あらすじ
子どものいないあなたにはわからないと言われるけれど・・・・・・。世の中に溢れる育児論は「親であること」を前提とした肯定的な物語に偏っている。が、筆者はあえて「ではない」立場から社会の歪みを考察する。社会において女性ばかりが結婚や出産の有無を問われる不均衡な構造、男性がそのプレッシャーから無意識に免除されている現状を、当事者でないから発言を控えるのではなく、「ではない」側からの視点を提示。「父親とは・・・」「母親とは・・・」「子育てとは・・・」。大きな主語で語られ、世の中で幅を利かせる「普通の家族」をめぐる言説への違和感を「父ではない」ライターが遠巻きに考えた一冊。
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Posted by ブクログ
男性の方が、なかなか踏み込んだテーマだとそもそも思わされてしまうということ自体意味のないことで無駄なのかもと思った。
別にこの世に生まれたからと言って特に課せられた役割や責任なんてないし、正解もないし、ライフステージなんて呼ばれるものが自分にあってもなくても自分らしく思うがままに生きていけば一番なんだろうし、そうできてないなと思っても自分がこうだと思った通りにするのが一番なんだろうなと思った。
なぜだか他の人と同じであるということを正しいとか、安心だと感じてしまいがちで、逆に自分と違う人を見つけたら、自分と同じにその人もならないと見ていて不安になるというのはあるよなと思う。ただ、自分が心配だからだったり、正義感でそれを他人に押し付けてしまうようになったら、それはただただ迷惑だなとは思う。
自分が心地いい形で生きていくことは自分自身以外の他人様がとやかくいうべきことではないし、自分が無理に変化をしてもしなくてもいいんだなと思った。
一部有名な方について気になる発言を具体例を用いて考える場面も多少あったが、サラッと内容を読み進めた。
個人的に『変化がない』という項目が楽しかった。
Posted by ブクログ
武田砂鉄さんて、勝手に女性だと思ってたら男性だったんだ!
タイトルに惹かれて、思わず手にとった。
目次をざっと見る。
・子どもがいるのか問われない
・ほら、あの人、子どもがいるから
・変化がない
・「産む」への期待
などなど、気になるものばかり。
父親目線で、母親目線で語られる作品は多く存在するけれど、父ではない目線で、母ではない目線で描かれた作品て、ほとんどない。
武田さんの、結婚はしているけれど父ではない、という、親でも子持ちでもない第三者から捉える「親・子・家族」とは。
当事者「ではない」立場から武田さんが見ている社会には、なるほど!という、気づきが多くて、わたしもこの男性優位社会に染まりまくっているのだなと痛感させられる。
小池百合子都知事、高市早苗総理さんに子どもがいるかいないかは、大抵の人が知っている。
でも、枝野幸男氏、河野太郎氏に子どもがいるかどうかは知らない。わかんないけど、いるんじゃない??という感じだ。
表舞台にたつ女性が結婚しているかどうか、子どもがいるかどうかは知られているのに、男性は特に問われない。
酒井順子さんは、「未婚・子ナシ・30代以上」を負け犬と定義づけた。でも、ここには性別は書いてないのに、なぜかこの字面だと女性を彷彿とさせるし、男性が上記にあてはまったとしても、負け犬感はないし、そもそも男性はなぜか同じ区分で語られない。
芸能人カップルが結婚した時になぜか報道される「なお、妊娠はしていない模様」。妊娠は一人ではしないのに、まるで女性が一人で妊娠したかのように描かれる。「なお、妊娠させた模様」とは描かれない。
と、「ではない」側からの目線に笑ったり納得させられたりしながら読み進める。
男女平等とか言われるけれど、結局男社会に女が合わせているだけで、社会の何かが大きく変わったわけではなく、結局社会全体が疲弊している。
そもそも女性は毎月股から血が出てくるような生活を送っているのに、なんで股から血が出てない人の生活に合わせないといけないのか。
子アリが子どもを語るのは許されるのに、子ナシが子どもを語るのは憚られる。
そんな社会だから、わたしは一生懸命、子ナシのくせに、子ども福祉の現場で子どもや家族の役に立っているつもりになって、子アリになったつもりでいたいのかもしれない。この社会の中で、「未婚・子ナシ・40代」という、女性にとって圧倒的不利な社会構造の中で、少しでも優位性を保っていたいのかもしれない。
そんな風に考えないと自分を保てなくなってしまった社会に、すっかり、足どころか、心までをも絡め取られている。