あらすじ
いくつになっても、家の中でも近所でも、“楽しい”は見つけられる! 突然のコロナ禍で試行錯誤したマスク作りに、旅立った愛猫が残してくれた可愛らしい思い出たち、そして引っ越し先での新しい日々。家の中でも近所でも、楽しみや喜びは、いくつになっても見つけられる。無理をせず、無駄をせず。そんな「しない生活」だからこそ、「今日したこと」から見えてくる大事なこととは? 移り変わる毎日の中で、彩りある暮らしを送るためのヒント凝縮エッセイ集!
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Posted by ブクログ
毎日ちょこちょこ読むのが楽しみな本でした♪
高齢独身女性がお家で楽しく暮らす日常エッセイなんですが、
編み物や動画鑑賞やぬか漬けを楽しんでみたり、
掃除や引っ越しに悪戦苦闘してみたり、
特にひとりでパソコンやブルーレイの初期設定をこなす部分には感心してしまった。
アラサーの私ですら機械には疎いのに!
一人暮らしの女性はたくましい。
しかも本人は知恵の輪でもやるように楽しんでやっているから凄いって思った!
特に、飼っていた高齢ネコを看取り、
生活が変化していく姿は自分の経験とも重なってジーンときてしまった。
家族同然に飼ってる人にしか書けない表現がいくつもあって、そうそう。と思いながら読みました。
群ようこさんのエッセイを他にも読んでみたいな〜
〆
以下好きな文章
しいがいるときは、当たり前の日常の仕事としてやっていたのだが、いなくなっただけで、とても家事が簡便になったのには驚いた。朝一番でネコトイレの掃除をし、七個の食器を丁寧に洗う必要もなく、日に何度もあった、十五分から三十分かかる、ブラッシングやマッサージなど、それらが一気になくなったら、単純に時間が余るようになった。もちろんそれに対しては複雑な感情もあるのだけれど、もしかしたら子どもが進学や就職で、家を出て行った母親の気持ちもこうなのかなと思ったりもした。
また同居しているときはまったく感じなかったのだけれど、私がしいのことを常に考えていたのに気づかされた。例えばものを床に置くとき、「ここに置いたら、しいが歩くのに邪魔になる」とか、机の上に本を積んだときには、「しいが下を通ったときに、もしも崩れたら大変」とか、いつもしいを中心に考えていたようだ。今でも、本を積み上げようとして、瞬間的に、
「あっ、しいの上に落ちたらいけない」
と思い、その直後に、
「そうだった、今後はこういう心配をする必要はないのだ」
と考え直す。そういう意味ではまだ慣れていないのかもしれない。
Posted by ブクログ
文庫版になり再読ということになったが、やはり群ようこさん最高。小説も大好きだが、エッセイも楽しい。ネコのしいちゃんの話は幾度となく、今までのエッセイでも出てきていたが、ついに。このお別れ系は悲しくてたまらないのだが、長生きしたしいちゃんと群ようこさんの関係は涙にくれるでなく、長生きしてくれてありがとう、という終わり方で、でも亡くなった後も、片付けの時に遊んでいたおもちゃがポロッと出てきたり、新しく引っ越した家に猫バカだけど足跡があったように思ってしいちゃんがきてくれたと思ったりする姿が、とても猫を愛していたのが伝わった。全体のエッセイは湿っぽくなく、編み物や、脱プラ生活もあり、コロナ禍、介護の話もあり。でも面白かったのは、YouTubeなど動画にハマる話や、音楽の話。まさか群ようこさんが有吉いいeeeee!見てるなんて思っても見なくて、すごく面白い。生活を楽しんでいる様子にほっこりした。
Posted by ブクログ
群さんのエッセイはだいたい同じテイストなので、新たな衝撃はない…それが最初読み進まない原因。
でも、読み始めればおもしろいのです。
そして、発見がある。
今回は、高橋睦郎さんのお宅の写真集「ロクス・アモエヌス」。15000円+税という恐ろしい価格の本ですが、早速借りました。
写真・沢渡朔、空間デザイン・半澤潤、これらのお名前もこれから確認していくことになりそう。
もう1冊、「ノスタルジア食堂」。副題が「東欧旧社会主義国のレシピ63」。群さん自身の30年前の中国でのエピソードが印象的でしたが、紹介された本は、エピソードとは関係なく読みたくなりました。東欧旧社会主義国、思うところがあります。
群さんの自律(自立)志向は、自分もそうありたいと思うので(真似できるかは別として)、また来年、よまにゃで買うんだろうな、と思っています。
Posted by ブクログ
タイトルと帯に惹かれて購入。
凛と、淡々としていて、穏やかな静けさを感じる群ようこさんのエッセイ、久々に読みました。
この本を読んで、阿部真央さんの「お前が求める私なんか全部壊してやる」という曲を知りました。スカッとしました!
Posted by ブクログ
コロナ禍の頃を含む連載を文庫化。
なんだか今や懐かしい話題になってしまった。
まだ完全に終わったわけではないのですが。
途中で愛猫ちゃんも大往生。
生活がガラッと変わってしまわれたよう。
ダウンサイズのお引越しもしたり。
でも、大好きな毛糸や着物の話もあって
この著者のそのテーマが好きな私は
おもしろく読みました!
Posted by ブクログ
感情をあまり表現しないが、愛する猫への気持ちや買い物での楽しみを、じっくりと感じている様子が伝わってきた。若い頃は外出してお金を使ったり、エネルギーを発散させてきたが、静かなお家時間で心の栄養を貯める歳になってきた。お家でできる楽しみを自分で見つけてゆく前向きさを見習いたいと思う。