【感想・ネタバレ】命を選ぶ 遺伝病の運命に抗ったある女性の物語のレビュー

あらすじ

命と引き換えに視力を失うのか
苦悩の連鎖を断つ唯一の方法は『着床前診断』 だが……

命と引き換えに視力を失う残酷な遺伝病「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」。
苦悩の連鎖を断つ唯一の方法は『着床前診断』。
が、それはなぜか日本ではできないのだった。
野口麻衣子は我が子とともに
顔と名前をさらしてその理不尽を世に問うことにした。
1970年代に隆盛を極めた「青い芝の会」。
1999年に神奈川県立こども医療センターで生まれた重度のダウン症の女の子。
障害者と遺伝病患者、決して交わらないと思われた
その苦悩と相剋の歴史に、架け橋はかかるのか?

その苦悩と相剋、超克の歴史を描く人間ドラマ

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Posted by ブクログ

今まで読んだノンフィクションの中でも傑作。何がいいのかわからなくなった。

世の中を変えること、当事者の気持ち、時代の変遷、など、痛いくらい感じた。知らなかった方がいい話かもしれないが、価値観を広げられたと思う。

センシティブなテーマだからこそ、こういった本を読んでほしい。

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2026年08月02日

Posted by ブクログ

遺伝性の疾患である網膜芽細胞腫の患者である母親が、自分の子供に同じ思いをさせたくないと、着床前診断による遺伝子検査を受けようとしたら、それが2016年当時の日本では許されていないという状況に直面。かつて「優生思想につながる」と強硬な抗議を障害者団体から受けた医療界はそれ以来「重篤な遺伝性疾患」以外への着床前診断は許されない状況となっていました。
海外ではごく普通に行われている診断が、なぜ日本では当時許されていなかったのか、そしてそれが可能となるまでにどのような議論があったのかを本書は丹念に辿ります。

反対するのは障害者の方をサポートする団体でした。”「障害者は産まれない方が良い」という優生思想につながる差別である”、” 胎児を選別するのは個人の権利ではない”、”選ばれなかった命の事を考えよ!”というのがその主張です。
一方、遺伝性疾患を持つ母親は次のように述べています。”障害者だから生まないというわけではない。自分より先に死んでしまうと分かっている子供を産みたくない”、”視覚障害になる事を覚悟のうえで賭けの様な出産を強いられるのか”

着床前診断の適用を巡る議論は、多くの医療関係者を巻き込んで進んで行きます。”一患者の希望によって新しい施術を認めるわけにはいかない、長い年月の議論の積み重ねが必要”という反対派。一方で今、子供が欲しいと希望する母親にとって、待つことは妊娠するチャンスを失うことを意味します。

お互い引くことのできない主張を丁寧に取材し、当初は全く嚙み合わない議論だったものが、次第に方向性をもって収斂する様子と、それに関わった患者、医療関係者の生き様を交える本書、私が「この著者の本は必ず読む」と決めている下山進氏の最新作、期待を裏切らない内容でした。

本書を読み終わって、着床前診断を求める人と、反対する人、どちらの立場の人の意見にも共感できる部分があって、自分がどちらの立場をとるかと問われたら、決められないというぐらい考えさせられました。

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2026年07月30日

Posted by ブクログ

遺伝病の着床前遺伝子検査の可否に関する議論について、丁寧な取材を通じて詳細に記録したドキュメンタリー作品。生命倫理に関する答えの出ない問いについてどちらが正しいのか考えさせられる。

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2026年06月10日

Posted by ブクログ

正解のない物語だった。体外受精の着床率を上げるために、形のよいものを選ぶことは選別ではなくて、着床前診断が選別になる、というのは、おかしな話だな、と直感的に感じた。
どこからが人なのか、それも決め辛い。胚に意識があるわけではないと思うけど、もうすでにそれは命の始まりとも言えるし。
当事者が声を上げないと議論が進まないというのは一理あると思うけど、当事者にとっては肉体的にも精神的にとかなり辛い作業になってくると感じた。

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2026年06月01日

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