あらすじ
効率と速度が極限まで高まり、酸欠状態を起こしている現代の社会。わたしたちは待つことができなくなった。「待つことは、待たれているものとのあいだの、切っても切れない、しかしけっして埋めることのできない距離を、いたみとともに、しかしあくまでもいつくしみともに、ひきうけること」。「待つ」ことを取り戻し、ふたたび自らを未知に開き、他者を信頼するために――。文庫版のための書き下ろし「二十年後の「待つ」」を収録。
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Posted by ブクログ
「待つことは、待たれているものとのあいだの、切っても切れない、しかしけっして埋めることのできない距離を、いたみとともに、しかしあくまでもいつくしみともに、ひきうけること」という文句に強烈に引かれた。大好きな人を失い、返事が来ないのに縋るようにメールを送り続けてしまう今の私に、必要な本だと思った。
本書は「一切の希望がついえ、できることがなくなり、憔悴しきり、それでもなお『待つ』とき、それはいかなる行為なのだろう?」という問いに貫かれていた。
やっぱり哲学書は難しく、理解できなかった部分もたくさんあるけど、私はこの答えを、「祈りや希いを超越し、自分のイニチアシブを一切放棄し、ただ何が起きる場を受け入れられるように自分を開いておく」というほどのことだと受け止めた。
筆者の言うように、「何かを待ちながら待つ」のはつらい。視野が狭窄になり、ぎりぎりと身を削られる。だから早く「待たずして待つ」、いわば「待つを超えて待つ」の状態に達したい。この本を何度も読み返し、そのための一助としたい。