【感想・ネタバレ】白衣の断罪者のレビュー

あらすじ

刑務所の隣に建つ総合病院で働く脳外科医・尾木敦也。六年前に強盗に両親を殺され、無気力な日々を送っていた。ある日、敦也が執刀を任された急患は、両親を殺したとされる死刑囚・定永宗吾だった。手術台の上で向き合うことになったのは、憎み続けた男。しかし定永本人は無実を訴えているという――。あの夜、一体何が起きたのか。敦也は看護師で妹の菜々穂と事件の真相を追うのだが……。(『殺人者の白い檻』を改題)

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Posted by ブクログ

長岡弘樹『白衣の断罪者』角川文庫。

『殺人者の白い檻』を改題し、書き下ろし短編『恋人つなぎ』を加えて文庫化。

『傍え聞き』や『風間公親』シリーズなどちょっと変わったミステリー小説を上梓して来た長岡弘樹が、本作では医療ミステリー小説に挑戦している。しかも、これがまた面白い。何時ものように時折、読者を置いてけぼりにするような、直ぐには理解し難い描写もあるのだが、後で得心してしまうのだから全く不思議だ。


『白衣の断罪者』。思わず唸ってしまうほど非常に巧い医療ミステリー短編であった。途中、様々な罠がミスリードを誘い、最後まで真犯人の正体をぼかし続ける腕前は見事であり、主人公の脳外科医が葛藤の末に下した重い決断を最後のひと言で読者に悟らせてくれるのだ。

S刑務所の隣にある総合病院の脳外科医の尾木敦也は、6年前に自宅を襲った強盗により両親を殺害されてから無気力で酒浸りの日々を送っていた。いよいよ精神的にキツくなった敦也は退職を視野に入れ、ここ1週間ほど休職していた。

ある日、病院の上司から呼び出しを受けた敦也はS刑務所から回された服役囚のクモ膜下出血の緊急手術を依頼される。同じ病院で看護師を努める妹の菜々穂がオペ看を務め、敦也が執刀し、手術は無事成功する。敦也は患者が両親を殺害し、死刑判決を受けた定永宗吾であることを知り、愕然とする。

しかも、定永は一貫して殺人については無実を訴え続けていたという。やり切れない気持ちになった敦也は、妹の菜々穂と事件の真相を追い始めると、少しずつ事件の真相が浮かび上がってきた。

★★★★★


『恋人つなぎ』。『白衣の断罪者』のスピンオフのような掌編。タイトルの『恋人つなぎ』からは想像出来ないほっこりするようなストーリーが展開する。

敦也の勤務する病院の菜々穂の後輩看護師の多田朋美は自分の無力さに退職を考えていた。

★★★★★

本体価格900円
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2026年09月30日

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