【感想・ネタバレ】美人薄命 〈新装版〉のレビュー

あらすじ

高齢者に弁当を配達するボランティアを始めた大学生の総司は、カエと知り合う。カエは、かつて愛した男との思い出を語り始めるが、そこには総司の人生をも変える秘密が隠されていた――。留年の危機にある大学生と老人の交流を描き、読者を謎に巻き込む重層的なミステリ。

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Posted by ブクログ

読んでいて久々にゾクッとしたし、読後は切なさと深い余韻で、本を閉じた後もしばらく茫然としてしまった。
物語の滑り出しはとてもコミカル。
登場人物たちの掛け合いが軽妙で、著者の比喩表現が秀逸。
怒りの表現を「ガンジーでも助走をつけてタコ殴りにするレベル」って…思わず想像してしまった。

家族もなく、片目の視力を失い、貧しく暮らす老婆カエさんが語る「将来を約束していた人が出征する前夜の記憶」。一見、切ない昔話に思えるその記憶に隠された「ある秘密」が、やがて総司自身の人生観さえも変えていく。

この作品のすごさは、人間の思い込みや心理の隙間を突いた巧みな構造にある。
孤独なカエさんと接する中で、総司が彼女に寄り添い、心を通わせていく過程の描写が実に丁寧だ。ユーモアを交えた二人の会話の裏側に、どこか寂しげで巧みな人間心理の駆け引きが潜んでおり、その巧みな空気感の作られ方には脱帽するしかない。

そしてクライマックス、すべての真実とそこに込められた想いが明かされたときの感情の揺さぶられ方は圧倒的だ。

残酷な運命を前にしても失われなかった愛と誇り、そして鮮やかな「逆転の発想」。絶望に屈しない強い想いの結晶にふれ、言葉を失った。

ミステリーとしての伏線回収(1人暮らしの老人が新聞をとる理由など、身近な日常描写の使い方も見事!)の爽快感はもちろん、根底に流れるのは言葉のない「静かな反戦小説」としての重厚なテーマ性である。
「誰にも言えない秘密を一生心に留めて逝く」という生き様の美学。
笑って、騙されて、切なさに胸を締めつけられ、最後は温かい救いに包まれる……間違いなく心に残る傑作だ。伏線を確かめるため、もう一度最初から読み返してくるとしよう。

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2026年09月27日

Posted by ブクログ

何歳になっても好きな気持ちはあっていいんだなぁって感じた一冊でした。戦争時代の恋と現代の恋、違うことも多いけど好きな人に対する純粋な思いはずっと続いていくもの。どうしても忘れられない人、自分の心の中で少しだけ美化した世界にいてください。思う気持ちは自由ですよね。とても素敵なおばあちゃんと青年でした。

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2026年04月17日

Posted by ブクログ

面白かった。
書店主催の読書会で、書店員さんが激推ししてて、その書店員さんの書いたポップを見た出版社さんが限定のポップを表紙のカバーにして、その書店限定で販売されていた。
買ってしまいましたよ。

面白かった。
カエさんと総司の交流も、その後の話も本当に良かった。ヒューマンドラマだ。

◯レと呼ばれた海の特攻隊が存在したことを初めて知った。人命を極限まで軽視した恐ろしい戦略だ…

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2026年08月02日

Posted by ブクログ

物語の中ほどまで、どういう話なのか掴めずにぬるぬると少しずつ読んでいたが、起承転結の「転」が起こってからは一気読みしてしまった。
切なくも読み終わった後に心がじんわりあたたかくなるミステリー。

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2026年10月03日

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