あらすじ
人間がまともに戦えばほぼ勝ち目のない動物、クマ。襲われた当事者の生の声を聞く、衝撃のノンフィクション。
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目次
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CASE 01
きのこ採りの最中子連れ母グマに襲われ 一部始終が動画に
2023(令和5)年9月28日
[現場]岩手県岩泉町釜津田(早坂高原)
CASE 02
背後からの不意打ちで頭部をやられ大流血 クマの姿はまったく見えず
2022(令和4)年9月上旬
[現場]群馬県沼田市佐山町
CASE 03
瀕死のヒグマと格闘 繰り出した右拳が相手の口の中に──
2022(令和4)年7月
[現場]北海道滝上町滝西
CASE 04
自宅裏の畑で突然クマが藪から現れ右目を失明
2023(令和5)年6月16日
[現場]島根県邑南町宇津井
CASE 05
地下鉄駅そばでまさか24時間続く痛みとPTSDに今も苦しむ
2021(令和3)年6月18日
[現場]北海道札幌市東区
CASE 06
人気キャンプ場の深夜クマにテントごと引きずられ右膝負傷
2020(令和2)年8月8日
[現場]長野県松本市安曇上高地
CASE 07
顔面を執拗に噛まれ前例のない重傷を負うも「痛いと言ったら負け」
2006(平成18)年10月16日
[現場]群馬県沼田市秋塚町
CASE 08
血まみれになりながら取っ組み合いで命がけの戦いを制す
1992(平成4)年10月7日
[現場]秋田県秋田市仁別
北海道のヒグマ最新事情と未来を見据えた対策
………坪田敏男(北海道大学教授)
本州・四国のツキノワグマ 生態や現状とこれからの課題
………山崎晃司(東京農業大学教授)
救急医療の現場から学ぶクマから命を守る方法
………中永士師明(秋田大学教授)
日本で初めてベアドッグを導入軽井沢町のクマ対策の20年
………ピッキオ
ほか
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Posted by ブクログ
2025年、日本列島を騒がせているクマによる熊害事故。クマはなぜ人を襲うのか?どうやって人はクマから身を守れば良いのか?
本書は実際にクマに襲われたが命は助かった方々の証言を元にしたドキュメンタリー。
クマに遭わないためにはどうすればよいか、出逢ったらどうするか、襲われたらどうするか、インタビューを読むことで、それらの疑問のヒントを探ることができる。
体験談は実に生々しく、被害の状況も痛々しい。一方、トラウマになるような被害を受けながらも、「クマに罪はない」と言う被害者が多いのは意外だった。
研究者が語っているように、クマと人間の“棲み分け”をすることが大事だと思うし、そのためにはクマを人間の生活空間に近づけさせない環境整備をやらないといけない。時間はかかるだろうけど、国と地方が協力して進めてほしい。人里に降りてきたクマを駆除するだけでは根本解決にならない。
幸いにも私の住む九州にはクマはいないとされるが、姪っ子の住む北海道にはヒグマがいるので心配。姪っ子にもこの本、読ませようかな。
Posted by ブクログ
クマに遭遇しないためには。
もし遭遇してしまったら。
襲われたら。
何をすれば、遭遇率が少しでも下がるのか。
襲われた時、生存率が少しでも上がるのか。
本書を読んで、クマ個体の性質・状態によっても、状況は左右されることがよく分かった。
子連れ・空腹・極度の興奮は、クマを狂暴化させる。
運、もあるのだろう。
それでも、クマに直面した時、何も知らない・考えていないよりは、動きに違いがでるのかもしれない。
注意を怠らず、山を楽しみたいと思う。
【memo】
クマはガソリンが好き。
鹿肉の発酵臭なども好き。
秋口に獲ったクマは、内臓に良質な網油がたっぷりとついている。
ケガの治療や保湿クリームによい。
有害駆除は2人以上でしなくてはいけない上に、弾も高額、時間もかかるのに、クマ一頭で2万円の報酬。
安すぎる。
北海道にイノシシはいない。
ニホンザルもいない。
6~7月はクマの繁殖期で、発情した雄が雌を探してうろつく。
雌は冬眠中に出産し、春に子熊を連れて歩くので、その時期は特に防御的攻撃が増えるかもしれない。