あらすじ
進学校の男子高校生・奥村正は、常に弟と比較されて育ち劣等感を抱いていた。そんな彼のストレス発散方法はSNSで他人を叩くこと。ある日、クラスメイトの軽井遊奈が歓楽街の怪しい店から出てくる写真を投稿すると、皆が便乗し炎上。遊奈は退学となり、コメントは投稿者を中傷する内容へと変化し、追い詰められた正はついに病院に運ばれてしまう。その待合室でも投稿をやめられずにいると、誰かが画面を覗き込んできた。「奥村正くん、だよね」突然、現れた遊奈は逃げようとする正のネクタイを掴むと、信じられないことにいきなりキスをしてきて……!?
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Posted by ブクログ
帯の「生きづらさ文学」決定版という文字に興味を惹かれて読んだ本。
信じられないくらい面白かった。
人との出会いで変わる自分、このテーマをこれほどまでに見事に描いた作品を私は知らない。
とにかく心情描写がすごかった。
主人公が少女との出会いを通して変わっていく姿が、丁寧に描かれている。
終盤では涙が止まらなくなった。本を読みながらこんなに泣いたのは初めてだ。
この本を読んだことで、私自身も遊奈から良い変化をもらえたような気がする。
「ハロー!あたらしい私」という言葉がぴったりな、あたらしい自分に出会える素敵な作品だった。
Posted by ブクログ
自分の価値観をアップデートする青春物語
なんとも刺激的で不穏なあらすじですが、内容はまっとうなYAです。
家族との軋轢に息苦しさを感じる主人公・正。自身のSNS投稿がブーメランとなって傷ついた後、なぜか投稿の対象だった遊奈に導かれます。様々な人たちとの出会いによって、自身の価値観を改めていく物語です。どんどん成長していき、また遊奈に惹かれていく正の様子に、胸を打たれます。
ラストの展開については、道中に丁寧な伏線が張られているため、唐突感はありません。ただ、物語の着地点としては好みが分かれるかもしれません。私個人としては、この二人の関係性には別の結末を期待してしまったので、少し複雑な心境になりました。