あらすじ
魔女ドロテの呪いのせいで首がない魔女ネリー。
顔がなくとも明るく過ごすネリーを、全身甲冑の騎士エルネストが訪ねてくる。
彼もドロテの呪いで醜い姿に変えられていた。それがネリーと婚姻することで解呪できると言うのだ。
しかし婚礼儀式には誓約のキスが必須。
【首がないので誓いのキスができません!】
二人は婚礼のため、ドロテを追い首を取り戻す旅に出るのだが!?
顔のない魔女と顔を隠した騎士の恋愛メルヘン!
【電子特典付き】
結婚式を終え、新居の家具選びを楽しむ二人。
「絨毯やカーテンはどうしますか?」「わたし、絨毯を自分で織りたいの」
布の類には人一倍こだわる裁縫の魔女ネリーが織る絨毯とは?
書き下ろしショートストーリー『空飛ぶ絨毯』を収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ついったでイラストレーターの桜花舞先生の表紙と差分の告知を見て気になった作品。首なし表紙と首ありは贅沢にカラーピンナップまでついた豪華仕様です⟡.*
首なしというと昔読んだとあるラノベの首なしライダーを思い出して懐かしくなりました。
首なし、魔女、呪い......それだけ聞くと暗くて恐ろしいイメージがありますが、本作はエルネストが皆に報告した時に騎士団の方々が思わずといった形で口にした「首がないのに愛嬌がある」という表現がぴったりでした((( *艸))クスクス
首がないのに喜怒哀楽がはっきりと伝わってきそうな煙の文字が明るくパワフルなネリーは、本当に愛嬌たっぷりで楽しくて首が無いことなんて忘れてしまうくらい雰囲気が可愛くてお茶目な女の子です(*´艸`)
ほんの姉妹喧嘩から始まったと思った魔女ネリーと魔女ドロテの埋まらない溝は、元を辿れば魔女の里を越えて三百年前に人間と魔女の間で起きた悲劇へと繋がっていて、今を生きる人間たちにとっては薄れた記憶であっても長い時を生きる魔女たちにとっては忘れられない記憶であり深い傷を残しており、そう簡単に解決できない蟠りにドロテがあそこまで怒る理由もわかる気がしました。。。
ですが、拾われた身で魔女の里で大切に育てられたネリーは純粋だけどちゃんと全部分かっていて1枚上手だったのかなと思いました。妹だけど大切にされ慈しまれた理由とそれが当たり前じゃないことをちゃんと知ってる聡い子で、ドロテを窘める姿は慈愛に満ちていてまるでネリーの方がお姉さんのようでした(•ᵕᴗᵕ•)
人間と魔女の間の蟠りだけでなく、家族のことで溝ができてしまったネリーとドロテ、呪いで家族とのしこりができてしまったエルネストとその家族や騎士団、ケイオス殿下の関係についても丁寧に描かれていてじんわり。
エルネストとネリーの結婚はそういう色んな蟠りを解くための第一歩でもあり、人間たちにとっても魔女たちにとっても深い意味を持つ祝福に溢れた結婚式で幻想的で優しさに溢れた様子に思わずうるうるでした( இ﹏இ )♡
思ったより素敵な物語でした。
首なし魔女、とはホラーな話かと
思っていましたが、全然違っていました。
どこまでも純粋で前向きで健気な魔女と
正義感あふれ心優しく真っ直ぐな騎士との
心温まる物語でした。
呪いのせいで首は無くても
煙のように「言葉」はたなびくし、
感情に任せて勢い良く発せられたり
雄弁で、表現が豊かです。
騎士も呪いのせいで甲冑も兜も脱げず
(素顔を晒せば相手に恐怖と殺意を抱かせる)
ふたりが並ぶとシュールですが
扉絵の2枚目がここに至るまで
どんな物語が展開されていくんだろうと
ワクワクさせてくれます。
300年前の皇国と魔女達との悲劇と嘆きは
いまだ続いていてそれに囚われ憎しみを募らせる人、
それでも人への愛情を忘れずにいる人、
様々な想いの中、呪いを解く為キャラバン隊と共に
白夜砂漠を進んでいくふたり。
この後の展開と連綿と続いた呪詛と誤解が解けていく様を
ハラハラドキドキしながら見守りました。
魔女たちが精霊へ祝福を次々に述べ
エルネストが精霊に命ある限り真心を尽くすと誓う
婚礼のシーンは久々に号泣しました。
どうか、この物語を是非多くの人に堪能してほしい、
そう思える、良作でした。