あらすじ
分け入っても分け入ってもうまい味!
博覧強記の料理人・イナダシュンスケが、うどん・蕎麦・餃子・から揚げ・ラーメン・すき焼き・お好み焼きなどの王道人気メニューから、日本の味の「東西差」を考えるエッセイ。
・おいしさの基準は「関西化」している?
・なぜラーメン店の店主は腕を組んで写真に写るのか
・広島VS大阪 仁義なき「お好み焼き論争」の行方
・日本料理店では「醤油」をなんと呼ぶ?
・餃子には何をつけて食べるべきか・・・・・・
身近すぎて誰もが膝打ちする全10章
【目次】
まえがき
chapter1 うどん
chapter2 お好み焼き
chapter3 餃子
chapter4 から揚げ
chapter5 ローカルフード周圏論
chapter6 蕎麦
chapter7 ラーメン
chapter8 醤油と味噌
chapter9 和食あまから問答
chapter10 東北くいだおれ道中
あとがき
【著者プロフィール】
稲田俊輔 (イナダシュンスケ)
料理人/飲食店プロデュ―サー/「エリックサウス」総料理長。
鹿児島県生まれ。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て円相フードサービスの設立に参加。
2011年、東京駅八重洲地下街に南インド料理店「エリックサウス」を開店。南インド料理とミールスブームの火付け役となる。
SNSで情報を発信し、レシピ本、エッセイ、小説、新書と多岐にわたる執筆活動で知られる。
レシピ本『南インド料理店総料理長が教える だいたい15分! 本格インドカレー』『ミニマル料理』シリーズ、エッセイ『おいしいもので できている』『食いしん坊のお悩み相談』『異国の味』、小説『キッチンが呼んでる!』、新書『お客さん物語』『料理人という仕事』『食の本 ある料理人の読書録』など著書多数。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
元はTwitterでエリックサウスの…と言う流れでフォロー始めましたが、文章のうまさに感嘆し、Twitterで東西の味バトルみたいな事が起きた際のパースペクティブな視点に驚き、単なるインド料理関係者じゃなくて日本料理をプロとして作っていた、出自は鹿児島で愛着と評価の二軸のバランスが凄いなと言う、この本の感想以前の部分にまず驚き。
うどんそばや出汁文化の話等から平易に時系列上のアップデートをさせながらこんな判りやすい食の近代史の話があったのか!と言う驚きがありました。東西と言うと関東v関西をイメージすると思うけど、西日本と名乗った時は九州になると言う、ごくシンプルなタイトル(ちょっと池波正太郎のむかしの味を思い出させます)に複数の集合図が描けそうな内容が楽しいです。
ヒガシマルや牧のうどんや甘い醤油の話に麦みそ八丁味噌などdigされる単語が次々出てきて読む手が止まらなかった。他の本も読みます(宣言
Posted by ブクログ
平日の昼食などはコンビニで済ませてしまうことも多いですし、せっかくどこかに出かけても口コミサイトの評価ばかりに目が行ってしまいます。
口コミサイトばかり見ていると、もはや料理を食べているのか?情報を食べているのか?分からなくなってきます。
しかし、しっかりとその地域に根ざした知識を持ち、微妙な味の違いが分かるのであれば、一食一食の食事がとても楽しいものになるし、幸せなことなんだろうなと思いましたし、また自分もそうやって真剣に食事をしたいと思いました。
私なりの味ってなんかのかな?と改めて考えさせられました。
Posted by ブクログ
じゃじゃ麺については「それです!」と思わず声にでてしまう納得感。よくある東西の違いについてはある程度知っているものの、そこからさらに一歩踏み込む思考とそういうことだったのかという発見と驚きがありとても面白かった。長野のビミサンは気になる。日高屋もXのポストを見たこともあって改めて楽しみ方を向き直りたいと思う。
Posted by ブクログ
【本を読もうと思った理由】
イナダさんのmondはよく読んでいて、読み物として面白かったため。
【本の感想】
私が小さい頃、父から「ラーメン屋に行く人は、ラーメン食べてるんじゃなくて情報食べてるんだ」と言われた。言葉自体はどこかで聞きかじったものだったはずだが(あとから調べたら某漫画のセリフだった)、築地で仲卸をしていた父には、自身の目利きと舌に自信があったのだろう。その言葉には説得力があり、私にとってある種の呪いとなった。おいしいものを食べたときに、それは自分が美味しいと思っているのか、それとも事前に得た知識を確認しているだけなのか。そんなことを考えること自体が、食事の体験を損なっているような気もした。
本書はある意味で、その先を見せてくれたようだった。あとがきのタイトル「ロマンをあじわう」が端的にそのことを表している。抽象的だが、先のセリフにある「情報」は目の前の一皿よりも手前にあるもの、「ロマン」とはその一皿の先にある奥行きだと理解した。それらを一緒くたに、純粋な味覚以外の雑念、と取り払ってしまうのは少々もったいない。自身の感覚とバックボーンの経験・知識を総動員して、想像を膨らませたり言葉を紡いだりする。そうやって全身全霊で食に向かい合う楽しさを本書から受け取った。