あらすじ
とある男性が、歩きタバコの火が自らの衣服に燃え移り、火だるまになり死亡した。
目撃者の証言からも事件性はなく、本件はただの事故として処理されるはずだった。
亜人の刑事・アナンが違和感に気づくまでは。
原因不明の連続焼死、住宅街のミイラ、冬に咲くヒマワリ。
報告される超常現象の裏に、”何かいる”――?
ネコ耳刑事とはぐれ者捜査官が挑む、超常のクライムサスペンス!
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Posted by ブクログ
窃盗事件を専門に捜査を行う3課に属する刑事、アナン・デューア。
彼女は猫型の亜人であり、そんな亜人が普通に暮らしている程度に
現代とは少しズレている世界が舞台の物語ではあるけれど
超能力は流石に突飛過ぎて誰も信じていない。
そんな不思議な常識バランスの世界の殺人捜査録。
まるで海外ドラマ、特にXファイルを漫画にしたような仕上がりで
そこにTRICKテイストを少し加えたら出来上がりそうな作品。
全体的に重苦しい展開ではあるものの
時折挟まれるアナンくんの崩れ作画ギャグ描写が一服の清涼剤となり、
超常現象を伴う殺人事件という重いテーマの割には
するっと読めてしまう大人向けの名作。
第1巻で取り扱われているのは、
事故と殺人の両面で捜査が進む連続自然発火死亡事件。
ミイラ化した遺体が真実へと繋がる少女誘拐事件。
冬にひまわりが咲き誇る中で死亡していた富豪の遺産相続事件の3つ。
どの事件もサイコな殺人描写で幕を開け、
丁寧な動機の描写と人間ドラマで幕を閉じる見事な展開。
作者は相当映画、ドラマ、小説を読み込んでいますね、感心しちゃう。