あらすじ
あの頃、私は母の部下だった――
バリキャリの母が自分を産んだ年齢を迎え、婚活を始めた理佳子。
次第に理想の家族の形が揺らぎ始め……
令和の婚活と母娘の関係を描く渾身作!
化学メーカーで研究員として勤める田口理佳子は、家でも土日でも仕事をする母に育てられた“バリキャリ”の子だ。母が自分を産んだ27歳を迎え、周囲には結婚ラッシュが訪れた理佳子は、婚活を始める。
女は結婚したら派遣社員になるべきと考える専業主婦家庭の男。子の教育方針は親がすべて決めるべきだと言う理系男子。子育てを投資と考える外資コンサルの男。
それぞれの理想を掲げる男性との対話を経て、理佳子が辿り着く答えとは何か――。
「わたし、定時で帰ります。」シリーズ朱野帰子さん絶賛!
バリキャリの母に育てられた娘たちが、「母」について書く時代がはじまった。
働きまくってきた「母」は、我が子を幸せにすることができたのだろうか?
そのアンサーの一つがこの小説にはある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
婚活を通して母との関係に気付いていく物語の展開良かったですね。
久しぶりに気負いなく読書できて私自身ホッとしました。
それくらい読みやすくて、婚活メインではあるけど家族との関係にも注目できるので満足度が高かったです。
Posted by ブクログ
母親が結婚した年齢になった娘は、婚活を始めてみた。
主人公は化学メーカーの研究員。アプリで婚活を始めたばかり。論理的に自己分析しているのになかなか上手く行かない。
令和でも男性に無意識に残る母性信仰、公平と平等を履き違えた家計折半希望。
主人公の奥底に残る忙しい母親の姿。
二章、家計折半男の話。「出産の痛みは僕には関係ないので出産費用は自分で出して下さい」と言える男のどこが駄目なのか気づいてからの主人公がとても良い。
共働き家事家計折半の自立した女性を求める男性の本音は、自立しているから世話をしてやらなくても済んで、かつ女性には母性があるはずなので子どもや親や自分の世話をしてくれるだろうという無責任幼児思考で気持ち悪い。
この物語に出てくるのは男女共に高学歴で高収入。『高学歴男子を育てたのは専業主婦』で、『高学歴女子を育てたのはバリキャリ』考えてみれば、ひと昔前の専業主婦は娘の学歴には否定的だったし、バリキャリだと息子は寂しさでグレそう。
ちゃんと良い方向に向かうから、婚活に悩む女性は安心して読んでほしい。
Posted by ブクログ
【育児と仕事の両立に悩んでいる人
婚活疲れしている人
女性としての役割に悩んでいる人】向け
とっても読みやすい文章と題材。
婚活を通して母を理解し自分を信じていくお話。
子供を持つからこそ、今このタイミングで読めてよかった。
今は仕事と育児の両立が当たり前だけど、子供からしたら母との時間が少なかったり、寂しい思いをさせてしまうのだなと改めて思わされた。
子供を持って仕事をどこまでしていくのか、
子供との時間をどれだけ大切に過ごしていけるのか、ものすごく考えさせられる本でした。
◾️心に残った文章
私はずっと働いている母の役に立つために生きてきた。
バリキャリの子。
だけどずっと寂しかったのだ。
抱きしめて欲しかったのだ。
目を見て話を聞いて欲しかったのだ。
子供は育ったら戻らないから、やり直せるとしたら、子供との時間を少しでも増やそうとするかもしれない。
核家族には無理あるのではないか。
密室の中の子育てだから、それぞれが過剰に役割を背負うことになる。
母も父も弟も役割を頑張って背負いながら生きていたのではないか。
最短で本物を見せて、あとは子供を信じる
Posted by ブクログ
私はどちらかというと、母親の視点で読んだ。
主人公は、バリキャリの母親に育てられた、理系の大学院卒で化学メーカーの研究職として働く女性。母親は父親より収入が高く、家でも仕事。子どもの頃はシッターを利用し、更にホームステイや理科系の講座などにも参加し、弟の面倒を見ることもあった。一般的な家庭とは少し異なる環境で育っている。
母と娘の会話で、娘が母親に敬語を使っていたのは驚いた。
婚活アプリで出会う男性には、「結婚したら女性は仕事をセーブして子育てに専念すべき」などの結婚観を伝える人が多く、最近の婚活って本当にこんな感じなのだろうかと思いながら読んだ。
婚活だけでなく、育った家庭環境が結婚観や母と子どもの関係に与える影響について考えさせられる小説だった。
Posted by ブクログ
「専業主婦の子」
「STEAM教育」
「自然のある中で」
「英語教育」
「バリキャリの子」
5話収録の連作短編集。
主人公は、バリキャリ(バリバリ働くキャリアウーマン)の母のもとで育った27歳の田口理佳子。
マッチングアプリで婚活を始めるが、なかなか思うようにはいかない。
男性たちが思い描く結婚生活は自己中で、思わず引いてしまう。
生育環境で結婚への価値観がこれほどまでに異なるのかと、唖然とさせられた。
婚活を描いた作品でありながら、根底には母と娘の物語が流れている。
価値観の違いや親子関係についても考えさせられる一冊だった。
Posted by ブクログ
朱野さんがXでご紹介され、推薦文が素晴らしかったので拝読。
「あの頃、私は母の部下だった」など、キーワードとしてはインパクトのある表現が出てくるけれども、ストーリーとしては、頭からその後の展開が見えてしまう。
周りにアプリ利用⇒破談、結婚どちらのケースも見ているけれど、共働き希望かどうか、家事を期待されているかどうかだけで男性の良し悪し描くのは短絡的。主人公は経済的な指標で男性を見ないものの、そもそも専業主婦願望がある男性を頭からナシにするのも、条件で見ているわけで。実際はもっと人間として一緒にいたいかどうかも見るよね。この主人公の恋愛感情が希薄な感じが令和っぽいのかな。
気になったのは真下さん本人が、きっとお母様に対してまだ何かしらのわだかまりをお持ちなのでは。
母親のことをまだ理解できないような冷めた感じ、子どもとの距離感がある感じがあって、違和感が多かった。ビジネスライクな親子関係=バリキャリの親子関係なの?こちらも短絡的に感じてしまう。
いままさに働きながら子どもとの信頼関係を築こうとしている人間として読むと、少々辛さもあり。こんな母親ばかりではないなどと、否定したくなる気持ちも湧いたので、専業主婦でワーママにちょっと羨望がある人が読むくらいがちょうどいいのかもしれない。しかし専業主婦はこのタイトルだと手に取らないような気も……