【感想・ネタバレ】クィアのカナダ旅行記のレビュー

あらすじ

日本の同性カップルが「難民認定」された国で、
わたしが手にしたたくさんの問い、そして言葉。

日本と違って20年前から同性婚ができて、「LGBTQ先進国」と言われるカナダ。先住民や有色人種への差別が残り、パレスチナ解放をめぐって揺れ動いてもいるカナダ。二度の滞在をもとに、そしてバックラッシュが強まる日本の政治的状況を踏まえながら、その今を記録した著者初のエッセイ集。

“わたしたちはここにいる、わたしたちはクィアだ――でも、どうしたら伝わるだろう? 目の前に存在しているにもかかわらずしばしば「見えない」存在にされてしまう/「見えない」存在であることを強いられてしまう時、確かに「ここにいる」と、どうしたら伝わるのだろう。わずかな時間ではあるもののカナダに滞在している間、そして日本に帰ってきてからずっと、わたしは「見える/見えない」存在について考えているような気がする。”(本文より)

この旅行記は、ひとりのクィアの経験を綴ったにすぎない。それでも、そのひとりの経験になんとか「言葉」を与え、分かち合うことを通じて、見えてくるものがあるはずだ。

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Posted by ブクログ

 遠い。とてもとても遠い。ただの若者の極めて私的な海外旅行記としてしか読めない。おかしいな、同じクィアのはずなのに、と思いながら読んでいたが、九十年代に生まれ「(前略)ジェンダー・モダリティ的にはマジョリティだけど(中略)異性愛者ではない、という類いのクィアである」(p14)と自身を認識する著者と、七十年代生まれのMtFの私が思うクィアとが近しいカテゴリーのはずもないのであった。なにしろ私は、著者が「(前略)『日常的』に出会う機会は、日本では確かにあまりない(後略)」とあっさり書いてのける「白髪のクィア」なのだ。異国経験についても、異国に住むパートナーを頼って旅行した著者と、全く知り合いがいない国に単独で生活しようと飛び込んでいった私とで共感できるはずがないのであった。かといって、別に嫌な読後感はない。たぶん、近しい出生や育ちのクィアにとっては共感できる本なのだろう。

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2026年01月24日

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