【感想・ネタバレ】いつも心にパンクを。 Don't trust under 50のレビュー

あらすじ

「卑屈に生きるなと教えてくれたのはパンクだった」――ブレイディみかこ(作家)

ラフィンノーズがソノシートをばらまき、NHKが「インディーズの襲来」を放送し、キャプテンレコードが大規模フリーギグをおこなった1985年から今年で40年。
KERA(有頂天)、チャーミー(ラフィンノーズ)、HIKAGE(ザ・スタークラブ)、TAYLOW(the 原爆オナニーズ)、ATSUSHI(ニューロティカ)ら、1980年代に熱狂を生んだブームを牽引し、還暦をすぎた今もインディーズ活動を続けるアーティストから、平野悠(「ロフト」創設者)、大貫憲章(DJ、音楽評論家)、関川誠(宝島社社長、元『宝島』編集長)など、ライブハウスやクラブ、メディアでシーンを支えた関係者まで、10代からパンクに大いなる影響を受けてきた、元「smart」編集長である著者・佐藤誠二朗が徹底取材。日本のパンク・インディーズ史と、なぜ彼らが今もステージに立ち続けることができるのかを問うカルチャー・ノンフィクション。本論をさらに面白く深く解読するための全11のコラムも収録。

【目次】
◎プロローグ ◎第一章 2025 還暦超えてもインディーズ ◎第二章 1985 「インディーズの襲来」の衝撃 ◎第三章 1976 ラジオから「アナーキー・イン・ザ・UK」 ◎第四章 1982 ニッポン総インディーズ化現象 ◎第五章 1987 インディーズブームの終わり バンドブームの始まり ◎第六章 2025 バンドブームのその後と21世紀のインディーズ ◎エピローグ
(※章末コラム)パンク&ニューウェーブ系シーンの始まり「東京ロッカーズ」/国立市のぶどう園 インディーズシーンを騒がす男たちの出会い/テクノポップ中心のニューウエーブシーン/独自のパンク&ニューウエーブファッション/日本初のクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」/ポジティブパンクはインディーズシーンの片隅で/ハードコア原理主義化したジャパコアシーン/ゼルダ、ヤプーズ、少年ナイフ・・・・・・ガールズバンド百花繚乱/「何があっても文句は言わない」誓約書を交わしたライブ/革命を起こした「ザ・ブルーハーツ」の記録/1980代後半を席巻したビートパンク

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

よく知っていた世界なので「そうそう!」「そうだったのね…」など、いちいち反応してしまう。
驚いたことに、有頂天もラフィンノーズもスタークラブもニューロティカも現役。
しかも地に足がついた生活をしつつ。
それこそがパンク。
インタビューも充実してて◎

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

P153
町田康、町田町蔵でINUで、石井監督の爆裂都市バーストシティにキチガイ弟で出ていた頃の回想として、1980年代前半の空気は、バンドにしても映画にしてもテクニックを持っていたらあかん、という感じだった。それは勘違いだったのかもしれないと後から時を経て思うが(このインタビューは2014)
本当に当時のインディーズ系カルチャーシーンはそうした雰囲気が満ちていて、既存の社会に反抗反逆する素人の実験的な表現こそが正しく、そんな奴らこそが素晴らしい世界を生み出すに違いないと、送て手も受け取り手と期待していたのだ。


ここが一番共感ポイント。

スタークラブ、ほとんど知らないバンドのまま今まで来てしまったが、スマホ様のおかげで昔と違い本書に出てくるバンドはほぼYouTubeで見られる。恐ろしい。月刊誌を穴が開くほど何度も見返していたことが悲しすぎる。

スタークラブ 1959年生まれHikageさんの言葉、
あんなに盛んだった学生運動が完全に消えていた、しらけた世代。学生運動に憧れる気持ちが強くすごく勉強もした。でも自分たちの世代にはもう熱くなれるものがない、そう思っていた矢先知ったのがパンク。今はパンクにもいろいろな考え方があるが、1970年代当時は、ジョンレノンのイマジンの世界、共産的な発想というか、パンクも左寄りの考え方が美しかった、、、


美しかった、のだ。共感。ダイレクトにセックスピストルズなと音と、清く正しく美しい左翼思想のパンクス、これこそがまさに。パンクス。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

おそらく著者と同い年の自分。パンクやインディーズを聴き始めたきっかけや同じ時代や空間を過ごしていたことをただ懐かしく思うだけではなく、10代のころから聴き続けてきたものと改めて向き合えた気持ちになりました。

そして継続はやはり力で尊い。本書に出てくる(ごく限られた世界での)レジェンドたちも、自分を含めたパンクに魅せられた人間たちも歳を重ねてそれぞれの人生を歩みながらもずっと同じ音楽に心を震わせられていることがとても心強く感じました。

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2025年09月11日

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