【感想・ネタバレ】こちら、終末停滞委員会。(2)のレビュー

あらすじ

蒼の学園への仮入学を許された少年・言万心葉は、正式入学をかけた初任務を与えられた。期待と不安が入り混じる中、任務に取り組む心葉は、カウス・インスティトゥートから派遣されてきた少女・レアと出会う。新たな出会いと困難な任務を通して、心葉は青春に近づくことができるのか?
SF×青春スペクタクル、待望の第2巻!

巻末には原作者・逢縁奇演による書き下ろし小説「銀髪の乙女と遊ぶだけ。」を収録。

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Posted by ブクログ

原作小説を既読済の者ならば、感慨深い気持ちになってしまう冒頭のモノローグ
原作に無かったシーンをこのような形で加えてくれるなんて嬉しいサプライズですよ。後、『臓物マンション』でのアレやコレやも割とアレンジしているようで。改めて本作を楽しめる仕様になっているね


心葉が向かうは『臓物マンション』、どう考えても初心者が向かう場所ではないのだけど、対処できる人員が少ないとか『臓物マンション』でさえ本当にヤバい案件よりかはヤバくないなんて意味合いを感じてしまうね。また、ヤバさを恐怖として感じずに済んだのはそこに仲間が居たからか
原作を知っていると色々と思わずに居られない少女・レアは本当に気持ちの良い少女だね。初対面で体験入学中の心葉に対して丁寧な姿勢を崩さず、またカウスの仲間からも慕われている
なのに信頼感醸成の為に相手のフェチを知りたがるし、自分のフェチも明け広げにするのは結構ぶっ飛んでるなぁ(笑) まあ、ここで自分のフェチを詳らかにした心葉も彼女に付いていけるだけの人間だと示した、つまりは信頼感が醸成されたと言えるのだろうけど(笑)

また、マギナやニャオも戦闘面では頼りになる仲間。てか、ニャオは対象の位置を入れ替えるなんてトリック系の能力なのに火力が高すぎるんよ……
但し、ちょっとした火力程度でどうにかなるなら終末停滞委員会の出番が望まれるわけもなく。むしろ終末の本領と言えるのは内部のおぞましさか
カルトが住民を利用して行っていた魂の加工は恐怖体験に通じるもの。また、儀式の為に無関係な人間を殺戮しても何も思わない感性は常識を超越している。それらは世界を終わらせる”終末”を名乗るに相応しきおぞましさ

同様に最深部に潜んでいた熱狂者ゴールも終末を煮詰めたような人物。不死化を果たし言葉は事実となる超常存在に対抗するのはただ強いだけでは無理なわけだ
だからこそ戦闘的な強さは持たないながらも、同じ終末として超常に成れる心葉だけがゴールに対峙できると
彼が繰るのは言葉だけ。しかしゴールは戦いの手を止め、心内を暴かれ、最終的に敗北した。それは言万心葉という終末でしか成し得ない偉業

この戦いは心葉が自分を卑下する状況から少しだけ卒業できた戦いだったとも言えるのかな
心葉の人生を滅茶苦茶にした『囁き屋』の能力は好まざるもの。作中でもレア達に能力を知られる事もゴールに能力を使う事も厭う程。そこには心葉という人間の優しさが見えてしまう
だからゴールの心を暴いて見るものは「利用できる」ではなく「俺と一緒」なんだよね。ゴールを倒す為に心の傷を抉りつつ謝ってしまう
このような力を持つ自分は陽の下を歩くに相応しくない。レア達がカウスの仲間から称賛を受けているシーンで心葉だけが影の中に潜もうとするのは彼の心象をよく表しているし、そんな彼を陽の下へ連れ出し称賛の輪に加えたレアは本当に良い少女だと改めて思えますよ

自分を嫌って生きてきた心葉が明るい心の輪に入れた。彼がこれから先の人生も明るく歩める可能性がそこには有って
だから、心葉がレアとカウスへ行くか、Lunaの為に蒼の学園に残るかは確かに運命の分岐点と呼ぶに相応しいものだったのだろうな
それでも彼はLunaの居る蒼の学園を選んだ。そこには彼が自身の人生をどうしたいかという方針が詰まっているように思えましたよ

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2026年10月24日

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