草はほぼはえてなかった。
その後小笠原諸島の無人島行脚の旅に出る。
Posted by ブクログ
鳥類学者の川上さんが、小笠原諸島の調査に向かう。小笠原諸島のなかでも、南硫黄島は今まで人間が住んでいたことがないという貴重な島。十年に一度の調査の3回目と4回目に参加した時の記録。北硫黄島にも調査に入っているが、こちらは人が住んでいた時期もあったが、今は無人島。
どちらもならではの自然が残っているそうだ。
暑さとの戦いでもあり大変そうだが、川上さんが書くと楽しそう(失礼しました)。
Posted by ブクログ
絶海の孤島「南硫黄島」がかなりヤバい件について
世界遺産・小笠原諸島の一部であり、日本一上陸が難しい「南硫黄島」の学術調査を描いた一冊。
タイトル通り「研究半分、冒険半分」なんだけど、その実態は映画『インディ・ジョーンズ』顔負けのガチサバイバル。垂直の崖を登り、「ハエの空気」に揉まれ、海鳥からの同時多発テロを受ける。
しかも排泄物は、まさかのお持ち帰り。
読んでいるだけで気が遠くなるハードさ……。
こんなん、好きでないと絶対できないわ。
著者にとって鳥は、もうアイドル以上の【推し】。
「大好きな推しを、誰よりも近くで最初に見たい!」そんな強い推し愛があるからこそ、こんなにも困難な冒険を楽しめるのだろうな。
読んでいて、子供の頃に夢中でクワガタ捕りに行ったのを思い出した。図鑑でしか見たことがなかったレアな「ミヤマクワガタ」を、地元の林で初めて見つけたときの、あの喜び。きっと川上先生が誰も知らない新種や生態を見つけたときも、あの時の興奮と同じ、いやそれ以上の大爆発なんだと思う。
過酷な環境を笑顔とユーモアで切り拓く「命がけの推し活」、最高に熱い本でした!
Posted by ブクログ
ユーモアも好奇心も情熱も頭の良さも兼ね備えている研修者、すばらしすぎる。
研究と冒険、本当にどっちもの面白さやワクワクを感じられて、面白かった。
自然を守るってものすごく難しいな。